「ふしぎの国のアリス」

 「ふしぎの国のアリス」と言えば、英国のルイス・キャロルが19世紀に書いた有名な児童文学です。日本でも、これまでに何十もの翻訳や絵本が出ていますが、今月、ポプラ社から新しい絵本が出版されました。

 絵を描いたのは「ぽっぷ」(POP)さん。上のリンク先をご覧になっても分かる通り、とてもかわいらしい絵を描かれる方です。POPさんにとっては初めての絵本ということですが、実はこの方、おたくの世界では非常によく知られた存在なのです。

 アニメや漫画、ゲームの名シーンをほうふつとさせる例文の数々を掲載し、おたくの間で一大センセーションを巻き起こした三才ブックスの英単語集「もえたん」。この本のイラストを手がけたことで一躍注目を浴びるようになり、今では漫画家、イラストレーターとして各方面で活躍されています。私もPOPさんの描く絵が大好きで、画集まで買ってしまったほどですが、まさかきちんとした子供向けの絵本にまで進出されるとは! 素直に驚いてしまいました。

 しかも、絵本自体も決して「萌え」狙いのキワモノというわけではなく、新たな感覚の「アリス」の世界を、叙情感あふれる淡い色彩で鮮やかに描き出しています。これなら、子供にも安心して読ませることができます。そして、POPさんの絵本を読んで育った子供たちが立派なおたくに成長してくれたら、日本の未来も安泰……と言えるのかな?