長いことやってきたこの連載も、いよいよ最終回だな。最後のお題はもう、ごちゃごちゃ難しいことは考えずに「幻の右でOK牧場」、コレだな。オレの ”世界を制した幻の右” には負けるかもしれないが、そんなようなものを最後に探してきて、OK牧場で締めてみろ!
最後まで特に言うべきこともなく……「読売新聞」勝利!
よーし、それじゃ最後のジャッジを始めよっか。始めよければ終わりよし、じゃなくてナニ? 終わりよければ全てよし、か? そんな感じで最後をビシッと締めることが大事だよな。じゃあいつものように「読売新聞」から見ていこうか。「金」はナニ? 男鹿半島でなまはげと右ヒラメか。シロクマさんも右足でキックってか。ふむふむ。そんで「銀」が沖縄で採れるバナナが一房1200円ってか。オレの好きなバナナを最後にもってきたな。そんで「銅」が? 長野の牧場の幻のチーズか。 幻の右っていうのは、なかなか出ない伝家の宝刀でな、なかなか出ないから幻なわけで、カッコつけてなかなか出さないところがね、付加価値なんだ。そういう話だから、ある時期しか見られない水族館のなまはげも、1万匹に1匹の右ヒラメも、クマさんのキックも付加価値のあるものだよな。沖縄のバナナだって、ホントは沖縄ではバナナはちゃんと採れるんだよな。作ればちゃんとできるものだけど、産業として採算が取れないからな。こないだオレは夕張映画祭に行ってきたんだけど、夕張の炭坑だってホントはいまだって石炭が採れないわけじゃねえんだよ。まだ石炭は出るんだけど、採っても採算が取れないから止めちゃったわけでね。それと同じで、沖縄のバナナも、作ってもそんなに高くは売れないし、だったら自分たちで食う分だけ作って、よそに売るときは高く売ってね。いまの時代、100年に一度の金融危機だっていうけど、デフレっていうの? インフレか? そんな風に売る時だけインフレ状態にして高く売るというね。そこら辺がまた面白いわな。商売にしないふりをして、もったいつけてやるってことがまた幻なんだよな。チーズだってね、いまじゃどこだって、作ろうとすればできるもんだからね。写真屋だってやってるでしょ? 「チーズ」ってね。でもそこで付加価値をつけることでちゃんと幻になってるな。付加価値だな、付加価値。どっかの牧場でキャラメル作ってるヤツもいるけどな、あれも確かに美味いけどな、ちょっと柔らかいキャラメルに、ワンポイント、ツーポイント、付加価値をつけてな。いかに付加価値をつけるか、が幻なんだ。 そこでまあ、終わってもいいんだが……(笑)。最後だからな、ガッツさんの幻の右はなぜ生まれたか、なぜ幻の右という言葉が日本の公用語になったか、と(笑)。そういうふうなことをよくわきまえて持ってきてくれるかとな、「TOKYO★1週間」にはオレも期待したんだが……。まあ、1年間以上、長い間おつき合いくださって、ありがとうございました、だな(笑)。今回に関しては何も申し上げることはございません、と。まあとにかく健康でね、今後のご活躍を期待しておりませんので……。とにかく期待はしておりませんけど、人生は健康が一番でございますからね。もしくは……何が「ブーン」だコラ! 本物のオレの幻の右を食らわせるぞ!(笑) 最後ももう、勝敗に関しては何を言わんかや、だ。「読売新聞」の勝ちだ。
終わりよければすべてよし!
幻の右って言ったってな、あれはホントはわざと出し惜しみしたわけじゃなくて、出したくても出せなかっただけ(笑)。出したくても出せなかったし、出してもなかなか倒れないしね。そんでたまたま出したのが当たって倒れちゃってね、それで「あれは幻の右だ」って言ったら、みんなびっくりしちゃってさ。当たれば幻、当たんなくても幻。それが幻の右なんだ。そんなもんだよ。格好つけてね、付加価値をつける。当時流行った歌があっただろ? 麻丘めぐみって知ってる? 「私の彼は左巻き」ってな。それでわざわざ左利きがもてはやされたりしてな。「そこを右に左折してくれる?」なんて言ってな。まあ、そういう意味では、今回の「読売新聞」はふさわしい題材をもってきてくれたよな。「TOKYO★1週間」も、まあ持ち味を出してくれたってことでね、終わりよければ全てよし、だ。さよならだけが人生だけど、ご縁があったらまた会えるのも人生だ。最後まで無事務められて、感謝感謝、だよな。みなさん、ありがとう! こうやって長い間連載が続けられたのも、素晴らしいスタッフのみなさんとの出会いがあるからで、こういった出会いが支えてくれたことを感謝したいね。終わってしまうのは諸事情で仕方ないけど、またこんな企画があったらぜひやりたいよな。で、そんときはまた「接待企画」をやってもらって、今度はオレにももうちょっといいものをプレゼントしてくれるとね(笑)。 でもまあ、ありがとうございました、だ。またお会いしましょう。OK牧場!だな。
読売新聞の水曜夕刊に掲載されている新感覚カルチャー面。旬の人のインタビューコーナー「ALL ABOUT」を中心に、若きタカラジェンヌの素顔に迫る「タカラヅカ 新たなる100年へ」、コラムニスト・辛酸なめ子さんの「じわじわ時事ワード」といった人気連載に加え、2016年4月から、ポルノグラフィティのギタリストのエッセー「新藤晴一のMake it Rock!」、次世代韓流スターのインタビューコーナー「シムクン♥韓流」がスタート。オールカラー&大胆なレイアウトで紹介する2面にわたる企画ページです。