ドイツ人の若者とブロークン・イングリッシュで会話!〜森ゾーお遍路⑦〜

4262  どうも、野宿ダイエッター、(森ゾー)です。今は宍喰という徳島・高知の県境の街で朝から温泉につかってのんびりしております。さて、昨日は色々ありました。ドイツ人の学生さんと話したり、野宿先で6年間も家に帰っていないというお遍路さんと会ったり・・・。順を追ってお話ししましょう。

 昨日(4月26日)は、朝4時に起きて、キャノーラ君をひと口飲み、5時には22番の平等寺の前を出発しました。前日とは打って変わって素晴らしく晴れ渡っています。田んぼでカエルが大合唱しているのを聞きながらてくてくと5時間ほど歩いて、午前10時に23番薬王寺に到着。本道まで、1段がすねぐらいまである険しい石段に顔が曇ります。でも、昇った後の景色は海が見えてきれいでした。4261

 そこから延々と歩きます。特に左脚のすねがものすごく痛みます。ただ、これだけ長い距離を歩けば脚が痛いのは当たり前のことで、要はこの痛みをどう飼いならしていくか、です。なかやまきんに君のように、筋肉に「オイ、いけるのかい、どーなんだい!」と尋ねるような感覚です。痛みをやりすごしながら歩く方法というのも、おのずと分かってきます。

 国道55号を歩いていると、外国の若者2人がさっそうと私を追い抜いて行きます。前日に見た外国のお遍路さんのようです。ぐんぐん離されたので、「さすが早いなー」と思いながら後ろを歩いていると、その2人が私を待っていて「キャンユースピークイングリッシュ?」と聞いてきました。うわあ。とりあえず「アリルビット」と答えると、(以下日本語に翻訳)「この看板はこっちに行くと風呂がある、という看板なのか?」というので「そうだ。でもあと2キロある」と答えると「サンキュー。もう一つ質問していいか?きょうあなたはどこに泊まる?」「たぶん、鉄道の無人駅だ」「そうか、ありがとう」と言って、2人はまた先を歩いていきました。

 それから2時間ぐらい歩くと、お遍路の休憩所にまたその2人がいました。「ちょっとここで休んでいかないか?」と手招きしています。ちょうどそこはテント風の屋根があるところで、「僕たちはここに泊まる。君も一緒にどうだ?」と誘ってくれます。私はもう少し先に行きたかったので、「ありがとう。でももっと先に行くよ」と言い、せっかくだから少し話しをすることにしました。ドイツ人ですがなかなかの英語を使う2人に比べて、私はブロークン・イングリッシュ。でも、「ブロークン・イングリッシュ・イズ・ジ・インターナショナルランゲージ」とカヌーイストの野田知佑さんも言っていました。

 彼らはドイツから来た学生で、モリッツさん(24)とクリストフさん(27)。3か月の休暇で、日本人の友達にすすめられて四国お遍路に来たそうです。特にクリストフさんは日本の文学が大好きといい、「ハルキ・ムラカミは素晴らしい。ドイツでもすごく有名な作家だ。『ノルウェイの森』がいいね。あとミシマやカワバタも知っている」。さらに「日本の映画も大好きだ。クロサワ、あとキタノも。あと、キタノの『たけし城』はすごく面白い」。たぶん、「風雲!たけし城」のことでしょうか。

 モリッツさんは「ドイツ人といえばビールさ。東京にも行ったけど、東京のビールはとてもとても高いね。四国は物価が安くていいね」。

 2人とも、テントを持ち歩いていて、基本は野宿。昨日は無人駅で泊まっていたら警察が来て、色々きかれたとのこと。でも「ユーキャンスリープヒア、バット、ドントスモーク」と言われただけで済んだそうです。「そうか、警察がやってきたのか。もしや君たちは裸で寝ていたんじゃないか?」「いや、服を着ていたよ。・・・何でそんなこときくんだ?」。このタイムリーなジョークは彼らにはまったく通じなかったようです・・・・。

 「お遍路は楽しいか」と尋ねると「スポーツでもあり、自然を楽しめるし、日本の文化も味わえる。最高だよ」と言っていました。私は「四国の人たちはとりわけお遍路に親切だから、ぜひ旅を楽しんで」と言っておきました。インターネットに写真を載せる了解を取り、「またテンプル・トゥエンティーフォー(24番最御崎寺)で会おう」と言い交わして、別れました。

 そこからまた歩いて歩いて、野宿スポットの海部駅バス停についたのは、午後8時。ここで、「歩き遍路を今40周していて、6年間家に帰っていない」というお遍路の達人と同宿することになります。長くなったので、また次回に。

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