2009年3月31日
若田光一さんへ
このたびの打ち上げおめでとうございます。 これまで、打ち上げのミッションでこれだけ長く待った経験はないのではないかと、推察いたします。 日本のことわざに、「待たるるとも待つ身になるな」との言葉があります。待つ身のつらさを表現したことばですが、ほんとうは待たせる方がもっとつらいとの意味をもっています。 若田さんの立場はご自身ではジッと待つ身でありながら、宇宙に興味を持っているわれわれを待たせる立場にあるのですから、心の中ではいろいろな思いが駆け巡っておられるのではないかと存じます。この間テレビ放送で、いつも明朗で前向きな姿を拝見して、思わずがんばってと声をかけてしまいました。 過日、お話をうかがったとき宇宙空間で寝るときは、ハンモックのような編み目状の間に入って寝ると聞きました。また無重力の中で寝るのはなんとも心地よく、不思議な感覚があると聞きました。わたくしもそんな経験をしたいと思っています。 歌舞伎ことに市川家の荒事には六方という歩き方があります。六方とは東西南北、天地の方向を指し、それぞれの方向の果てまで鳴り響く堂々とした歩き方です。荒事の宇宙観には、ほかに陰陽すなわち光と陰、そして生物の吸う息、吐く息、これらの要素を基軸として構成されています。 ISSの外に広がる東西南北天地は、どんな感覚で捉えられるのか。果てしない暗黒の陰がひろがる宇宙空間にある太陽をはじめ光を放つ星々の明かり、そして陽光を受けて輝く地球や月、それらを受け止めて何かを感じることのできる、不規則な息をしながら生きる人間は? 地上では感じることのできない感覚を宇宙船の中から伝えていただきたいと思っています。また帰還してからの土産話も首を長くして待っております。
十二代 市川團十郎 ◇ 地上400キロ上空の国際宇宙ステーション(ISS)に長期滞在している若田光一さんへの、地上からの最初のメッセージが、NASAの専用回線を通じてISSへ発信された。メッセージ発信の第一号は、歌舞伎役者の市川團十郎さん。日本人として初めて宇宙で長期間暮らす、若田さんが、どんな返事を送ってくれるのか。宇宙と地上をつないだ対話ブログがいよいよ本格的に始まった。
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宇宙の若田さんの写真(4月1日に最新の写真を追加しました。)
地上の若田さんの写真
きぼう アラカルト(ニュースでたどる若田さん@SPACE! )
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