宝塚 初物語3

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こんにちは、こんばんは、おはようございます。popstyle編集長の森田睦です。

読売新聞水曜夕刊「popstyle」での宝塚歌劇を取り上げる連載「タカラヅカ 新たなる100年へ」に関連し、「あのスターが読売新聞が初めて宝塚を取り上げたのはいつ?」を調べて紹介する企画の第3弾です。

今回は、春日野八千代さん、園井恵子さん、草笛美子さん、轟夕起子さん、桜緋紗子さんを調べたいと思います。

まずは、「白薔薇のプリンス」こと春日野八千代さんです。

春日野八千代さんは、1915年生まれで、18期生。1929年に初舞台を踏んだ、劇団を象徴する大スターでした。

さて、読売新聞の初登場は、1952年5月16日夕刊。

今回紹介する5人の中でもっとも遅い登場です。理事になり、専科に移られた後です。

人物紹介のコラムで、記者が、宝塚にしては珍しい濡れ場シーンがあったけれど感想は?とか、カメとウサギはどちらが好きか?とか、そういうことを聞いて書いています。

その中で興味深いのは、名前の由来に答えているところです。春日野は、琵琶の曲の歌詞から取っていて、八千代は、大阪の富田屋にいた日本一と呼び声の高い芸妓の名前から取ったそうです。

「君が代」の歌詞から取ったという説が定説となっていますが、本人の答えている以上、「富田屋の八千代」説も捨て置けないところです。

記事中、「永く舞台にいるつもりはありませんけど、宝塚のお役に立ちたいと思ってます」と話していましたが、春日野八千代さんは96歳でお亡くなりになるまで団員であり続けました。

次は、園井恵子さん。

19期生。「初物語2」で紹介した小夜福子さん、葦原邦子さんに次ぐスターでしたが、広島で原爆の被害に遭い1945年に亡くなってしまいました。

生前の記事はありませんでした。

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草笛美子さんは、どうでしょうか。

草笛美子さんは16期生。「大正昭和美人図鑑」(河出書房新社)によると、「歌う宝塚」を決定づけた方のようです。

読売新聞初登場は、1933年3月20日夕刊。

日曜日の演芸面一面を使った春の演劇紹介の中で、レビュー「巴里・ニューヨーク」に出演することが記されていました。

謎だったのが、同じ年の11月22日朝刊の「草笛美子 宝塚引退」記事です。

それによると、主役を後輩に奪われ、すねてしまって舞台を休んでいたけれど、ついに辞表を提出した、というのです。

しかし、次の年の「トゥタンドット姫」には出演していますし、退団は1940年のことです。

この辞表の顛末についての続報は残念ながらありませんでした。

ちょっとふて腐れたら話が大きくなってしまった、ということなのでしょうか、深層はわかりません。

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このような、よもやま話の記事は、轟夕起子さんに関してもありました。

21期生の娘役スターで、1937年に退団して、日活に入社し映画女優となります。

初登場は、1937年4月13日夕刊。

「日活入りした宝塚歌劇の」轟夕起子さんが、移籍(!?)後初作品として、吉川英治原作の映画「宮本武蔵」に出演することを報じる記事でした。

ここで「日活入りした」と書かれていますが、実はまだ固まっていなかったようで、

続く同年4月28日夕刊では「日活のウィンク届かず 興味は轟夕起子の動静」という見出しで、東宝と日活が争奪戦を繰り広げているという記事を載せています。

日活の社長は、「『宮本武蔵』の次は片岡千恵蔵さんと『不如帰』を撮ることになっている」というと、

東宝側は「日活で入社を決めているのはデマで、轟が日活に行ったら、この首を持って行きなさい」と超強気です。

当の本人は「アラいやや、日活などへ行きしめえんし」と首を振ったとのこと。

・・・否定したのに、、、というのは、今も昔もあったようです。

いろいろと事情があるのが芸能界ということでしょうか。

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最後は桜緋紗子さんです。

19期生。1940年に退団し新派へ。65年に出家して仏門へ、という珍しい経歴です。

初登場は、1940年4月17日朝刊。

退団して、新生新派に行くことを報じる記事でした。

当時、新派は、本流新派、井上演劇道場、そして新生新派に分かれていて、「優れた女優探しに血眼になっていた」ようです。

そこで新生新派が目を付けたのが、月組の娘役スターの桜緋紗子さん。

父君に粘り強く交渉し、宝塚の了解を得て、新生新派は「重要女優」として迎えたそうです。

尼僧になられた後の1978年11月20日朝刊の社会面で大々的に取り上げられました。

当時、桜さんが執事長を務めていた尼寺に前科6犯の強盗がナイフを持って押し入るという事件がありました。

門跡が諭している間に、桜さんが110番したということでした。

この犯人と門跡のやりとりも書かれていて、門跡が「お金を持っていない。さい銭を持っていったら」というと、犯人は「さい銭はとれない」と答えたそうです。

現代の感覚では、ナイフで人を脅す行為と信心深さにギャップを感じてしまいました。

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宝塚 初物語1http://blog.yomiuri.co.jp/popstyle/2021/01/post-e253.html

宝塚 初物語2http://blog.yomiuri.co.jp/popstyle/2021/01/post-5caf.html

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