Pop Styleブログ

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Ncm_0874どうも、「ごみ、好き?」ダイエッター、(森ゾー)です。このブログへの登場は4月の文楽王子・豊竹咲寿大夫さん以来ですね。大阪に演劇担当として赴任してはや2年の私、(森ゾー)が、ぜひ全国津々浦々に向けて大々的に紹介したい若手俳優、いや喜劇役者がいます。戦後ほどなく誕生した関西の老舗劇団、松竹新喜劇に所属する藤山扇治郎さん28歳。この名字にピンと来た人は、鋭いです。そう、昭和の喜劇王・藤山寛美の孫にして、あの当世を代表する喜劇女優・藤山直美のおいっ子なのです!

★丁稚役で鮮烈デビュー

現在私が住む京都は今、祇園祭(後祭)のまっただ中で、街中でコンチキチン、コンチキチン、チキチキと軽やかに祇園ばやしが鳴り響いています。京都の夏は蒸し暑いですが、いかにも良い風情です。四条通を中心に南北に点在している山鉾や、その周囲には、至る所にお祭り提灯が飾られています。

さて「お祭り提灯」といえば、松竹新喜劇の十八番中の十八番。私はこっち(関西)に来て3回、このお芝居を観ました。お祭り提灯を作る提灯屋さんが、ひょんなことから大金を提灯の中に隠すのですが、その提灯の中身を巡って提灯屋の奥さん、お客さん、町内の世話人、悪徳金貸しと、様々な人物が右往左往していきます。登場人物の誰一人も無駄な存在はなく機能的に物語を動かしていき、序盤の伏線が後半に鮮やかに回収され、花道を人が通るたびに爆笑が巻き起こり、最後に大どんでん返しのオチが付く。その見事過ぎる構成に、観ていてしびれました。何度見ても面白い。そして、この演目のキーパーソン「丁稚三太郎」役で2年前に鮮烈デビューを飾ったのが、今回の主人公、藤山扇治郎さんなのです。


★祖父と伯母。顔のどこが似ている?

この三太郎は祖父・藤山寛美の大当たり役で、「ごみ、好き?」というトボけたセリフ一言で爆笑を巻き起こしました。その大役を引き継いだ孫の扇治郎さんは、高齢化が進んでいた松竹新喜劇の平均年齢を一気に下げ、爽やかな新風を起こしたことは間違いありません。今回は、そんな扇治郎さんが、松竹新喜劇に入るまでの半生を振り返りつつ、喜・怒・哀・楽と、様々な表情をカメラの前で演じてもらって、それらをパッチワークのように組み合わせて一挙10枚も掲載してみました。さらに祖父、伯母の顔写真も近くに添えることで、この一家の「顔」のどの辺りが似ているのかを、読者に見比べてもらおうという趣向であります。

レイアウト担当の編成記者には、「ビートルズの『ビートルズがやって来るヤァ!ヤァ!ヤァ!』のジャケット風に写真を組んでください」と注文を出しましたが、出来上がってきたのは、どちらかというと『レット・イット・ビー』のジャケット風。でも、なかなかいい感じのデザインで、個人的にとても気に入っています。

扇治郎さんは、実際に取材して話を聞いてみると、とても屈託のない好青年で、嫌われるような要素が全く見つかりません。屈託がなさすぎる自由奔放な言動を、松竹の皆さんは少々心配しているようですが・・・、それもまぁご愛嬌です。果てしなき喜劇役者の道を正面から堂々と歩み始めたこの好青年のことを、関西だけでなく、色々な人に知ってほしいとの思いを込めて、記事を書かせていただきました。

紙面には載せきれませんでしたが、扇治郎さんの同期で松竹新喜劇に入団した2人の20代女性劇団員(桑野藍香さん、成瀬綾乃さん)にも要注目です。とにかく可愛い!上品で古風な顔立ちの桑野さんに、ほんわかした柔らかい笑顔が魅力の成瀬さん、それぞれ違うタイプの美人ですが、どちらも凜とした清らかさが感じられます。舞台ではダブルヒロインとして、扇治郎さんの相手役を交代で勤めることが多く、「僕が扇治郎なら、どっちをお嫁さんにしようかな」みたいな妄想が楽しめます。


★「吉本新喜劇」と「松竹新喜劇」の違いとは?

新喜劇といえば、吉本新喜劇が有名ですが、紙面では、吉本と松竹の新喜劇はどの辺りがどう違うのかを少々、解説しております。吉本新喜劇はフリ、ボケ、ツッコミという一連の流れがもはや伝統芸能の域で、見ていてとても楽しいのですが、まるきりタイプが違う「泣き笑い」の芝居が売りなのが松竹新喜劇です。これからの京都、東京、大阪での公演情報も載せましたので、ぜひ機会ありましたら劇場に足を運んでいただければ幸いです。特に9月の東京・新橋演舞場の昼の部「お祭り提灯」は、絶対に観て損はないことを不肖・(森ゾー)が保証いたします。

私は関西在任中にすっかり松竹新喜劇の大ファンになり、市販されているDVD「藤山寛美 十八番箱」を観ては、ボロボロ涙をこぼしつつ笑っています。「人生双六」「銀のかんざし」「花ざくろ」「おやじの女」「船場の子守歌」・・・・・。市井の名も無き人々が一生懸命生きているからこそ生まれる、泣き笑いの物語はキラキラ輝いて見えます。40歳手前になる今まで、こんなに素晴らしい芝居が存在することを知らなかった人生が実にもったいなかった、と後悔しています。でも、若い時に観るよりも、30歳を過ぎて、少しずつ人生の悲哀を感じ始めた頃に観始めたから、こんなにもはまってしまったのかもしれません。ちょうどチャップリンの映画のように。

さて、個人的な思いをつらつら書いてしまいましたが、「辛酸なめ子のじわじわキーワード」「小梶勝男のホラー月評」「Zakkaさんぽ」など、好評連載陣も充実。夏本格到来にふさわしいラインナップとなっているのではないでしょうか。

夕刊をご購読でない方は、駅売店などでお求め下さい。50円です。また、ヨミープラザでも紙面販売を受け付けております。詳しくは、こちら↓の紙面購入方法をご覧下さい。

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藤山扇治郎さんのオリジナル手ぬぐいを5人に。紙面掲載のキーワードが必要となります。応募はこちらをクリックしてください。7月26日(日)が締め切りです。

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 読売新聞の水曜夕刊に掲載されている新感覚カルチャー面。旬の人のインタビューコーナー「ALL ABOUT」を中心に、若きタカラジェンヌの素顔に迫る「タカラヅカ 新たなる100年へ」、コラムニスト・辛酸なめ子さんの「じわじわ時事ワード」といった人気連載に加え、2016年4月から、ポルノグラフィティのギタリストのエッセー「新藤晴一のMake it Rock!」、次世代韓流スターのインタビューコーナー「シムクン♥韓流」がスタート。オールカラー&大胆なレイアウトで紹介する2面にわたる企画ページです。

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