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 どうも、遍路シャングリラ・ダイエッター(何じゃそりゃ)、(森ゾー)です。今、でっかいマメでボコボコになった両足をいたわりながら、徳島駅前のホテルでこの文章を書いております。きょうは49760歩、歩きました・・・・。Yajirushi1

 神山温泉を朝6時半に出発し、約15キロ離れた13番大日寺、それから14番常楽寺、15番国分寺、16番観音寺、17番井戸寺まで、きょうは5つの寺を打ってきました。そこから徳島駅前まで歩いて、だいたい合計で40キロぐらいでしょうか。

 四国遍路では、お寺を順繰りに巡ることを「打つ」と言います。昔、自分の名前が書かれた板の札を寺に打ち付けたことからそう言われるようになったらしいのですが、今はそんなことをやると、寺の人に怒られます。近年は板の代わりに「千社札」という、自分の名前入りのシールをお堂に貼る人も多いようですが、これも禁止している寺がほとんどです。きょう、どの寺だったか忘れましたが、本堂でお参りしていると、そこに「坂東三津五郎」という千社札が張ってあるのを見つけて「ええっ!?」と驚いたのですが、よく見ると「坂東二津五郎」でした。ちょっと笑ってしまいました。Yajirushi2

 きょうは、お遍路にとって本当にありがたい「赤い矢印」について紹介したいと思います。遍路道というのは、高村光太郎の「道程」のように、先人が踏んで踏んで踏み続けた末に自然に生まれた道が元になっていますが、今は道路状況も良くなって舗装されたバイパスなどもたくさんあります。大きな舗装道を歩くのは分かりやすいですが、歩き遍路にとっては、なるべく昔ながらの遍路道にこだわって歩きたいもの。そんな時に助かるのは、この赤い矢印です。これは「へんろみち保存協力会」という市民団体が、電柱や標識柱、交差点のガードレールなどに貼ってくれているもので、道に迷いそうな時には赤い矢印を探せば、自然と次の寺へと導いてくれるのです。

 私は今回でお遍路の旅は6回目になるのですが、面白いものを初めて見つけました。電柱に、英語で書かれた赤い矢印があったのです。「Walkers for SHIKOKU 88 temples,JAPAN」と書いてあります。Yajirushi3 私はまだ見たことありませんが、最近は外国の人も四国巡礼に来ているのでしょう。考えてみれば、エルサレムとか、サンティアゴ(スペイン)とか、西洋でも巡礼はポピュラーです。これらの巡礼と四国遍路を比較する研究が進んでいるということを、前に取材したことがあります。

 もう一つ考えられるのは「四国の遍路道を世界遺産にしよう」という動きの一環なのかもしれません。四国の各県で協力して、そういうアピール活動をしているそうです。確かに、空海が修行で歩いて以降の歴史がある遍路道はその資格があるような気もします。いつの日か、世界遺産になる日が来るかもしれません。

 お遍路の楽しみは、このように道端の様々な「メッセージ」を感じ取ることでもあるのです。人が作った矢印だけに限らず、小鳥のさえずり、虫の鳴き声、川のせせらぎなど、自然界の様々な音もまた、メッセージなのです。何かキレイなこと言っちゃいましたね。まだまだ元気だからこんなこと言えるのかもしれません。ではまた次回。
 

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 読売新聞の水曜夕刊に掲載されている新感覚カルチャー面。旬の人のインタビューコーナー「ALL ABOUT」を中心に、若きタカラジェンヌの素顔に迫る「タカラヅカ 新たなる100年へ」、コラムニスト・辛酸なめ子さんの「じわじわ時事ワード」といった人気連載に加え、2016年4月から、ポルノグラフィティのギタリストのエッセー「新藤晴一のMake it Rock!」、次世代韓流スターのインタビューコーナー「シムクン♥韓流」がスタート。オールカラー&大胆なレイアウトで紹介する2面にわたる企画ページです。

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