どうも、いごっそうダイエッター、(森ゾー)です。今、高知龍馬空港のロビーでこの文章を書いています。昨日も結局高知市の健康ランドに泊まりました。3連泊です。お遍路の旅もとりあえずきょうまで。昨日のことと、旅全体をふりかえってみます。
5月4日は、もう寺は巡らず高知市内を観光します。まずは定番の高知城へ。あの山内一豊が建てたお城です。ここは国の重要文化財なのですが、「国宝」と彫られた石柱が建っていました。戦中までは国宝だったのに、戦後に重文に格下げされてしまったようです。400円を払って城の中に入ると、大河ドラマ「功名が辻」で仲間由紀恵が着ていたという衣装が飾ってありました。うーん。
さて、これからどうしよう。とりあえず市内中心地をぶらぶらしつつ、路面電車に乗って県立近代美術館に行きます。ここではなぜか「まったく役に立たない機械大集合!明和電機 ナンセンス=マシーンズ展」というのが開かれていました。明和電機とは、現代のからくり師というか、不思議な機械を作っては音楽やら舞台やら何やらのパフォーマンスを行っているアーティストユニットです。てっきり兄弟でやっていたものと思っていましたが、2003年に「社長」だったお兄さんが35歳で定年退職?し、弟の土佐信道さんが副社長から社長に昇格、今はひとりで活動しているようでした。
会場に入ると、たしかにまか不思議な機械がたくさん並んでいます。フォークギターを自動で演奏する装置や、花びらのような形で開いたり閉じたりしながら自動的に叩かれる木琴のような楽器、音楽にシンクロして光る照明機械、リズムに併せて踊る人形、魚がくるくる回るようなライトなどなど。4日は休日だったせいか、土佐信道社長自ら登場して、パフォーマンスを見せてくれました。途中、踊っている人形2体の首がぽーん!という音を立ててロケットのように飛び出すと、子供たちもおおはしゃぎです。
土佐社長が言うナンセンスとは「非常識」ではなく「超常識」のことだそうで、常識を超えたところに創造が生まれるというポリシーを持っているとのこと。不思議な機械群に囲まれながらその説明文を読みますと、いやはや納得するしかありません。
スーベニアショップで何か明和電機関連グッズを買えば社長がサインしてくれるというので、何にしようかなと思います。魚の骨の形をした延長コードが面白そうでしたが、別に複数のソケットがあるわけでもない1・5メートルの延長コードが3800円もするので、それはやめて手ぬぐい600円を買い、サインしてもらいました。
そして、夜は代々の読売新聞高知支局の若手記者がお世話になってきたという小料理屋さんに行きます。私も2年前に出張した時に寄らせてもらって、もう一度行ってみたいと思っていたのです。顔を出し、身分を明かすとものすごく歓待してくれて、絶品のカツオのタタキに加えて、「これ、特別やよ」としいたけをかたくり粉でまぶしたのを揚げて、カツオのタタキ風に薬味を添えて食べる「しいたけのタタキ」を作ってくれました。これがまたうまい!高知の夜は楽しげに更けていきました。泊まりは健康ランドです。朝計った体重よりも1・5キロも増えていましたが、最終日ぐらいは、いいでしょう。それでも出発時より5キロ近くも体重が落ちたのですから。
今回のお遍路の旅も、とても思い出深いものでした。そもそも、私が何でお遍路を始めたのかというと、3年前、松山が故郷で、若くして亡くなった友人の墓参りをした時に、地元の人に「お遍路は歩きながら亡くなった人たちと対話できるんだよ」という言葉に魅せられたのがきっかけです。思えば20代、家族、友人、恩人と、私にとって大事な人たちが何人も彼岸へと旅だって行きました。今回も、自然の中に身を置いて1歩1歩歩く中で、そんな彼らと心の中で会話ができたような、そんな気が、本当にしてくるのです。
今度は夏休み、あるいは秋休み(今年は9月にもゴールデンウイークっぽい連休がありますよね!)に、36番青龍寺から再びお遍路をスタートする予定です。長々と不思議な旅行記におつきあいいただきまして、ありがとうございました。連休明けからはポップスタイルも通常営業ですので、そちらも引き続きご支援・ご愛顧のほどをお願いいたします。おわり。
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