Pop Styleブログ

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 本日6月29日号のpopstyle「ALL ABOUT レキシ」を担当した清川です。紙面の方は、ビジュアルを重視した結果、収容しきれなかったインタビュー部分がたっぷりありまして、続きをここに書かせてもらいます。自分としては、こっちが本番のつもり・・・なんて書いたら怒られそうですが、ブログと紙面、合わせて楽しんでいただけたら幸いです。インタビューのやりとりをほぼ全て書き起こしてます。あくまでも、”ほぼ”です。いや、だいたいかな。ま、いい感じにってことで。

★レキシは不思議ゾーンに突入

―― 新アルバム「Vキシ」には「もはや歴史でもない。」とのコピーがついていますね。言われてみると、「レキシ」「レキツ」までは史実にのっとったことを、解説風に書いていた傾向も強かったですね。

レキシ そうそう。それ以降は、ドラマチックな部分ばかりを書くようになってって。日本史のことはありがたいことに浸透してきて、聴いてくれてる人も当たり前になってるし。曲作ってても、前は日本史に乗っけること自体が新しくて面白かったのに、それはもはや普通で、もっと楽曲的にもと考えると、そのうち日本史ということを作ってる時も忘れていたりする。そういう意味もこめて、もはや歴史でもない、と。

―― なんか温かい気持ちになる曲が多かったです。

レキシ うん。不思議な時期に突入しているというか、今、不思議ゾーンに突入してますね、レキシ的には。

―― 不思議ゾーン(笑)。「KMTR645 feat ネコカミノカマタリ」では、中臣鎌足と中大兄皇子との蹴鞠での出会いを歌っているところがマニアックですね。政敵であり、打ち倒した蘇我入鹿に対して「今度生まれ変わったなら 一緒に蹴鞠で遊ぼうか」と歌っていて、ジーンとしました。

※「KMTR645 feat ネコカミノカマタリ」PVはこちら↓

レキシ - 「KMTR645 feat. ネコカミノカマタリ」 Music Video+メイキング YouTube: レキシ - 「KMTR645 feat. ネコカミノカマタリ」 Music Video+メイキング

レキシ 彼らは、本当に憎しみあったのか、もっと言うと、色んな事情があったんじゃないか・・・。想像ですけどね、完全に。蹴鞠での出会いを書いたのは、どうしても曲を書こうとすると、大化の改新は「645年」「クーデター」、そういうことを書きがちなんですけど、もっと一日単位、一時間単位の出来事を書く方がより面白いですよね。自分が歴史に対する面白みを感じるのもそこなので。何年に何が起こったってことよりも、今ここで靴を拾ったという、その瞬間に起こった出来事が面白いというか、そこを想像すると面白い。

―― 鎌足の曲を書こうと思ったのは、やはり「カマタリ」という響きから?

レキシ そうですね。誰もが習ってちょっと引っかかるもの、歴史そんな好きじゃない人でも、あ、なんか聴いたことがあるっていうのを大事にしていて。イントネーション、語感も含めて、言いたくなる、ついつい言っちゃうという。どっちかというと音楽的にですよね。

―― 「大化の改新の一撃」が思わず、うまい!と思いました。このフレーズだけで、クーデターの瞬間も想像できますし。

レキシ 一緒にやったキュウソネコカミのイメージもあって。若手の勢いあるバンドなんですけど、ちょっとオタクっぽいイメージもあって。ゲームとか好きだし、そういうイメージも含めて。

―― サビで「キュキュキュ キュキュキュっキュー 蘇我入鹿鳴いているか?」と歌うのもビックリ。

レキシ キュウソネコカミが言ってきたのを、僕も最初は分からなかったんです。何で「キュキュキュ」なのって。そしたら、「イルカっす」。「イルカかあ!」って。どこまでバカなんだろうって。

★ 「いろはにほへと」で7拍子? そのとーりです!

―― 「寺子屋FUNK feat シャカッチ」は7拍子ですが、これは子どもたちの声が冒頭で唱和している「いろはにほへと」が7文字だから? 

レキシ (一瞬、考えた後に慌てて)ン、そうです。まさにそのとーりです! い・ろ・は・に・ほ・へ・と。ホントだ。素晴らしいですね。そうです、そうなんです。7拍子は、そっから来ました! やっぱ7って大事ですよね、5と7ってね。短歌もそうです。あと、いい数字、ラッキー7♪ (気を取り直して)レキシは、自分ももちろん言葉で色々遊んでますけど、逆にそういって言われるのも、また一つの楽しみなんです。予想以上の返しもしてくれるんです、みんなが。この前あったのが、「最後の将軍」で、「松たか子さんと言えば、レリゴーでエルサ、氷の女王でしょ。すごいですね、歌詞にもちゃんと氷の女王入れてますね。『心が凍えているよね』って、さすが!」みたいなこと言われて。そうでしょ!さすがでしょ、みたいなね!そういうのがホント面白いんですよ。

※「最後の将軍 feat 森の石松さん」PVはこちら↓

レキシ - 「最後の将軍 feat. 森の石松さん」 Music Video+メイキング YouTube: レキシ - 「最後の将軍 feat. 森の石松さん」 Music Video+メイキング

レキシ 逆に気付いてもらえないのもあったりね。「やぶさめの馬 feat ハッピー八兵衛」で「パカラっパカラっ赤毛の馬が 緑の中走り抜けます」って歌詞あるでしょ。

―― ええ、これに何かの意味を込めたんですか。

レキシ すごく有名なアレですよ。

―― えーえーえ。あ、分かった!すごい!さすがですね~!これは、気付かなかった。(答えは、みなさんでお考え下さい)

レキシ そうなんです。だから、その後「ちょっと待って今の言葉 誰も分からない」って歌ってるんです。

(つづく)

【レキシ問題の解説】

(1)レキツは、レキ「ツ」→レキ「2」ということで2作目、レキミは、レキ「ミ」→レキ「3」なので3作目、「シ」=「4」が目立つレシキが4作目、「V」はローマ数字の「5」なので「Vキシ」が5作目(と思われます)。お見事です。

(2)申し訳ありません。レキシオフィシャルHPをご覧ください。

http://rekishi-ikechan.com/free/rekishiname/

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 読売新聞の水曜夕刊に掲載されている新感覚カルチャー面。旬の人のインタビューコーナー「ALL ABOUT」を中心に、若きタカラジェンヌの素顔に迫る「タカラヅカ 新たなる100年へ」、コラムニスト・辛酸なめ子さんの「じわじわ時事ワード」といった人気連載に加え、2016年4月から、ポルノグラフィティのギタリストのエッセー「新藤晴一のMake it Rock!」、次世代韓流スターのインタビューコーナー「シムクン♥韓流」がスタート。オールカラー&大胆なレイアウトで紹介する2面にわたる企画ページです。

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