Pop Styleブログ

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更新遅れがちになってスミマセン。そして、前回のブログで、まるで拍手をあおるように、コメントをあおってしまいスミマセン。おかげで温かいコメントたくさんいただきまして、感涙の涙にむせんでおったところでございます。こういうのが、次への推進力になるとです!と、言いつつもそろそろネタ切れの感もあり、体力の限界も近づいておりまして・・・・。何せ、毎回見開き紙面と同じぐらいの字数を書いているせいで、1週間が長く感じます、ヒイ~。・・・何か、壊れてしょうもない状態になってまいりました。でもまあ最近は、何もすべて完璧な状態だけでなく、今までは表に出ることがなかった制作の裏側や苦労の様子を隠すことなく露出するというのが、エンタメ業界でも目立ってまいりました。ピアノジャックも、そういうところも魅力の一つなのかなあというのが、今回のテーマであります。

例えば、前回のすごい話第4弾の最後でも紹介したタップダンスの初日撤収の失敗談。これも、モバイルサイトで明らかにされたとか。ツイッターでも、HAYATOさんが「ダメだ、できない」などと苦しむ過程を隠さず、それに対しファンの方から応援の返信があるというんですね。これって、最近のアイドルでも見られる傾向で、努力や成長の過程を公開して、ファンも応援で一緒に育成プロジェクトに参加するものに似てますよね。

もちろんプロですから、前回書いたような帳尻合わせで、ライブやCDには見事間に合わせるのですが、樫原プロデューサーは、「思いつきを入れて、とりあえずやってみる。とにかく楽しんでもらえるなら未熟でもやろう」という姿勢なのです。だから、同じツアーでも軌道修正しながら、どんどん違うことを見せていくし、思いつきで導入した技もドンドンうまくなっていく。

例えば、今回のツアーでHIROさんが挑んでいるボイパがそうなのではないでしょうか。ツアー初日のさいたま市の会場の反応は、HIROさんの挑戦を温かく見守っているという雰囲気でした。HIROさんが突然、完璧なボイパを披露して会場一同驚いたというより、多少ぎこちなさも感じられる初挑戦を皆ほほ笑ましく見ているという印象でした。というのも、これはどういう状態でボイパを披露したかという場面設定がうまかった。5曲目が終わったばかりのまだまだ序盤のMCで、まずHAYATOさんが「今回のツアーに向けて、カメラを買った。これで47都道府県の写真を撮ろうと思ってる」と話し、HIROさんに「お前は何か新しく始めた?」などと投げかけたのです。そこでHIROさんは、「ボイパ始めたねん」。

これ、ある意味ズルい(笑)。HAYATOさんのカメラに対し、HIROさんのボイパ。音楽や楽器と関係ないカメラに対して、体を楽器として音を奏でるボイパ。カメラと同じ趣味レベルってことですか? ・・・ってことで、ファンの期待のハードルを下げることに成功したのです。会場はハナから半信半疑の状態だったんですね。その中で、予想を超えるうまさを見せ、ご当地ボイパというギャグも織り交ぜたのですから、会場はビックリ!拍手喝采ですよ。

テーマである「ダダ漏れ」から逸れているように思われるかもしれませんが、そうではないのです。ボイパを完璧な状態で見せたいのなら、曲間のソロパートで何の前ぶれもなく突然クールに披露するという方法が一番ふさわしかったと思うんです。でも、それをせず、あえて未熟でも許されるような状況を設定を用いた、つまりあまりクールじゃない見せ方をした。ここに、ピアノジャックならではのダダ漏れ感を私は感じるのです。このちょっと不安な初出しの後、カホンを叩きながらボイパをするという離れ業を見せたHIROさん。おそらく、会場の反応はご当地ボイパの時の「おー頑張っている」というのから、カホン叩きながらのボイパを見たとき「おーこんなことまでできるんだ」という驚きに変わっていたと思うんです。もう既に、同じライブ会場でありながら進化を見せたのです。もちろん、この進化は、最初の手加減の後、本気モードを見せたことによる見かけ上のものです。でも、このボイパの披露でファンが感じた「応援したくなる気持ち」が、ピアノジャックのダダ漏れ効果の分かりやすい例なのではないでしょうか。インタビューでHIROさんに、ボイパの事を聞いたら「いや、まだまだです。ぜひ東京公演を見にきて下さい」と話していました。う~ん、見たくなる。

