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(清)です。変なタイトルですみません。サンドウィッチマンさんへのインタビューで、紙面には掲載できなかったことを、つらつらと書いておこうかなと思います。

★M-1優勝したいと思ったことがない

M-1で、敗者復活からの奇跡の優勝を決めたサンドウィッチマンですが、「M-1で優勝したい」と思ったことがないというんです。彼らの中では、準決勝まで行けて満足。確かに何千組から60組ぐらいしか行けないわけですからね。それだけでも相当なうれしさだと。もちろん、決勝の場に立ちたいという思いは大きかった。ただ、周囲から期待されていない感じを受けていたのだそうです。そもそも、ちょっと注目されているコンビは、2回戦ぐらいからインタビューが来る。でも、サンドには、去年もなかったし、準決勝でもカメラが来なかった。「準決勝まで行くと、ほとんどの人がカメラ入るわけですよ。でもオレらには来なかったんですよ。あれ期待してねーのかなあって。ウケてはいたんですけど・・・。来て欲しかったですね、少しは」(伊達)。「まあ、その分、余計なプレッシャーもないし。好きにできる」(富澤)。

★決勝では「ゾーン」だった

決勝で披露した二人の漫才はスピード感や間が最高でした。その時の様子を奇跡と呼ぶ二人のやりとりは、こんな感じでした。

伊達 間が最高だったんですよ。奇跡です。完全に奇跡です。
富澤 あれはもう、「ゾーン」に入ってました。
伊達 あんなんできないです。
富澤 できないですね。「ゾーン」でしたね。
伊達 あの後、何回か生放送とかでやったんですけど、できないです。
富澤 かんでます。「ゾーン」でした。
伊達 うるせーな、ゾーンって!

この「ゾーン」の件は、1月20日の「行列のできる法律相談所」を見た方なら、お分かりでしょう。司会の紳介さんが、スポーツでボールが止まって見えたりする奇跡「ゾーン」について話していたんですね。富澤さんは、最近覚えた言葉をネタとして使っていたのでしょう。私がインタビューしたのは放送日の前日だったので、私はサッパリ分からないままでしたが・・・・。

 

★小さい事務所のこだわり

サンドウィッチマンの所属事務所「フラットファイヴ」は、所属タレントが10組に満たない小さな事務所。サンドウィッチマンが筆頭で、ほかの芸人さんたちも知名度はまだまだです。フラットファイヴに所属する前も、小さな事務所だったりフリーだったりと、大手に属さないこだわりがあるようです。

伊達 小さなところでは、好きなことができるんです。上から縛りがないっていうか。こうした方がいいとか、時には重要ですけど。ただ、富澤頑固なんで。
富澤 人の言うこと聞かない
伊達 それをボクは信頼してるので、そこは別にいいかなと。

★引っ越しても同じマンションの棟に

紙面でも少し触れました。富澤さんがM-1の決勝で言い放った「一緒にマンションに引っ越します」というのは冗談にしても、コンビとして便利だからと、同じマンションの棟に住むのは現実味がありそうです。もちろん、ホモ疑惑は否定しています。

伊達 マンションの棟が同じのは、別にそれぐらいいいと思いません? 僕らホント、16からの友だちなんですよ。それがまだ続いてる状態なんですよ。だから、一緒に住んでいるといってますけど合宿みたいな感じなんですよ。
富澤 お互い鑑賞しませんし、家じゃほとんどしゃべんないすね。
伊達 メシもバラバラですし、全然時間帯別々なんで。ルームメイトみたいなもんですね。東京に合宿で乗り込んでいるという状況がまさに続いてるだけで。離れたくないから一緒にいるわけじゃ決してないです。

★富澤は自信家

M-1の決勝では、ファーストラウンドで1位通過、そしてその勢いのまま優勝してしまったことに、伊達さんは信じられないという顔を素直に表していたように見えました。一方、富澤さんは当然のように自信に満ちあふれていました。もちろん、緊張はしていたそうですが、顔には出ないタイプのようです。

伊達 顔には出ませんね。例えば、3回戦から準決勝に上がる場合でも、オレは「やべーな落ちたかもしんないな」という話をするんですよ。でも、落ちるわけがないって言ってくるんですよ。だから、ああやっぱ自分のネタに自信があるんだなって。自信家ですから。

★意外、二人とも酒が飲めない!?

