2009年2月23日
ナビゲーター 小林麻央様、
前回のお便りで「次は宇宙からのレポートを楽しみにしていてください」と書きましたが、残念ながらまだ地上におります。
スペースシャトル燃料タンクに使われている加圧ライン流量調節弁の安全性確認のため、STS-119の打上げが延期されています。
搭乗する仲間のクルーと一緒に隔離施設(打上げ一週間前から入る施設)で一日過ごした後、更なる打上げ延期が決定したため隔離施設から一旦出ました。
技術者やマネジメントの皆さんが安全で且つ一日も早い打ち上げに向けて精一杯の努力をしてくださっています。一方、私たちクルーは宇宙での作業を確実に行うための準備と訓練を継続し、来たるべき打上げに備えています。
打上げが延期されたため、今日も息子を毎週土曜に通っているヒューストン日本語補習校に妻と共に送り迎えする事ができ、良い気分転換にもなりました。与えらえた時間を大切にし、体調と緊張感を維持して準備万全の状態で打上げに臨めるよう頑張ります。次回こそはISSから感想をお伝えしたいと思います。
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■往信■ スペースシャトル打ち上げが再三延期される中、米ヒューストンで宇宙滞在に向けた準備・訓練をしている若田さんからメッセージが届いた。21日(現地時間)に書いてくれた。 (小林麻央さんへの前回の便りはこちら)
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こんばんは!今夜も楽しく拝見しております!
若田さん、ここまで来ましたら、5日も10日も大して変りませんぜっ!
むしろ、急いでミスをされる方が心配です。
徒然草にも、功名の木登りというお話があり、
もう少しのところで人は失敗し易いとか?
私たち、応援する側も、5日や10日時間が遅れても大して
やきもきしてはおりません。熱意のある若田さんは、
『次回こそは…』と言われますが
じっくりと宇宙へ行きましょうぜっ!?(笑)
宇宙からすると、人間の行いは未だに「江戸時代?」のレベルなのでありましょうか。「待てば海路の日和あり」とばかりに「風待ち」の時を骨休めとばかりにノンビリト過ごしたようですが、今は、21世紀「宇宙に人間の長期滞在出来る施設」を創造されるべくしての「待ち」の時。骨休めどころかストレスが募る時間でありましょう。ご家族と一緒にお過ごしになられる時間を思う存分お楽しみ下さり「英知と勇気」を充分に養ってください。ご褒美の時間を少しだけ先取りされた、ということでありましょう。
今まで大変な訓練と専門知識習得、体力強化と維持をして来られたので、神様が少し余裕を与えてくれたのかも知れませんね。ゆっくり時間を使って今一度心と体の準備を整えなさいって。だから家族と共に過ごされるのはとてもGOODだと私は思います。きっとこのミッションは有意義な結果になると思います。船出の前の静かで貴重な時間をゆったりと過ごして、来る時には思う存分力を発揮して下さい。