Pop Styleブログ

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 本日の夕刊・popstyleは、夏にぴったり。6日公開の映画「キネマの神様」(山田洋次監督)に出演し、主題歌も務める『野田洋次郎さん』が、ドーーン!!と登場しました。夏の紙面にふさわしく、涼しげなお写真です。

(その隣の記事は、幽霊画のお話なので、さらにゾクッと涼感が味わえます)

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★★今週は、取材
こぼれ話を3回に分けてお届け!★★

※一番下の「続きを読む」をクリック!

お腹いっぱい楽しめる週となっております。

①【今日・このブログにて】=野田洋次郎さん・こぼれ話。

②【今日・夕方午後5時15分】

=ヒロアカ 岡本信彦さん・こぼれ話。

③【明日】5日・金曜午後5時15分

=「幽霊と三遊亭円朝」全生庵・平井住職と金原亭馬治さん

【それでは、今週のお品書きです】

▼ALL ABOUT「キネマの神様」に出演 RADWIMPS・野田洋次郎

▼民ゾクッ学「幽霊画 三遊亭円朝 全生庵」

▼辛酸なめ子のじわじわ時事ワード「ゴン攻め」

▼イマ推しっ!「ヒロアカ 岡本信彦さん」

▼田村芽実「ひめごと」

▼霜田あゆ美「箸の日」

【★★プレゼント★★】

映画の原作者・原田マハさんが映画脚本を基に再小説化した「キネマの神様」のディレクターズ・カット版を1人にプレゼントします。4日夕刊の「popstyle」紙面に掲載したキーワードが必要です。応募はこちら 、または、https://form.qooker.jp/Q/ja/popstyle/taikai/ をクリックしてください。8月8日(日)午後11時締め切り。発表は発送をもって代えさせていただきます。

野田洋次郎さんこぼれ話は、インタビュー内容をほぼノーカット版でお届け。

野田さんの歌詞のような、言葉遣い、息づかいを文面から感じ取って頂ければ幸いです。

Q)キャスト、そして主題歌の担当が決まるまでの経緯と、その気持ち

 一昨年の後半だったと思うんですけど。撮影期間・時期が3月4月という話で、初めてのドームツアーが予定されていて、できないと、厳しいんじゃないかという話だったんですけど、やっぱり山田監督の作品にはどうしても出てみたいというか。出ないという判断をしたら、いつか絶対後悔する気がどしてもして。あとやっぱり、台本を読ませて頂いて、すごくこう、面白かった。この山田さんの作品に自分も存在していたいと。なんとかこじあけてというか、ライブはライブで週末やって、平日は(練習する)ということでスタッフさんとやりとりして頂いて、まあ結果的にコロナでツアーは延期になってしまったんですが、なおさら本当に良かったです。

Q)山田監督作品へのイメージは

 やっぱり「男はつらいよ」シリーズはたくさんみてますし。まあでもやっぱり本当に人間が好きなんだなあというか、人間を描くこと、人間が生きていく人生の機微というか。その本当、人間に対する愛しさみたいなもの。ばかばかしさもそうだし。監督だけの視点で描かれていると思うし、あとは、やっぱり映画っていうもののエンターテイメント性。絶対に見た人を楽しませるっていう覚悟みたいなものは、なんか作品から感じていましたし、現場を経験するとよりそう感じるというか。圧倒的な監督だなという感じですね。

Q)役作りについて。役どころをどうとらえて演技したか。

 僕自身が考えてどうこうしたというよりは、撮影前に本読みがあったりだとか、撮影の前に一度、小林稔侍さんと、監督と、プロデューサーの房さんと食事に行かせてもらったりだとか、そういうなかでたくさん言葉を尽くして下さったんですよね。ヒントとなるものを。テラシンってこういう人なんじゃないかなあ。当時の映写技師の存在だとか。撮影所の映写技師っていうのは、その日に上がったラッシュを絶対見て、撮影所で取られた映画を全てを見ている。誰よりも映画に詳しいんだよとか。あとは、テラシンという人の人間性。おおらかだけじゃない部分。テラシンはまっすぐで、女の人にはきっと目なんてみて話せないんじゃないかな。こんなところをみてしゃべるんじゃないかなとか。

