POPきよしです。1日置いての「斑鳩」後編です。数年前、中野「青葉」が旋風を巻き起こしたころ、青葉の味に影響された店を指す「青葉インスパイア系」なる言葉もありましたね。何かの文章には、「斑鳩」について、「青葉インスパイア系の先駆け」なんて表現がありましたが、何のこっちゃって感じの言い方ですね。まあ、事実としては事実なんでしょうが・・・。
「青葉インスパイア系の先駆け」。面白い表現だなあ。ま、それだけ、青葉に追随した店が多いってことでしょう。では、本題に参りましょう。
ここ数年、斑鳩に行っていなかった、と前編で書きましたが、まさにボクは斑鳩の「青葉インスパイア系」の味しか知りませんでした。しかし、ここ数年で、色々なメニューが出たり消えたりしていたんですね。色んなオリジナルな味を開発して、「青葉インスパイア系」から見事卒業したということなのでしょう。
ボクがラーメンにハマっていた学生時代(かれこれ10数年前・・・)は、うまいラーメン屋を探す目安として、メニューに「醤油」「味噌」「塩」など色々な味があるのは、ダメだ! という定説(思いこみ?)がありました。例えば、荻窪「春木屋」のように、基本の味は一つで、メニューのバリエーションは、大盛りかチャーシュー、ワンタンの具が乗るかというだけ、というのが信用に値するという考えでした。しかし、続々と新しい店が立つ最近は、人気店でもドンドン新味を出していかなければならないということなのでしょう。
さてさて、先週、斑鳩には2度行きまして、食べたことのなかった「特製塩本鰹ラーメン」と「ガーリックチーズ油そば」にチャンレジしてきました。
★特製塩本鰹ラーメン(1000円)
クリーム色のスープは、見た目よりサッパリした印象。レンゲで2、3口飲んでみましたが、味わい深いけどパンチには欠けるかなと思いました。それでも、鰹が効いた上品な味で、文句はありません。この店のすごさは、具一つ一つに手抜きがないことですね。あぶったチャーシューも、きれいなオレンジ色の黄身のタマゴはとろけてウマイ。どちらも、ラーメンに入れるより、ビールのつまみで飲みたいぐらい。一番、不満を感じたのは麺ですね。中細の麺は、ちょっと柔らかめでコシには欠けます。スープのからみは良すぎるぐらい。みるみるうちにスープがなくなってしまいました。ボクの体質の問題かもしれませんが、どうも鰹が強すぎると、ちょっと濃すぎて後味が悪くなります。朝食を食べずに空腹だったのに、もう何も食べられないという状態になってしまいました。不覚です。たぶん、チャーシューやタマゴのボリュームもあったのでしょう。具材が美味しすぎて、肝心の麺とスープの印象が薄くなってしまいました。
個人的には、ラーメンは麺、スープ、具材のすべてで頑張る必要はないと思います。要は全体のバランス、ハーモニーです。あっさり和風醤油のラーメンで、チャーシューは味気なくパサパサしているある店がありますが、それはそれで、全体としてはおいしいのです。その意味では、このラーメンはすべての面で頑張り過ぎなのかもしれません。
★「ガーリックチーズ油そば」(850円)
斑鳩にこんなメニューもあったんだ、と驚きました。油そばというジャンルは、それほど免疫はないのですが、ボクの先入観のあった油そばと少し違っていました。底にたまっている濃縮した汁は、油というよりソースという感じです。スライスチーズの味が影響したのかもしれませんが、カルボナーラのような味わいでした。そう思っていたら、斑鳩は過去にカルボナーラ風のラーメンを出したことがあるみたいですね。ということは、これよりもカルボナーラに近いということなんでしょう。カリカリのガーリックチップが入っていて、ソースのドロドロ感と麺のモチモチ感と相まって、非常に香ばしかったです。ここのところ、チーズを入れる試みのラーメンに出会うのですが、アリかナシか、チーズ好きのボクとしては、まだ判断に迷うところであります。根本的には、チーズと中華麺は相性が良いものでもないと思うのです。今回の油そばも、確かに美味しいといえるものではあったのですが、悩みながら食べました。ラーメンがこの領域に踏み込むべきなのか。普通のカルボナーラを食べた方がおいしいのではないか。
チーズが入ったラーメンで美味しいところを知っている方、ぜひ教えて下さいね。
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