伊達 僕らお酒一滴も飲めない。二人とも。ただ飲み会は嫌いじゃないんで、行ってウーロン茶飲むような。
富澤 若い頃は、飲んではいましたけど。逆にそこで二日酔いを経験してしまってダメになっちゃいましたね。最初、飲み方わかんないからガンガン飲むじゃないですか。そっから受け付けなくなっちゃって。

★伊達さんは筆まめで達筆!?

福澤朗さんから聞いたのですが、福澤さんがサンド単独ライブで花を贈ったとき、後日、福澤さんに伊達さんが書いたらしき直筆のお礼状が届いたのだそうです。これが相当きれいな字だったとか。私が、伊達さんにそのことを尋ねると、やはりその通り。伊達さんは手紙を書くことが好きで、過去には文通をしていた経験もあるのだそうです。

2人はインタビューでは、極めてマジメで丁寧に答えてくれる一方、抜群のコンビネーションでボケたりつっこんだりしてくれました。そのバランスが素晴らしく、楽しく取材させてもらいました。写真撮影では、弊社のカメラマンがローアングルで撮ろうと寝る姿勢になっていたのを、富澤さんが「何かふざけているんですか、寝てますけど」「毛布用意しましょうか」と面白がって、いじってました。

紙面でも少し触れましたが、去年は一発芸、ショート芸が流行しました。サンドウィッチマンも一時期、「30秒で笑わせてくれ」というオーディションに行っては落ちるという状況が続いたそうです。確かに、一発芸はそれはそれで面白いし、私も好きですが、それだけのテレビでは寂しいですよね。一発芸でブレイクした人のここ数年の栄枯盛衰を思い出すと、ちょっと悲しい気分にもなります。長く愛される本物の芸が見たい。そう思っているときに、サンドウィッチマンのM-1の奇跡が起こりました。ショート芸流行の年の最後に、本格派の芸が認められた。私は象徴的な出来事だったような気がします。2008年は、本物の芸がどんどん認められる時代になる、そう信じたいのです。テレビ関係者のみなさんお願いしますよ。芸人さんたちの使い捨ては、もうやめませんか。芸を持った人を、単なるバラエティータレントとして使うのはそろそろやめませんか。芸を持った人が、本当に得意な芸を見せられる番組をもっと作ってくれませんかぁ!?

そうそう、伊達さんに「強調しておいて」と言われながら紙面で触れられなかったのですが、伊達さんは、「東北」を売りにしていきたいのだそうです。今年は、東北6県でライブをやりたい!というのが願いだとか。実は私も、岩手出身で山形にも5年以上住んでいたので、ぜひ賛同したいです。タカアンドトシが北海道出身を強調しているように、サンドウィッチマンも東北発のヒーローとして、どんどんアピールしていほしいですね。岩手と山形でのライブには、私も駆けつけたいです!!

こら、ポップきよし(ポップスタイルマンとしての芸名)!雪で外出できんからって、暇に任せて長いの書いたんじゃろうが、また肝心なの書き忘れてるの。しゃーないからワシが書とく!(非モテ編集長)

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 読売新聞の水曜夕刊に掲載されている新感覚カルチャー面。旬の人のインタビューコーナー「ALL ABOUT」を中心に、若きタカラジェンヌの素顔に迫る「タカラヅカ 新たなる100年へ」、コラムニスト・辛酸なめ子さんの「じわじわ時事ワード」といった人気連載に加え、2016年4月から、ポルノグラフィティのギタリストのエッセー「新藤晴一のMake it Rock!」、次世代韓流スターのインタビューコーナー「シムクン♥韓流」がスタート。オールカラー&大胆なレイアウトで紹介する2面にわたる企画ページです。

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