 撮影中の一つのシーン一つのシーン、本当にヒントとなることをたくさん下さるので、自分で頭のなかで、こうしようと作っていた物は特にあまりなくて、そういう監督の言葉を全て受け取って、ちゃんと自分のなかに蓄積していくと。その言葉を意識するというなかでテラシンが出来あがっていったのかなと思います。

Q)主題歌、どのようなインスピレーションを受けて曲作りされたか

 あ~そうですね~。主題歌は本当に、撮影の途中途中でふと浮かぶ言葉やイメージみたいなものがあったんですよ。浮かんでいたんで、それを台本の隅っこにメモしたりとかして、漠然とやっぱり歌を作りたいなという思いがあったし。あと途中で、撮影がコロナで止まってしまって、志村さんが亡くなられて、撮影の間にもう、信じられないことがたくさん起こっていて、映画が完成できるかもわからないなか、ボクなりにどうしても残しておきたい思いがありましたし。で、ある程度弾き語りだけができたときに、プロデューサーの房さんに渡して、「お礼の意味も込めて、監督に渡して頂けますか?」という話をして頂いて、その後くらいかな、主題歌を使わせて頂けませんかという話しになったのは。

Q)俳優として演じることと、音楽家として人前で歌うこと。表現として共通点や違いはあるか

 ボクの中ではあまり共通点というのはないというか。うん、だからなんか、自分のなかでは、切り替わって面白いなという感じ。音楽は、結構孤独なものなので、スタジオという限られたなかで、自分の頭だったり技術だったり、自分の内側をすごく使って。感情だったりとか。本当に個人的な作業。

 映画は、自分がひとつの駒になって、監督という大きな人のその乗組員というか。たくさんの初めましての人もいて、チームワークも、おなじように感情をつかってするものだとは思うんですけど。

 だから、面白いですね。すごくパーソナルな音楽と、すごく社会性のあるというか、映画というものをいったりきたりして、より面白いな。音楽の現場に入ってくるとその自分が一番落ち着くなと思いますけど。色々な人のインスピレーションでその場での人間同士のアイデアの交換だったりで生まれる奇跡みたいなのはすごくこう、映画の現場の面白いことだなって。

Q)映画を通じて伝えたい、伝わると良いなと思うこと

 そうですね。うーーん。全て映画に描かれていますけど、そうですね。きっと、本当に去年、今年と、全ての人たちがコロナを経験してますし。日常というモノが本当に、変化せざるを得なくなったなかで、この映画自身も本当に多くの困難を経験して、普通だったら立ち上がれないくらいの痛手を負ってきたと思うんですね。主演の、この映画が動き出したきっかけとなる志村さんが亡くなったりとか。で、撮影もちょうど、ど真ん中の、過去が終わったところでストップして。本当に房さん(プロデューサー)とか、苦労というか、大丈夫かな精神的にと思うくらい追い込まれたし、セットを何日もキープすることが物理的に不可能だったりとか、この映画を本当に終わらせてしまうのだろうかという本当にぎりぎりとところで、数日間、数週間を経験したと思うし、そこで、沢田研二さんが名乗りを上げてくれて、引き受けてくださって、また、そこから台本も変わって、それってだから、本当にたくさんの傷を背中に負いながらも、どんなことがあっても前へ前へ。映画が完成したということが、一つの見る人の勇気になるんじゃないかと思うし。きっと自分たちの人生も重ねて下さるんじゃないかと思います。背中を押してくれるものが、映画のなかにいっぱいつまっていると思います

Q)「キネマの神様」の制作同様、コロナ禍のなかメジャーデビュー15周年という節目を迎えたと思います。思うように行かない部分も多々あったと思います。改めて、コロナ禍を経て、音楽への考え方やその示し方に変化はありましたか?

