クウガ、アギト、龍騎、555、剣、響鬼、カブト、電王、キバ、ディケイド、W、オーズ、フォーゼ、ウィザード、鎧武、ドライブ、ゴースト、エグゼイド、そして、先日最終回を迎えたビルド。2000年に始まった平成仮面ライダーは毎年毎年、斬新な発想で我々を楽しませてくれました。
そして、節目の20作目「ジオウ」が平成最後のライダーになるというオマケが付き、ライダーは持ってるなあと思ったのは筆者だけではないでしょう。当然、制作者側が20作目の構想を練っていた時には平成が終わるなんて思ってないわけですが、こんな形で着地するところに、言葉一つ一つに遊び心を入れてきたシリーズのこだわりが昇華した感がありますね。
紙面では、「平成」という時代をキーワードに、平成仮面ライダーが時代にもたらしてきたもの、仮面ライダーが反映してきた平成という時代を、わずかながらですが読み解いております。モチーフや変身アイテム、イケメンブーム、様々なところに時代が出ていることが分かるのですが、平成仮面ライダーがもたらした一番大きなものは、「ヒーローの復活」なのではないでしょうか。平たく言えば、「ヒーローって格好いいじゃん」と、みんなが見直したということです。
平成仮面ライダー登場以前には、ヒーローが冷笑されていた時代がありました。1988~90年頃には「仮面ノリダー」という、とんねるずによるパロディーが人気でした。これはこれで楽しかったのですが、ヒーローの格好良さと背中合わせの矛盾を揶揄したり、敵であるジョッカーの皆さんが一斉に吹っ飛ぶお約束を強調したり、ライダーという作品のツッコミどころを余すところなく白日の下に晒してしまった感があります。
筆者も振り返ると、幼少時に見たヒーロー番組への憧れの強さの反動で、小学校になると夢中になっていた自分を含めてヒーローをせせら笑っていた気がします。ヒーローはガキのためのもの、卒業するもの、という固定観念がありました。
そうした凝り固まった考えにライダーキックを放って吹き飛ばしたのが、平成仮面ライダーだったのだと思います。ツッコむどころではないリアリティー、アクション、人間ドラマ、特撮の凄さ。ヒーロー番組は子供だけのためのものではなく、幅広い世代が見ても色々な角度から楽しむことができるものになりました。シリーズを追うごとに、とっぴな発想も加わってきて「こんなことやっていいの?」と戸惑うことも多々あるわけですが、あえてツッコミどころを放り込んでもバカにされないだけの強固な物語なり、世界観なりを詰め込んで、納得させるだけの力が既にあるわけですから、もう何もやっても仮面ライダーブランドは揺るがない。一見カッコいいジオウの顔が「ライダー」の文字で出来ている時に気付かされた時(一瞬で気付くわけですが)、改めてその感慨を抱きました。パロディーの域の遊びですよね。スタッフ側は「つかみはOK」と喜んでいるようですが。
紙面の内容と関係ないところに話が及んでしまいましたが、いくら語っても語り尽くせないのが、平成仮面ライダーの魅力でもあります。紙面でご紹介できたのは、ホンの一部、表層的な部分でしかありませんが、シリーズをあまり知らない人にも楽しく読んでもらえるように書いたつもりです。熱心のファンの方を満足させるには全然足りませんが、とりあえずどでかいジオウの写真だけでも拝んでいただければ幸いです。
【プレゼント】
・「仮面ライダージオウ&ビルド 2019カレンダー」を1人にプレゼントします。応募には紙面掲載のキーワードが必要です。応募はこちら 、または、https://qooker.jp/Q/ja/popstyle/taikai/ をクリックしてください。9月2日(日)午後11時締め切りです(ジオウのスタート日ですね。ジオウを見たら「今日締め切りだっけ!」と思い出してください)。
★ポップスタイルが掲載されているのは、読売新聞夕刊です。一部地域では夕刊自体発行していませんのでご注意ください。
お買い求めは、読売新聞の販売店や駅売店で(コンビニでは置いていないところが多いです)。夕刊は1部50円。