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「ALL ABOUT 桐谷健太」に、たくさんのご反響ありがとうございます。新聞史上、最大級の特集スペースで桐谷さんのことを存分に知っていただくため、紙面では桐谷さんに関するたくさんの写真をちりばめてみました。新聞を見ていない方は、どんな感じになっているのか想像がつかないと思うので、紙面画像をアップしました。この迫力は実際に紙面を持って、開いてみないと分からないので、ぜひ本紙を手に取っていただきたいと思っています。こんな大きな紙面でも、実際には桐谷さんの発言はギュッと凝縮せざるを得なかったのですが、泣く泣くカットしたお話にも味わい深い言葉がたくさん詰まっているので、このブログで特別版を公開したいと思います。

――auのCM「三太郎シリーズ」で、2015年7月から流れた「海の声」。浦島太郎に扮した桐谷健太さんが海に向かって歌うこの曲は、瞬く間に多くの人の心に届きました。2015年12月から始まった配信でも人気を呼び、カラオケでも2016年に最も歌われた曲になっているのです。YouTubeの再生回数は5500万回以上。驚くべきは、この国民的ヒットは自然な形で生まれたことです。桐谷さんが一番喜んでいるのは、この歌が自然に広がっていったことです。「インタビューブログ特別編1」は、そんなあたりから、スタートです。

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CMで浦島太郎という役が来て、まず浦島太郎を役者人生でやるなんて想像もしてなかったし、それをここまでたくさんの人に知っていただいて、笑顔になっていただいて、それだけでもすごくうれしかったんですけど、CMプランナーの方が、俺が三線を弾いているのを他の番組で見て、前に出していたCDも聞いていて、「じゃあ、浦ちゃんに三線と歌で歌ってもらえたらいいな」というところから始まって。 

俺はそれまで三線を趣味でやっていたんです。好きでやっていただけで、役者として武器になると思ってやっていたわけではなかったんです。でも、せっかくだから何か、沖縄の映画とかで弾けるシーンがあったりしたらいいなあ、というくらいのことを思っていただけで。それが、こんな感じで歌える時が来たんやと思って、その次「うれしい」っていう、ホントそれだけの純粋な気持ちでした。だって、配信されるなんてことを、まず考えてない。CMとして流れて、それを聞いてもらって、それで「うれしい」ぐらいの感じだったので。こうなることは、考えてなかったですから。

 気持ち良く、思いを込めて歌うという、スタートのゼロ地点のことをやっただけなので、そっから輪になるように広がっていった感じが、すごく何か、あ、純粋でいいなと思いました。なんかこう、狙ってやったわけでなく、作為的にしたわけでもなく。ほんと自然に生まれてそれが広がっていって。特にね、子どもたちが歌ってるという話をよく聞くので。昨日も、知り合いの人に「家帰ったら、子ども3人が海の声を熱唱してた」「え、まじすか」みたいな、とか、すごい聞くので。なんかいいなと思います。お年寄りの方もファンレターとか来ます。70超えたご年配の方からファンレターが届いたり。自分でも想像してなかったけども、それがこう、ちょっとでも・・・。今ね、悪いニュースばっかりが目につくようになったり、常に情報が速くなってきている中で、こういうのんびりした、ほっとするような気持ちになる歌を歌えたこともすごい感謝だなあと思います。

  

――2010年に発売されたファースト写真集「野良人」(ワニブックス)。この中にも、桐谷さんが三線を弾いている写真が何枚も収められています。三線は、昨日今日始めたわけではないのです。 

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三線を買ったのはもう10年ぐらい前です。沖縄が大好きで。初めて沖縄に降り立った時に、風がふわっと吹いた瞬間に鳥肌がバッと立って、「懐かしい」って感じたんですね。デジャブともまた違う感じで。細胞で感じたというか。中学生の時ですね。そっから、沖縄にはまったというか、何かあるたびに沖縄を思い返すようになって。で、大阪の実家の近くに三線屋さんができて、なかなか三線屋さんなんてないけど、そこの人たちと仲良くなって、というのが始まりですね。大きな縁だなあと思いますね。

――「海の声」はなぜ、多くの人の心に届いたのでしょう。桐谷さんがこの歌を歌う時、どういう気持ちで向き合っているのでしょうか。聞いてみました。 

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誰かを思う歌だなと思ったんすよ。それは、自分の家族であったり、お父さん、お母さん、子どもかもしれないし、友達かもしれない。まあ、恋人の歌として聞いている人が多かったですけど、俺は、自然、海とか川とか山とかで、自然がちゃんとずっと残っていてほしいなと、いうことも思いながら、歌いましたね。何かを思いながら歌う歌だし、誰かを思いながらこの歌を聴く人、何かを思いながらこの歌を歌う人、一人一人の、みんなの歌になったんだなって。俺はそれを代表して歌わせてもらっているだけ。みんなの歌やなってすごく感じます。子どもが歌っている時点で、そうなんだと思います。

――今年7月18日にフジテレビで放送された「FNS うたの夏まつり」。桐谷さんは、東日本大震災の被災地、岩手県大槌町の砂浜で「海の声」を熱唱しました。

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おれは、あの歌を、周りの大切な人たちを思って歌っていました。宮城にいる友達から「いや、すごい東北の人たちにこの歌は響いてます、シンクロしてます」と、今年の初めぐらいに聞いていたんです。で、それを思って、スタジオで一人で歌った時も号泣してもうて、涙が止まらなくなってもうて。そういう意味で、岩手で歌う前から、この歌は恋愛歌というだけじゃなく、今いる人もそうだし、もう会えない人に対しても歌う歌なんやと。「背中を押してもらいました」と言ってもらえることも多かったので、ちょっとでも、そういういいパワーが出たなら、それはすごくうれしいです。岩手では、子供達のために来てほしいということだったし、あそこで歌えたことは大きいっすね。たくさんの人に見てもらって何かを感じてもらえたならうれしい。もちろん、ああやって歌っても、やっぱり心は立ち止まった状態の人がいるだろうと思います。でも、忘れてないよっていうことをテレビっていう場で見せるということも、俺は大事なことだと思うんですよね。いまだに仮設住宅で暮らしている方も、たくさんいらっしゃるしね。

 

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 読売新聞の水曜夕刊に掲載されている新感覚カルチャー面。旬の人のインタビューコーナー「ALL ABOUT」を中心に、若きタカラジェンヌの素顔に迫る「タカラヅカ 新たなる100年へ」、コラムニスト・辛酸なめ子さんの「じわじわ時事ワード」といった人気連載に加え、2016年4月から、ポルノグラフィティのギタリストのエッセー「新藤晴一のMake it Rock!」、次世代韓流スターのインタビューコーナー「シムクン♥韓流」がスタート。オールカラー&大胆なレイアウトで紹介する2面にわたる企画ページです。

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