 なんか大きく、音楽というものは作品だなと思うし、アートだなと思いますし。そういう意味では、探求するべきひとつの学問のような感覚もあったりとか、ひとつの分野として本当に深く探求するべきものであることは、変わらないんですね。それは一つの側面として。常に勉強していますし、コードだったりリズムだったり、まだ知らないリズムだったり和音だったり、そういうものをどんどんどんどんまだまだ深く知っていきたいというか。自分で築いていきたいというのはありますし。

 ただ、一方で、何よりも身近で。近い、娯楽な気もしますし。5分で全く違う気持ちにさせてくれる。そういう意味ではすごく希有な娯楽な気もしますし、そういう意味では今この瞬間を生きている人たちに何を届けたいというか。この瞬間(ネットを通じて、)時代的な、コロナだったり困難があったなら誰よりも寄り添いたいと思うし。

 ただ、今だけにとどまる音楽でもだめなきがするし、ただただ学ぶだけの学問でもいけないし、両方をやっていくことで普遍的な音楽になればいいと思いますし結果的に。だから今の時代の人々に届く音楽を作り続けたいですね。

(コロナ禍を通じてその思いを強くしたと)

 強くなりましたね。やっぱりどこかでもうちょっと聞く人を置き去りにと言うか、作ってきた気もするのでボクは。やっぱり、今を生きる人にちゃんと感情を呼び覚ましたりとか、新たな感情だったりとか、そういうところを(大事にするというか)、それが一番気づけたこと。

Q)音楽家としての長所と短所

 そうですね~、長所は凝り性というか。音楽好きなので、趣味としても。いつまででもやってられるし、いつまでもやってるし、新しい楽器だったり理論だったり機材だったり、どんどんアップデートされて、技術も日々進化していくので、その探究は一生やめないんだろうなあという気がします。デビューしてギターだけでは限界が来てピアノを弾き始めたりだとか、オーケストラをつけたりとか、やってけばやってくだけおもしろいし、新たな発見がある。それはたぶん一生、やってくんじゃないかなという気がしています。

 短所は、そうですね。そんなにボクは自分の声に魅力を感じていないんです。シンガーとして平凡だなといまだに思います。あと、興味が色々な楽器に向いているので、一つの楽器に対してたぐいまれな才能を発揮することはないという感じですかね。全ての楽器をある程度やるんですけど。ギターもドラムもベースも。マリンバとかも。

 自分はプレーヤーである以上にコンポーザーだったりとか作曲家なんだという気がしています。

(声というのは昔から)

そうですね。コンプレックスでしたね。まあ、歌は好きだったんですけど、自分が歌う必要があるのかなとはずっと思っていましたね。でも周りで「良い声だよ」と言われるようになって、本当に徐々に少しずつというか。最近はあと、年のせいか、やっと割り切り始めたというか、それだけ良いと言ってくれる人がいるんだったら、あと、一生この声と付き合っていくしかないことは明白なので、変えられるわけではないので、じゃあ自分なりにやっていくしかないなと。

Q)野田さんにとって、音楽とはどういう存在か

 一生飽きることのない、趣味で有り、芸術で有り、学問であり、そうですね。ボクは飽き性なので、なんでも飽きちゃうんですけど、全く飽きることがないですね。知らないまだまだ触れていない音楽の海があるし。どれだけの広さなのか知りたいし。あと、自分から生み出される先の音楽が聞いてみたい。自分で自分を驚かせたいですし。その上で聞く人も驚かせたい。人の人生を豊かにする音楽を作りたいですね。

 (飽き性。一つ具体例を挙げるとすれば)

 何でも器用にこなすんですが、トランペットはほぼ1年経たずに諦めて、あとタップダンスも3週間のめり込んだですけど、全然やらなくなりました。

Q)今後の目標

 まだしたことのない何か。経験したことのない何か。何か物作りのなかで。自分の人生の中でそういう転機が何回もあって、それが自分の励みになって創作が加速していった気がしますし。それは音楽を始めてから、初めて役者をやるタイミングだったりとか、初めて劇伴作家をやって、映画のサントラを全部自分で作ってみたりとか、そうですね。そういう一個一個のなんか、未知との遭遇というか。今回の山田組もそうですし。それが自分を豊かにしてくれて、違う分野でボクを加速させてくれる気がするので。そうですね。定期的に未知と出会いたいというか、新たな分野に出会えればなと思います。

