せっかく「福田記者のヲタスタイル」なんていうコーナーまでもらいながら、2か月近くも書き込みをせず放置してしまいました。更新頻度こそブログの肝、他人のブログのことを言う前に自分のブログを何とかしろ、とお叱りも受けております。大変申し訳ありません。ちょうど今月3日から7日まで、社会面で連日「アニメ、見てますか」という連載を、直言兄弟の兄こと石田汗太記者と一緒にやったりしていてバタバタしていたということもあったのですが、何を書いても言い訳にしかなりません。連載のこぼれ話なども含め、これからは積極的に更新していきたいと思っております。
で、表題の件です。丹波哲郎さんや市川昭介さんといった、誰もが知っている俳優や作曲家の方もそうなんですが、このところ、私が関心を持っているアニメや漫画の方面で、亡くなる方が相次いでおりまして。9月14日には、現役でアニメの演出をされていた山吉康夫さんが64歳で急死されました。「キン肉マン」や「パタリロ!」、「おジャ魔女どれみ」シリーズなど、東映動画・東映アニメーションの作品で30年以上活躍されてきた方で、放送中の「ふたりはプリキュア Splash☆Star」にも参加されていました。何度かお話させていただいたことがあるのですが、たたずまいからも作品からも、ベテランの風格が漂ってくるような方でした。
9月17日には、声優の曽我部和恭さんが亡くなりました。「破裏拳ポリマー」の主人公・ポリマー(鎧武士)、タイムボカンシリーズ「ヤットデタマン」――この作品は「ポリマー」を多分に意識していました――の主人公・ヤットデタマン(時ワタル)、「パタリロ!」のバンコランなどが主要な役どころですが、他にもJ9シリーズや「機動戦士ガンダム」、「GS美神」など、多くの作品に出演されました。最近は声優のお仕事をされていなかったようですが、まだ58歳という若さ。8月に亡くなった声優の鈴置洋孝さんも56歳。まだまだこれから、というお年で、本当に残念でなりません。9月27日には、「仮面ライダー」シリーズなど、東映で数多くの特撮番組の監督やプロデューサーを務めた折田至さんも亡くなりました。
そして、個人的にも大きな衝撃を受けたのが、コミックマーケット(コミケ)準備会代表であられた米沢嘉博さんの訃報でした。9月30日に体調不良を理由に代表退任が発表され、その翌日の10月1日に死去。言葉を失いました。漫画の世界、同人誌の世界に与えた影響、功績はあまりに大きく、これからますます存在感を増していかれる方だろうと思っていましたので、53歳とは本当に早すぎます。前述の直言兄こと石田記者が追悼文を書いておりますので、ぜひそちらもご参照下さい。私は取材等で数度お話をさせていただいた程度のお付き合いでしたが、温厚な笑顔、物腰が非常に印象的でした。6日のお通夜にはうかがえなかったので、7日の告別式に参加させていただきました。葬儀の表現としてはいささか不適当かもしれませんが、悲しみすら昇華してしまうほどの清々しさに満ちあふれた素晴らしいお式でした。多数の参列者を見事に裁いていたコミケスタッフの方々の奮闘は、そのまま米沢さんへの尽きせぬ思いの表れであったのでしょう。故人が拍手で送られる葬儀なんて、いまだかつて経験したことがありませんでした。改めて氏の存在の大きさをかみしめつつ、深い感慨を禁じえませんでした。今後のコミケの行く末の無事を祈らずにはおられません。いや、米沢さんの不在を、漫画や同人の世界に携わる人間一人ひとりがこれから埋めていくんだという気概で事に当たっていくべきなのでしょう。
手塚治虫が「新宝島」を描いた1947年から60年近く、同じく手塚原作の初の本格的テレビアニメ「鉄腕アトム」が始まった1963年から40数年。各分野で草創期から活躍されてきた方々も、相応のお年になっています。ますますのご健勝をお祈りするとともに、後進が積極的に先達の知識や経験を受け継いでいかなければならない必要性もひしひしと感じます。
そういえば、最初に触れた市川昭介さんは、「ハクション大魔王の歌」や「大ちゃん数え唄」などのアニメ主題歌の作曲者でもありましたし、丹波哲郎さんは「猫の恩返し」などで声優としても活躍されました。昨年亡くなった本田美奈子さんは、「明日のナージャ」の主題歌も歌っていました。全体の功績から見た場合のバランスもあるのでしょうが、こういった意外な方面での活動も、もう少し訃報記事なんかで紹介されてもいいのでは、と個人的には思っています。