こんにちは、こんばんは、おはようございます。popstyle編集長の森田睦です。
本日(2日)夕刊の見開きカラー面「popstyle」のメインコーナー「ALL ABOUT」には、12月の京都・南座の吉例顔見世興行に出演する歌舞伎界の花形7人(中村壱太郎さん、尾上右近さん、中村米吉さん、中村隼人さん、中村虎之介さん、中村鷹之資さん、片岡千之助さん)に登場していただきました。
今回から数回、紙面に盛り込みきれなかった座談会の内容をお届けします。
紙面と合わせてお読みいただくと、7人の人柄、歌舞伎への思いがより一層ご理解いただけると思います。
「続きを読む」をクリックしてスタートですが、その前にプレゼント告知です。
【プレゼント】
京都・南座の「吉例顔見世興行」の番付(パンフレット)を3人にプレゼントします。応募には紙面に掲載したキーワードの答えが必要です。応募はこちら 、または、https://qooker.jp/Q/ja/popstyle/taikai/ をクリックしてください。12月6日(日)午後11時締め切りです。
それでは、こぼれ話スタートです。
4人と3人に分かれて行われた座談会。今回から2回にわたって、中村壱太郎さん、尾上右近さん、中村米吉さん、中村隼人さんの4人の座談会の模様をお届けいたします。(発言者名は敬称略)
――南座の顔見世に出るのは壱太郎さんが11回目ですね。
右近「11回目? さすが。すげー」
壱太郎「隼人は?」
隼人「僕は顔見世に出ているように見えて、南座に出てるだけなの。今年で2回目」
――隼人さんは「NARUTO―ナルト―」とか「新版 オグリ」とかに出演し、「スーパー歌舞伎の人」みたいになってますもんね。
隼人「・・・そうですね。同世代で顔見世という格式ある公演に出させていただくのは本当に感慨深いことですね。壱太郎さんはちょっと上だけど」
壱太郎「同世代にしようよ」
米吉「ちょっと上ですよ」
壱太郎「僕、何年も後輩の役者さんがいなかったですもん。朝10時半から夜11時まで、1日5、6本出てっていう状況で」
右近「5、6本!?」
壱太郎「それを分かち合える同世代がいなかったんです、ずっと。去年、僕が隼人の奥さんの役をやって、がっつり顔見世で同世代と共演するのが初めてだったんです。すごくうれしかった」
――今年は後輩がたくさんいるじゃないですか。各演目で皆さん、ご活躍で。
壱太郎「朝から晩まで通して見ると、4000円安くなるんですよね」
――え?
米吉「ほんとに?」
右近「ウソつかないでよ」
南座の宣伝担当者「安くはならないです」
壱太郎「安くはならないですけど、そのくらいの思いで見てほしいってこと」
隼人「『そのくらいの思い』ってのはどういうこと?」
右近「何を言ってんだ。ワケ分かんないこと言ってんじゃないよ」
壱太郎「とにかく全部見てほしい」
隼人「ま、そうだね」
右近「全部見てほしい」
米吉「『京の年中行事』と言われる興行、他にはございませんからね。それだけ大きなことですので」
――それはそうと、今年はテレビドラマ「半沢直樹」で歌舞伎俳優が大活躍しました。
隼人「この4人は誰も出てない」
米吉「誰も出てない」
――(苦笑)。歌舞伎俳優が親しまれているなと思いまして。
壱太郎「たしかに、そういう意味ではね」
――親しみやすいといえば、壱太郎さんのユーチューブチャンネルはすごく面白い。
隼人「かずたろう歌舞伎クリエイション?」
右近「カブクリ」
壱太郎「勝手に略した(笑)」
――歌舞伎への親しみやすさを意識して作っているのかな、と思うのですが。
壱太郎「そうですね、なるべく分かりやすく。あと、さっき言い忘れましたが、若い人との共演には、僕らが今、この世代でしか出せない熱量があると思う。千之助君と隼人が出すエネルギー、しゅうちゃん(米吉)とけんけん(右近)が出すエネルギー。それぞれ色が違うし」
右近「未完成なパワーをぜひ、ご堪能ください」
隼人「新聞の見出しを狙ってるな(笑)」
米吉「けんけんの清元と、役者との共演もあるわけで」
――たしかに。
壱太郎「僕は(松本)幸四郎のお兄さんと共演しますが、お兄さんは相当な気合を入れて南座に来られると思うんで」
隼人「そりゃそうですよ。京都で(上方歌舞伎の代表作)『吉田屋』をやるわけですから」
壱太郎「ただでさえ、いつもいっぱい出ている方が1演目に懸けてくるわけですから、大変なことになると思いますよ」
隼人「しかも『吉田屋』ですからね、エネルギーの持って行きどころがね」
壱太郎「午後8時の終演予定を、9時にしようって言ってますからね」
米吉「どうやって?」
壱太郎「1時間伸ばそうとしてます」
隼人「(ダイジェスト版じゃなくて)普通のやつをやろうとしてます?」
壱太郎「そのくらいの勢いで臨んでる先輩もいるわけですから、我々も負けてられないわけですよ」
米吉「その臨み方ってしんどいんじゃない?」
右近「僕が11月に歌舞伎座で一緒だった(市川)左団次さんは80歳。真剣そのもので舞台に出ています。情熱は年を取らないんですよ」
壱太郎「僕ら、引退はないから」
右近「だから、若い者が負けるわけにはいかないですよ」
隼人「情熱では負けられないってことですね」
米吉「熱量しかないんだから」
――皆さん、熱い!
(次回に続く)
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