Pop Styleブログ

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引き続き、歌舞伎界のプリンス座談会をお送りいたします。

今回は、中村虎之介さん、中村鷹之資さん、片岡千之助さんの3人による座談会の前編です。(発言者の敬称略)

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――歌舞伎俳優になろうと決めたのはいつ、どうしてですか?

虎之介「僕は小学生の時は全然歌舞伎をやろうと思ってなかったです。中学生の時に、(十八代目中村)勘三郎さんに、平成中村座に出ろと言われて。江戸の芝居小屋みたいな空間で歌舞伎を見た時に、心にくるものがあった。お客さんの表情とか、役者の心とか。あとは背中を見て」

――勘三郎さんの?

虎之介「かっこいいな、って。それだけです」

――なるほど。

虎之介「僕はそれまで、自分の芝居が終わったら楽屋で休んで、次の準備をしていたんですけど。中村座の楽屋でお茶を飲んでいたら『何でお前、俺がやってるのに茶を飲んでるんだよ。見に来い!』って言われて。そこで概念が変わっちゃって」

――その意味するところは?

虎之介「とにかく芝居を見ろってこと。『俺のを見とけば間違いない』ってのはあったと思うし」

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千之助「(笑)」

虎之介「その中村座のロングランが終わった数か月後に勘三郎さんは亡くなったんですけど、短い間だったけど若手に伝えたものは大きかったなって。歌舞伎の世界はこれから何十年、何百年って無限大に広がっていくんだなってのを、その短時間に見せつけられた気がして。そこからですね」

――すごく劇的!

虎之介「父(中村扇雀さん)に言われるのは、勘三郎さんの背中を追いかけるのはいいけど、天国の勘三郎さんを『いや、お前にはかなわないわ』って言わせるくらいの役者になってくれよ、って。それが目標ですね」

――いい目標ですね。千之助さんは?

千之助「ターニングポイントは色々あるんですけど、これというきっかけはなくて。毎回毎回、歌舞伎への愛が深くなる。愛と言えるほどじゃないかもしれないですけど、好き度合いが深まっているんじゃないかなと思います」

――有名なエピソードだと、祖父の片岡仁左衛門さんに直訴して「連獅子」で共演したと。そんな11歳はなかなかいないと思います。

千之助「僕、色々言っちゃうんですよ。これやりたい、あれやりたい、って。今、虎にーに(虎之介)が言った通りに、僕の中にも祖父であったりとか、十八代目の勘三郎のおじちゃまだったりとか、憧れの人がいて。憧れの気持ちで舞台にに立っている、というのが強いですね。小さい時に見たヒーローに自分もなりたい、みたいな。舞台に出てきただけで見る人たちをとりこにしちゃう人たちですから」

――その例えは分かりやすいです。

千之助「11月の国立劇場(東京)公演でやった『三社祭』の初日、舞台に出る時に拍手が聞こえて、ニヤッて笑っちゃった。久しぶりの舞台やなって。そうやって舞台に立たせてもらって、ちょっと笑っちゃうほどうれしくなるのは、3歳の初舞台の時から変わってないのかな、と思います」

――鷹之資さんは?

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鷹之資「僕は歌舞伎をやるのが当たり前の環境で育って舞台に出ていましたけど、父親(五代目中村富十郎さん)が11歳の時に亡くなって、それから考える間もなく、ひたすらに走り続けて、必死でした。20歳になって少し余裕が出てきた時に、ふと『何で僕は歌舞伎をやってるんだろう?』と考えましたね。新型コロナウイルスの自粛期間中は、改めて自分が何で歌舞伎をやりたいと思ったのか、どういう役者になりたいのか、どういう人になりたいのかを考えました。やっぱり、好きだからでしょうね」

――どういうところが好きですか?

鷹之資「父親の背中を見て、いずれは父のような役者になりたいと思ってやってきましたけど、父の目指すものが見えてくると同時に、自分らしい役者になりたいと思うようになりました。行き着く先は、お客様に感動を与えられるような役者になりたいなぁ、って思います」

――素晴らしい!

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 読売新聞の水曜夕刊に掲載されている新感覚カルチャー面。旬の人のインタビューコーナー「ALL ABOUT」を中心に、若きタカラジェンヌの素顔に迫る「タカラヅカ 新たなる100年へ」、コラムニスト・辛酸なめ子さんの「じわじわ時事ワード」といった人気連載に加え、2016年4月から、ポルノグラフィティのギタリストのエッセー「新藤晴一のMake it Rock!」、次世代韓流スターのインタビューコーナー「シムクン♥韓流」がスタート。オールカラー&大胆なレイアウトで紹介する2面にわたる企画ページです。

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