ガッツ石松と言えばバナナ、いつの間にかそういうイメージになっちゃってるな。野生のゴリラやオランウータンがバナナを食ってる可愛い姿が、オレを彷彿とさせるのかな? オレ自身はもちろんバナナは好きだけど、そんなにいつもバナナばかり食ってるワケじゃないんだけどな(笑)。 でも、バナナには詳しいぞ。そんなオレを唸らせるような、究極のバナナを探してこい!
6:4の判定で「読売新聞」勝利
さて、それじゃあ今回もジャッジを始めるぞ。まずは「読売新聞」な。例によっていろいろ情報を集めてきたらしいが、「銅」の「バナナホルダー」ってのは、ちょっと半分残しちゃったときにしまっておける便利さがあるんだよな。崩れないし、他の荷物とケンカしないしな。休み休みバナナを食べたいときには便利なものだよな。バナナスタンドはわが家にもあるしな。いろんなバナナも探してきたらしいが、バナナはやっぱりフィリピン産か南米産だよな。とにかく本文中にもあるように、オレはバナナの普及に貢献したとして「勝手にバナナ大賞」の第1回受賞者だからな。バナナにはうるさいわけよ。だからこの「読売新聞」の情報はオレ向きじゃないよな。オレは全部知ってる情報だしな。まあ読者のみなさんに知ってもらおうってことだな。「金」の「バナナの叩き売り発祥の地」である北九州の門司港も、昔ロケのついでに行ったことがあるぞ。まあ、発祥の地っていうのはいろんな説があるから微妙なんだけど、まあ最初に着いた場所だから、御徒町とか上野とかの叩き売りよりは早いかもしれないな。門司港で言えば、いろんなグッズとかも売ってたけど、サツマイモの代わりにバナナチップがあるよな。まあ、バナナチップってやつも、もう少し手を加えてやれば、もうちょっと美味しくなると思うんだけど、どうも適当にやってる感じがあるよなあ。もっとポテトチップスみたいに薄く切ってくれればいいんだけど、厚くて油っぽいんだよなあ。 まあ、とにかく「読売新聞」は北九州の門司港まで行ったってことは、なかなか評価できるな。 それに対して、前回優しい気持ちで勝たせてやった「TOKYO★1週間」は、相変わらずの早とちりだな。究極のバナナってことなんだから、それを8コマで見せるってとこにもっと戦略、戦術がないと訴えてこないと思うだがなあ。高けりゃいいってもんじゃないし、ちょっと飛躍しすぎてるよな。だいたいが3本2千円のバナナったって、千疋屋のバナナの方が美味いんじゃねえの? フルーツといえば千疋屋だろ。金を出せばいいってことじゃなくて、もっとこう、やる気を見せて欲しいんだよね。千疋屋も入ってなくて「バナナ詳しいですよ」って言われてもなあ。1本700円のバナナ、ラーメン1杯分のバナナも、食べてどうだった、ってトライが欲しいよな。もっとこう、天ぷらにしてみたり、野菜炒めにしたりね。例えばマヨネーズ付けて食べたり、焼き肉のタレで食べたりしてな。マンガなんだから、それくらいのひねりが欲しいよなあ。まあ、毎回言ってることだけどな! そんなわけで、今回は「読売新聞」が相手に恵まれて勝利、ってとこだな。6:4の判定ってとこだ。
ファイトマネーでバナナを
オレが子供の頃は、バナナと卵は高級品だったんだよな。いまでも覚えてるけど、いとこの坊ちゃんがいて、そいつのバナナを取り上げて食べたときが、オレのバナナ初体験だ。そんときの、あの食感っていうのが、忘れられないんだよな。当時は農家でも裕福なとこじゃないとバナナなんて食えなかったからな。で、感激してな。口の中でとろけるこの甘さっていうの? んで坊ちゃんに「これはなんだ?」って言ったら「バナナだ」って言うんだよ。それでオレは「そんなバナナ!」って言ったんだけどな。ホントに言ったぞ(笑)。それでまあ、それからバナナへの憧れってものが生まれてな。将来はバナナを腹いっぱい食べられるような人間になろう、と誓ったわけだ。 それからオレはボクサーになって、あるときファイトマネーを3,300円もらったんだが、そのときに1,000円を田舎に贈って、1,000円を郵便貯金にしてね、残りの1,300円で台湾バナナを20数本買ったんだ。それで全部自分で食ったんだが、食べられたのは20本までだったな。バナナも美味しいのは20本までだったと。台湾バナナっていうのはいまのバナナの半分の大きさだからな、いまだったら10本は食べられるってことだ。もちろん、腹が減ってたら、だけどな。 それにしても、バナナってのは瞬発力もつくしね。小腹が空いた時に食べるのには最適だよな。メタボの防止策としてもいいんでないの? よくゴルファーなんかも、ラウンド中にお腹がすいたときにちょっとバナナを食べてるよな。あんまりお腹が膨れちゃうと闘争心ってものが薄れちゃうからね。バナナがちょうどいいんだ。そういう面では、バナナっていうのは究極の補助食品だね。 バナナを美味しくいただく頃合いってのは、やっぱりあの、周りにポツポツとね、何とかシュガーっていうの? シュガースポット? あれが出るわけ。そのあたりが食べごろなのよ。ちょっと黒くなりかけ、くらいがね。それを1日でも過ぎると柔らかくなっちゃってダメなんだよ。その頃に食えば、どんなバナナでも美味しく食べられるよな。だから、究極のバナナっていうのは、要するに食べ方にもあるんじゃないかな。そういう、安いバナナでもこうすれば美味しく食べられる、みたいな情報が入ってれば、今回の「TOKYO★1週間」も勝てたかもしれないのにな。チャンスを逃したな、「TOKYO★1週間」。
読売新聞の水曜夕刊に掲載されている新感覚カルチャー面。旬の人のインタビューコーナー「ALL ABOUT」を中心に、若きタカラジェンヌの素顔に迫る「タカラヅカ 新たなる100年へ」、コラムニスト・辛酸なめ子さんの「じわじわ時事ワード」といった人気連載に加え、2016年4月から、ポルノグラフィティのギタリストのエッセー「新藤晴一のMake it Rock!」、次世代韓流スターのインタビューコーナー「シムクン♥韓流」がスタート。オールカラー&大胆なレイアウトで紹介する2面にわたる企画ページです。