ピアノジャックのダダ漏れ、つまり成長や進化の過程を隠さず見せることは、80年代などのアーティストやアイドルがファンタジーを提示していたのと相反して、人間らしさを見せているイマドキの見せ方だと感じます。トイレにも行かない、ファンからは遠い世界の存在だったアイドルやアーティストに対し、90年以降からでしょうか、何でもぶっちゃけてしまう時代になっています。同じ人間だから、苦労もするし悩むこともするし失敗もある。そこにはいるのは完璧すぎるアーティストではないのです。でも、苦労を乗り越えた末の結果を見せるからこそ、ファンは感動も大きいし、一緒に歩んだ感があり、自分も頑張ればできるのではと勇気づけられるのではないでしょうか。

特に、ネット動画で何でもできる今の時代。昨年でしたか、カシオペアの向谷実さんが、レコーディングの過程をすべてユーストリームで公開するのが話題になりました。ピアノジャックも、今回のアルバム発売を記念したナタリーのインタビューで面白いことをやってました。

http://natalie.mu/music/pp/pianojac02/page/6

何と、新曲の断片、1フレーズを披露し、樫原プロデューサーを交えた3人でセッションしながら曲を作り上げていく過程を動画で公開しちゃっているんですね。ファンの方、京都公演に行かれた方ならご存知かと思いますが、これが先週の京都公演(popstyleの発売日!)で初出し披露されたとか! 正直、早過ぎ!! ピアノジャックの速度感を知らなかった私は、ナタリーを見ていた時は、次のアルバムに向けたものであって、ツアー中に(しかもツアー途中に)公開してしまうとは予想してませんでした。

ダダ漏れというのは、ここ最近色々なところで目につく時代のキーワードであるとは思うのですが、ピアノジャックがすごいのは、恐るべきスピードを伴っているからなんですよ。ナタリーのインタビューが公開されたのは1か月ちょっと前のことだと記憶してますが、ツアーのための構成を練ったり、新しいパフォーマンスを練習するのと同時に、1フレーズしかなかった曲を完成させてしまうのですから。ダダ漏れがスピードを伴うと、圧倒的な驚きにつながるんです!動画を見てもらえればわかると思いますが、最初はピアノとカホンが全然かみ合わず、しきりにHIROさんが「もう1回やって」とHAYATOさんに尋ねながら挑戦する様子が見て取れます。本当にぶっつけ本番なんですよね。

ベストアルバムの収録曲をオリジナルアルバムの順で並べていることも、サウンドやスキルの変化をあえて見せるやり方なのです。今回のツアーで、バスの中でHAYATOさんがピアノを立てて練習している姿にしても、努力の様を見せているのでしょう。

余談ですが、ルックスの変化も分かりやすいですよね。どんどん格好良く、そしコワモテになっていく2人に様に質問をぶつけたら、HIROさんは、「何とか、かっこいい風にできないかなと。うまいことモジャモジャにしたら、ちょっとロックじゃない?これって。サングラスいい感じじゃない?って、どんどんイカついことなってきましたけど」って率直に語ってくれました。現在、HIRO・7代目? もみあげをそり込んで、8代目なのかな? 「9代目は、坊主になってるかも」と、HIROさんは言ってましたので、その宣言を期待して待ちましょう。ピアノジャックのスピード感から言ったら、来週あたり見られるかな!? HIROさん、期待してます!

(第5弾はちょっと強引だったかなあ。お許し下さい)

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 読売新聞の水曜夕刊に掲載されている新感覚カルチャー面。旬の人のインタビューコーナー「ALL ABOUT」を中心に、若きタカラジェンヌの素顔に迫る「タカラヅカ 新たなる100年へ」、コラムニスト・辛酸なめ子さんの「じわじわ時事ワード」といった人気連載に加え、2016年4月から、ポルノグラフィティのギタリストのエッセー「新藤晴一のMake it Rock!」、次世代韓流スターのインタビューコーナー「シムクン♥韓流」がスタート。オールカラー&大胆なレイアウトで紹介する2面にわたる企画ページです。

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