どうも、ご無沙汰ダイエッター、(森ゾー)です。何だか久しぶりですね。このブログでは約1か月ぶりの登場です。さて、今週のALL ABOUTは、スリランカ出身のタレントで大学准教授で新聞奨学生で空手家で落語家で父親で・・・・と、様々な「顔」を持つ「にしゃんた」さんです!スリランカは「笑顔の国」と言われ、国民はみんな笑顔を絶やさないそうです。今週の紙面も、にしゃんたさんの笑顔、笑顔、笑顔で埋めつくされており、パアっと明るい雰囲気になりました!
★「2足のわらじフェチ」の(森ゾー)
そもそも、私がにしゃんたさんを取材してみたいと思ったのは、「外国人では初めての読売新聞奨学生だった」という情報が某所からもたらされたことがきっかけでした。苦学生って、それだけで応援したくなる性分なのです。そのうえ、今はタレントとしても活躍し、大学で経済学や経営学を教えているということも知りました。さらに、私の担当分野である「落語」も得意だというではないですか!
実は私、「弁護士とラジオパーソナリティー」「プロレスラーと国語教師」といった、「二足のわらじ」をはいている人が大好きなんです。思えば、多方面に能力を発揮する人をみっちり取材して、その共通項をあぶり出していくという記者活動を続けてきました。今回、にしゃんたさんのことを調べてみると、2足どころか、3足、4足、5足・・・・、数えると何と「7足」のわらじを履きこなしていたのです。
どのように紙面化したものか・・・・と思案していたところ、にしゃんたさんは京都在住、京都と言えば時代劇の太秦撮影所・・・・と連想していき、ぱっと思いついたのが時代劇の大スター片岡千恵蔵の多羅尾判内、すなわち「七つの顔の男」シリーズでした。若い方はご存じないでしょうが、とにかく思っちゃったんだからしょうがない(ⓒ「爆笑問題カーボーイ」)。
ということで、紙面ではにしゃんたさんの七つの顔に着目し、そのすべての「笑顔」から導き出されるメッセージを浮き彫りにしてみました。七つの笑顔、その全てが有機的に結びついていることが、読み進めていくうちにわかっていただければ、うれしいです。(写真は、京都・嵐山にある「車折=くるまざき=神社」で空手の型をみせるにしゃんたさん。ちなみにここの神社は「芸能の神様」のようで、色々な有名芸能人が朱色の名札(玉垣)を奉納していました。にしゃんたさんの玉垣も、7月にはどこかに登場するそうですよ!)
★「にしゃんた散歩」は番組化できるはず!
紙面では入りきらなかったのですが、取材場所は京都・嵐山で、にしゃんたさんと私、そして女性カメラマンの守屋記者と3人で、渡月橋をスタートしてぶらぶらと、嵐山から嵯峨までの道のりを散歩しながら、話を聞きました。その時にビックリしたのが、「おぉ、にしゃんた!」「あれ、にしゃんたじゃないか!」「あー、にしゃんたさん!テレビで見てます!」と、街角から次々に声がかかったことでした。
嵐山はにしゃんたさんが二十数年前の学生時代、新聞奨学生として読売新聞を配っていた街。ここで出会った人々が、いまだに彼を慕い、声をかけてきているのでした。記事で登場する京友禅職人の北村知宏さん(写真左)は、本当に偶然に、自転車で近くを通りがかってバッタリ会った方。さらに、その後、学生時代にタダでにしゃんたさんの歯を治療したという歯科医の小森博美さん(写真右)も、バイクで通りがかった時に、声をかけてきてくれました。何だか、「にしゃんた散歩」という散歩番組が、テレ朝かテレ東の午前中にできそうなぐらい、その出会いは神がかっていました。
★「七福神」は、日本の多様性の象徴
嵐山・嵯峨の散歩中、文房具屋さんに立ち寄ったにしゃんたさん。「この財布、ここで買いましてん」と、七福神の財布を見せてくれました。そこで話してくれた言葉に、私は目からウロコが落ちました。「七福神のうちコテコテの日本人は1人しかおらへんのです。インド人3人に中国人3人なんですよ。そんな外国人に願い事をかなえてもらっている。日本人は無意識に、多様性を受け入れて、愛してきたんですよ」。
ちなみに、唯一の日本人は恵比須天で、大黒天、毘沙門天、弁財天がインド人、福禄寿、寿老人、布袋尊が中国人です。
★共に笑える社会を目指して
にしゃんたさんは、よく大学の授業や講演会などで、「多様性」を説明するために、このようなマトリックスを描くそうです。
多数派が少数派に対する態度として、多数派が少数派を認め、受け入れ、お互いに変化していければ「共笑」、すなわち共に笑える社会を作ることができる。そんな社会を、人生を通じて、オープンマインドで、様々なパフォーマンスで目指していく。そんなことを語ってくれた、にしゃんたさんに、私は心底、敬服しました。にしゃんたさんの活動は、読者の皆さんも、これから様々なところで目にされると思いますので、ぜひ注目して、耳を傾けていただければうれしいです。
★映画「立候補」も、「多数派と少数派」の関係性を考えさせられる作品
記事でも触れましたが、「多数派が少数意見を受け入れれば、全ての問題や紛争は解決する」とにしゃんたさんは主張されています。話は変わりますが、その意味を深ーく考えさせられる映画を、先日、東中野で見てきました。 「立候補」(藤岡利充監督。「ポレポレ東中野」で29日から一般公開)です。これは、私のお友達の弁護士、角田龍平さんがポッドキャストで「これは今年一番の作品」と絶賛されていたので、興味を持って見に行ったのですが、いやー、まさにその通り、衝撃的かつ笑劇的な作品でした。
2011年の大阪府知事選を中心に、選挙の立候補者を追ったドキュメンタリー映画なのですが、取材しているのはいわゆる「インディーズ候補」の面々。「スマイル党総裁」のマック赤坂氏を中心に、外山(とやま)恒一氏、羽柴秀吉氏といった、インディーズ界のスターたちが軒並み登場し、そのむき出しの人間ドラマに圧倒されました マック赤坂氏が、一般的な常識からはかなり逸れた人物であることは、だいたいの方ならご存じでしょう。でも、果たして日本社会は彼を排除してもいいものなのかどうか。ラストシーンで大衆に罵声を浴びせられる街頭演説の映像に、身の毛がよだちました。多数派が少数派を屈服させる社会がどれだけ恐ろしいか、改めて考える機会となりました。参院選を前に、ぜひ多くの人に見てほしい映画です。
まじめな内容のように書きましたが、エンターテインメントとしても非常に優れた映画で、あの「スマイル!」の政見放送の映像を含めて笑いどころが満載です。この笑いの質が、あざけりの視点じゃなく、彼らインディーズ候補たちへの人間賛歌となっている演出が、この作品を撮影した監督の非凡なところだと思います。
今週は、ずいぶん長くブログを書いてしまいましたが、連載「タカラヅカ 100年を創るモノ」の緒月遠麻さん、「イマ推しっ」のスーパーマングッズ特集、そして、私(森ゾー)と(藍ママ)がやはり食いついた「DJポリス」の話題など、読みどころは満載だと思います。考えてみれば、このポップスタイルの紙面も、新聞の「多様性」の一例なのかもしれませんね。
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