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自由自在になった 宇宙での方向感覚 |
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2009年5月29日
茂木健一郎様、
先生の著作で、「クオリア」という言葉に触れておられたことがありました。私の今回の長期滞在とこれまでの宇宙体験を振り返ってみると、「宇宙の質感は単なる重力の受容器官である耳石(じせき)器への入力の変化ではないな」と、宇宙滞在2か月が過ぎた今になって実感しているところです。
このような個人レベルの認知の変容以外にも、今回のように長期間宇宙から地球を眺めて暮らすことで、帰還したらもう一段階レベルアップしたメタ認知を獲得していることを自分でも期待しています。それは「地球・地球人・地球の歴史」に関する素直な洞察と言えばいいのでしょうか……自分のしている行為を一つの国・一つの文化を単位とするだけではなく、地球全体を見据えた広い視野からの認識・意義付け・評価も出来るようになっていれば、素晴らしいことだと思います。 また、茂木先生がいみじくも「デブリーフィング」という語を紹介されていましたが、宇宙飛行士はフライト前の訓練の時点からこのデブリーフィングを積み重ね、「どのようにして上手く出来たか」あるいは「上手く出来なかったのはなぜか」、「どのようにしたら上手く出来るようになるか」という知識をトレーナーや同僚クルーと共有しています。 若田光一
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楽しみな「無意識的な変容」の行く末 |
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2009年5月26日
若田光一さま 茂木健一郎
「俯瞰」に関する考察を大変興味深く拝読しました。宇宙飛行士としてのミッションを遂行する上で必要な「客観視」の能力。脳科学や認知科学においては、「メタ認知」という言葉が使われます。 自分自身を、あたかも「外」から見ているように客観的に把握する。若田さんは、厳しい訓練の中で、そのようなメタ認知の能力を身につけていらっしゃると思います。宇宙ステーションから地球の姿を見る中で、メタ認知の能力がさらに広がりを持ち始めているのではないでしょうか。 若田さんの言われる「無意識的な変容」の行く末が楽しみです。 新しく、そして意味に満ちた経験をした時に、自らの感じたり考えたりしていることを振り返り、言葉にして伝える。この「デブリーフィング」の作業が、宇宙に暮らしながら、こうしてリアルタイムで行われる時代になったことに感激します。私自身もブログを書いていますが、若田さんは宇宙に滞在しながら、その体験を記録し、メールのやりとりをしている。まさに身をもって、宇宙的スケールでの人類の新たな可能性を探って下さっている若田さん。心からの尊敬の念を捧げます。どうか、無事に任務を遂行して、ご帰還ください! ◆若田さんから茂木さんへのメッセージはこちら
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興味ある、宇宙滞在による「感じ方の変化」 |
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2009年2月25日
茂木健一郎 様 そのため、軌道を離れて帰還する直前に美しい地球の姿を見ながら、「この素晴らしい眺めを満喫するのは次のミッションまで取っておこう」と思うくらいでした。むしろ二度目の宇宙飛行で荘厳な地球の姿に再び出会ったときに、「この場所にまた来ることができた」という大きな感動を覚えたことは今でもはっきりと覚えています。 その意味では、先生のご期待よりもやや即物的な感じ方なのかもしれませんが、むしろ無意識的な変容として現れているのかもしれません。というのは東大の松井教授とお話しをしている中で「俯瞰」という言葉が使われてハタと気がついたのですが、軌道上から地球という「鏡」を俯瞰することは、宇宙飛行士として必要な「客観視」の能力――自分のあるべき姿と成すべきことを保持しておけること――を強めてくれたようにも感じます。 あるべき姿や成すべき事柄はもちろん人によって様々だと思いますが、「鏡」に映った姿を美しいと感じる人であれば、その美しさを保つために努力をするでしょうし、「鏡」を曇らせる争いごとや環境汚染に対しても感受性が豊かになるのかもしれません。 今はまだ限られた人しか自分の目でこの美しい「鏡」を見ることができませんが、数ヶ月に渡る長期間の宇宙滞在の中で、さらに自分の考え方/感じ方がどのようにどのように変化していくのかについては非常に興味があります。軌道上から実際の感想を先生にお知らせすることが楽しみです。 ◇ 国際宇宙ステーション(ISS)で日本人初の長期宇宙滞在を行うため、米ヒューストンで準備・訓練にいそしむ若田光一さんから、対談者たちへの「返信」が届いた。 ◇ ■往信■
脳科学者の茂木健一郎さんは、宇宙飛行で「外」から見た「地球の感触」について深い関心を寄せる。 (茂木さんから若田さんへの便りはこちら) ★小林麻央さんとの対話ブログ
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宇宙から見た地球は、人類の新たな「鏡」 |
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2009年2月 6日
若田光一さま
人類の精神史において、「鏡」は大きな意味を持ちました。私たちは、鏡を手に入れることで初めて、自分たちの姿を認識するに至ったのです。鏡の中のイメージが自分だとわかるのは、人間の他にはチンパンジー、オランウータン、イルカ、シャチ、アジア象などの限られた動物に過ぎません。しかもこの中で鏡を生活の中で常用しているのは人類だけ。私たち人間だけが、自分の姿がどのようなものなのか、知っているのです。 鏡を手に入れたからこそ、人類は精神の「次のステージ」に行くことができた。宇宙空間から見た地球の姿は、人類にとっての新たな「鏡」だと言えるのではないでしょうか。暗黒の宇宙空間の中に奇跡のように青く美しく輝く惑星、地球。その姿を目の当たりにして初めて、私たちは自分たちを育む母胎を映す「鏡」を手に入れたのです。 若田さんは、宇宙から地球の姿を目撃した時、どのようなことを感じましたか? かけがえのない経験によって、自分自身の、そして地球の生命全体に対する考え方は変わったでしょうか? 地球に帰還してからは、どのようなことを考えましたか? 宇宙から見た地球という人類にとっての新しい「鏡」は、どのような意識の変容をもたらすのでしょう? 無意識のレベルでの変化について、若田さんがどのようなことを感じられているのか、関心があります。言葉にするのがなかなか難しいような、根源的な気づきがあるに違いない。日本人宇宙飛行士の中でも特筆すべき活動をしている若田光一さん。自らの生命を育んだ地球を「外」から見た時に若田さんがどんなことを感じたのか。その感触の一端だけでも知ることができたら、これ以上の幸せはありません。 若田光一さんがもうすぐ国際宇宙ステーション(ISS)へ旅立つ。日本人として初の長期宇宙滞在がいよいよ始まる。ヨミウリ・オンラインは、地上の対談者と若田さんとの「往復書簡(メール)」を通じて、「宇宙での暮らし」「宇宙への夢」を追いかけます。まずは、出発前の若田さんに宛てた、対談者たちのメッセージから――。 クオリア(感覚の中の質感)をキーワードに森羅万象に好奇心の矢を放つ、脳科学者の茂木健一郎さん。若田さんが見る、「青く美しい地球の感触」に想いをめぐらす。
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そういえば、人間のずぅっと前の先祖は、海から這い上がって
きたのが定説ですよね。環境の変化により進化するのが
生物であるなら、宇宙に定住するようになった人間が
どのように進化するのか楽しみですよね。
ご存知のように、地上での宇宙活動の訓練には、水の中で実施しているものがあります。それは、感覚が宇宙に近いから。
もしかしたら、大昔に無くしてしまったものを再び
取り戻す事になるのかもしれないですね。
えじふとがみたいな