★デート対決勝利者、前田記者「僕はサラリーマンの鑑」
社会部の江東支局で、主にスカイツリーを担当している前田遼太郎と申します。ポップスタイル初登場です。よろしくお願いします。徐々に迫り来るスカイツリーの開業に追い立てられる日々を送っています。最近は個人的に出会いも少なく、「何か潤いがほしい!」と思っていたところに舞い込んできたのが今回の企画、16日付夕刊のポップスタイル「ALL ABOUT 東京スカイツリー」でした。
正直、最初に(森ゾー)さんからポップスタイルの原稿を書くよう依頼があったときは、「まずい、仕事が増える。どうやって断ろう・・・・」と瞬時に頭を働かせました。そんなサラリーマンの鑑の僕ですが、「女優さんとデートしてもらう」との一言を聞き、読売新聞史に残るすばらしい企画であることがわかりました。(森ゾー)さん、それを早く言ってくださいよ(写真は、人形作りに没頭する女優の今村美乃さん)。
★江東支局内での神経戦、「戦いはすでに始まっている!」
企画の内容は、同じ江東支局に所属する同期の鶴田裕介記者と僕がスカイツリー周辺でおすすめのデートコースをそれぞれ考え、女優の今村美乃さんにどちらのコースが「胸キュン」だったかを決めてもらうというもの。男として燃えないわけがありません。
そして勝負は早くも神経戦に突入します。デートの前日まで僕は、「まずいな。デートコースまだ何にも考えてないよぉ」と、あえて鶴田記者の前で言い続けました。テスト前に「おれ全然勉強してこなかったよ~」と言って周囲を油断させるあの作戦です。その実、水面下では今村さんのブログを早々にチェックし、趣味が「着付け」と「イラスト」であるという貴重な情報をゲットしていました。
★のっけから手痛い失敗!
それでは、僕が激選したゴールデンルートをここに紹介します!
最初に訪れた隅田川沿いの「長命寺の桜もち」(墨田区向島5の1の14、03・3622・3266)は、地元では有名すぎるくらい有名な老舗。歴史が古いというだけでなく、くどくない甘みともちもちした食感、桜の葉の塩味のバランスが最高です。いつもお客さんがたくさんいて、店内で味わうのは難しい日もあります。
もちろんこの店を選んだ理由は、「着付け」→「和風」→「和菓子も好きに違いない」という深い考察に基づくもの。ところが、「実は桜もちはあまり得意じゃなくて・・・」と気まずそうに答える今村さん。やはり人生は甘くない。
★今村美乃、小刀を手に・・・・
気を取り直して向かった先は、日頃から取材でもお世話になっている江戸木目込人形作りの「塚田工房」(墨田区向島2の11の7、03・3622・4579)。6代目の塚田進さん(62)は、スカイツリーが建設されるのをきっかけに工房を改築し、人形作りをしているところをお客さんに見えるようにしました。
墨田区がある隅田川の東側はかつて、粋にこだわる江戸っ子をうならせる着物を染め上げたり、日用雑貨をつくったりする職人がひしめく街でした。数は減ってしまいましたが、塚田さんのように今も伝統の技を受け継ごうと頑張っている職人たちはまだまだたくさんいるのです。
予約をすれば人形作りを体験できると聞き、僕らも早速挑戦!。「きょうは親方と呼んでね」と笑顔を見せる塚田さんに従い、桐(きり)のおがくずをのりで固めた「桐塑(とうそ)」という塊に小刀で切れ込みを入れ、ヘラで布を挟み込んで着物を着せていきます。
ふと顔を上げると、とてつもなく真剣な表情で小刀を操る今村さんが…。「もしかして不機嫌になっている?」と内心ビクつきながら、「た、楽しい?」と尋ねると、「私、もの作り大好きなんです」とのご回答。「出足の遅れを取り戻したぞ!」と有頂天になったのもつかの間、「前田さん、そこ違う」と親方から冷静な指導が入る。親方、いいところ見せたいんだから空気読んでよ!
ようやく完成した僕の人形はいびつでしたが、見つめると何だかいとおしい…。今村さんもなぜか自作の人形に「雪子」と名付けてご満悦の様子。初めての体験に四苦八苦しましたが、時間をかけ、手作業で何かを生み出すことの尊さを思い出させてくれました。
★思わぬ援軍が助言!
人形作りに没頭しすぎたため、急いで次の目的地の「張福(はりふく)」(墨田区押上3の50の6、03・3611・0916)へ。ここは着物の寸法直しや染め変え、着こなしのアドバイスなどをしてくれる創業70年の店です。
今村さんは店に入るやいなや、店主の角田操さんが締めている帯に注目し、「それかわいいですね!」と予想通りの食いつき。帯には、夜空を背景に少しずつ成長するスカイツリーと白い猫のイラストが描いてあります。この猫は、角田さんが昔飼っていた愛猫がモデルで、墨田区で活動しているイラストレーターにデザインしてもらったもの。同じ絵柄の手ぬぐいと共に女性を中心に人気で、知る人ぞ知る新しい墨田の名品なのです。
ネタバレすると実はこのお店、僕が「着付け」と「イラスト」の両方を満たす店を探していたところ、猫好きの江東支局の女性スタッフが教えてくれたのでした。このことは、もちろん鶴田記者には内緒です。
★東武の敏腕社員と結託!そして・・・・
さてさて、デートも佳境に入って参りました。太陽と共に傾きつつであろう今村さんの気持ちを、さらにこちらに傾かせるために企てた…もとい考え抜いた演出でラストを飾ります。 それはデートの1か月ほど前のことでした。スカイツリーを運営する東武タワースカイツリー社の方に取材で会った際、今回のデート対決のことを明かし、こう伝えました。 「やっぱりスカイツリー担当の記者が負けたら、東武さんとしても悔しいでしょ?」。すると、「スカイツリーの展望台にあるレストランを使ってみます?」との答え。なんて話のわかる人なんだ。
このようなハードネゴシエーションの結果、高さ350メートルの天望デッキにある「Sky Restaurant(スカイレストラン)634」に特別に入れてもらえることになったのです。
ツリーの中に入ると今村さんは「本当に!?本当に!?」と大興奮。以前、報道関係者向けの内覧会で中に入ったことのある僕でも、ほぼ貸し切り状態の天望デッキから見る夜景に一瞬、意識が遠のきそうになりました。開業後は既に予約でいっぱいという鉄板焼きコーナーのテーブルでシャンパングラスを交わす二人・・・。セレブってこんな感じ?
今村さんが僕の方より夜景ばかり見ていたような気がするのは、たぶん気のせい。「スカイツリーマジックにかかりそう」。うっとりした表情でつぶやく今村さんを見て、僕とツリー社の敏腕社員は物陰でガッチリと握手を交わしたのでした。
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