編集長(二代目)です。
個人的なことを言えば、私はYMO世代。当時は画期的だったシンセサイザーを押し出した「ライディーン」、「東風」「テクノポリス」などをワクワクしながら聞き、彼らのニューヨーク・ ボトムラインでのライブの中継を見て、「ああ、この人たちは世界に通用したアーティストなんだ」と感銘を受けたものです。子供時代に憧れた人に会えるというのは、記者冥利というか、感慨深いものです。
お会いした時の印象は、とにかく若々しい。環境問題、平和問題への興味は幅広く、こちらの質問に対する受け答えも機敏で心のこもったものでした。1時間半のインタビュー中、私は若干不確かな知識を交えた質問もしてしまいましたが、教授は愛用のパワーブックを操りながら気さくに答えてくださりました。そんなわけで、補講後編「ドビュッシー以降 新ウィーン楽派」を読んでください!
シェーンベルク~音楽を調性から解放
シェーンベルクはやはり外せませんね。ドビュッシーが20世紀音楽の父だとすれば、シェーンベルクから20世紀音楽は本格的に始まった。彼が中心になって考えた12音技法によって、音楽は調整から解放された。調性を完全に破壊して再構築したんですよね。 好きな曲は「月に憑かれたピエロ」。「浄夜」はロマン派に寄りすぎて僕の好みじゃない。 あと、面白いのは、彼って戦火を逃れてハリウッドに移住したんですよ。そこで、LAあたりに住んでいた若者たちが学びに来て一派を築いたんですけど、それが戦後のハリウッドの映画音楽の中核になった。映画音楽には、ドビュッシーとシェーンベルクの両方が映画を与えているんですね。彼らの祖国であるフランスとドイツは戦っているんだから、歴史の皮肉という気がします。
アルバン・ベルクの魅力 ただ、普通の意味の音楽の魅力でいうとアルバン・ベルクのほうが才能があると思う。音色的にもメロディ的にも素晴らしいですね。僕が器楽好みというのもあるけど、「抒情組曲」や「バイオリン協奏曲」は本当に素晴らしい。「ルル」や「ヴォツェック」などのオペラもいいですね。ウェーベルンも好きです。20世紀のピアノ音楽は彼の影響もとても強く、彼がいたからブーレーズ、ベリオ、ノーノといった人々は出てこなかった。
講義は以上です。CDシリーズ「commmons:schola」について補足すると、作曲家別でなく、テーマ別の編集もあるとか。細野晴臣さんが「聞いて欲しい」と思うベースの曲を集めたり、山下洋輔さんがジャズをテーマに1枚作るとか。発売予定は来春とか。どんなラインナップで登場するのか、今からでも楽しみですね。
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