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宇宙飛行士 若田光一との対話ブログ 松本零士さんとの対話

火星に行ける日まで時間を止められたら…

2009年2月13日

Wakata  松本先生が少年の頃ご自身の足で火星の上に立っているつもりだったというお気持ちと過ぎて行く時間を捕まえたい心境とメールにありましたが、ご自身の夢を「銀河鉄道999」「宇宙戦艦ヤマト」などで多くの子供たちに夢を与えておられ、現在もその夢は我々の中に強烈なメッセージとなっています。

 私は幸いにして2度の宇宙飛行の経験を積むことができました。スペースシャトルに乗って、地球の重力からの脱出、わずか8分30秒経てばもうそこは宇宙です。ヤマトや999では最初の一歩とも言えないような距離ではありますが、まだまだ人類にとっては大きな一歩です。眼下に広がる青く輝く地球の姿を自分の目で確認することができたのは、本当に感動的なことでした。

 特に印象的だったのは暗黒の宇宙と地球の境目に薄い霧のように見える「大気の層」で、その薄い大気のベールが地球をやさしく包み地球上の生命体を守っているのだと感じました。また、私たちに与えられたふるさと「地球」の環境を守っていかなければという気持ちを新たにしました。

 その地球上の様々な国籍の仲間達と、国際宇宙ステーションという共通の「家」を利用することにより、協力してひとつの目標に向かって仕事ができることは自分にとっても大きなやりがいを感じさせてくれます。

 先生がご自身の作品で私をはじめ老若を問わずたくさんの人に夢とあこがれを抱かせてくださったように、私も宇宙飛行士の仕事を通じて、多くの方々に有人宇宙開発というおよそ人間が達成しうる中で最も壮大な計画に対する夢と「きぼう」とを抱いてもらえることができればこれ以上の喜びはありません。

 それでも、先生がお感じになったように、国際宇宙ステーションまでの道がこれから銀河鉄道のレールのように月・火星にまで延びていくのだなあと思うと、そのときまで自分の時間を止めておきたいとも思ってしまうことも正直あるのですが(笑)。

 国際宇宙ステーション(ISS)で日本人初の長期宇宙滞在に入るのを前に、打ち上げ前の最後の訓練に忙しい若田光一さんから、対談者たちへの「返信」が届いた。

■往信■ 漫画家の松本零士さんは冒頭に「西暦2009年となった。少年の日、その時自分は、既にこの足で火星の上に立っているつもりでした」と記した。

★松本零士さん→若田さんへのメッセージはこちら

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投稿者:安藤

若田さんこんにちは、シャトルの打ち上げ延期になって気持ち焦ってないですか?安全性もこれからのシャトルの課題ですねー、二度と大惨事は起こしてはならないですよね。今回ステーションの活動期待してます。同じ埼玉県民族としても応援してます。

受信: 2009年02月14日 9時13分
投稿者:MACK

時代を超えて多くの人達が同じ夢を共有して実現する
というのはいいですね。思えば、月ロケットも
ツウォルコフスキー、ゴダード、オーベルト、
フォン・ブラウンという4人の月に行きたいという
情熱のバトンリレーが実った結果でしたね。
若田さんも人類が火星に立つという大きな夢のバトンを
受け取るところなんですね。いつか、私もこの壮大な
リレーに加わることができたらなぁと思います。

受信: 2009年02月14日19時03分
投稿者:濱田 健

このすばらしいアースはやがて太陽に飲み込まれてしまいます。人類はそれ以前に太陽圏を脱出することができるでしょうか。若田さんの身を削ってのお仕事はまさにその一歩だと思います。

受信: 2009年03月24日19時02分

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