Q)向上心、探究心が改めて強いと思った。その性格のルーツは

 やっぱり同じ事をし続けられないので。よくバンドでは変わっちまったなあ。とか言われるバンドと、でもいざ変わり続けたら変わり続けたで、昔の方がよかったって言われたりとか、音楽をやり続ける人の宿命だと思うんですけど。ボクは間違いなく変わり続けることを選んでるし。同じ事をやっていると本当に飽きてしまうと言うか。あのときのあの感じが良かったといわれたら、あのときの曲を聴いて下さい。と思いますし。ボクはやっぱり音楽が好きだから、そこはウソがつけない。あきないために学び続けるし、新しい動きを探し続けるし、やっぱり劇反作家も一回ならできると思うんですよね。今、その手に持ってる自分のアイデアだったら。だけど、2作3作とか。あとはオリジナルアルバムも10枚目くらいですが、10枚つくるとかいう話になると、自分が得意とする手駒だけではどうしてもそこは焼き直しだったり、焼き増しになるところがある。本当は新しく一つの作品を世の中に提示するんだったら新しくあるべきだし、新しい自分を装備して挑むべきだと思います。その努力は続けるべきだと思います。

Q)「キネマの神様」ということもあり、ご自身にとって人生に影響を与えた1作と、その理由を教えて下さい

その時々でベストムービーは色々とあるんですが。人生のオールベストでいけば「バックトゥーザフューチャー」ですね。あれほど3つとも面白い作品はなかなかない。邦画も大好きですし。

映画の全てが詰まっているような感じがするんですよね。思いつきとアイデアで動いたこともあるだろうし、でもすごく緻密に計算されて作られている部分と、その2つのバランスとか、その役者たちの生き生きとした、誰も無駄なキャラクターがいなくて、全てのキャラクターが生き生きとしていて、主演のマーティンの格好良さとか、あのヒーロー感。バカなんだけど。その後のヒーロー像に大きな影響を与えているだろうなあと思いますし。

1985年はボクが生まれた年で、そこも縁を感じていますし。小学校か幼稚園かボクがアメリカにいる間に見た気がするんですよね。字幕なくてもゲラゲラ笑いながらみていたので、それだけ面白かったんじゃないかな。

 

Q)ハマッているものについて(写真は後日マネージャーさんから)

え~ハマッテイルモノか~。ハマッテイルモノハマッテイルモノ。(なくてはならないものでもいいですし。音楽作りの時はこれを絶対持って行きます見たいな)えー普通なものしか持って行かないんですよ笑。本当に音楽以外でおもしろみもなにもない人生なんで笑。えーなんですかね~。

焼酎の「●●●(某有名麦焼酎)」ですかね。一日スタジオ終わって、帰って。その日にできあがった音源を聞きながら飲む●●●のソーダ割は世界で一番うまいですね。

Q)映画内でギターを弾くシーンは、台本になくて、山田監督が現場での発案をしたそうですが。

 1週間半前くらいに軽くお伺いを頂いて、丁寧に。アーティストとしてのボクを尊重して頂いて、本当はレコードをかけながら、ごうとテラシンが話すという場面にしようかと思っていたんだけど、テラシン、君さえよければ彼がギターを弾いているっていうのはどうかねと。トライするのは全く問題ないです。という話をして、曲をどうしようかという話から、あの曲に落ち着くまで時間がかかって、4日前くらいに決まって。そっから、本当に難しい曲でして、クラシックの名曲で、そこで結構な練習を撮影後に家にかえってして、プロってみんな思っているので、弾けて当たり前だろって思われていると思うんですけど、本当にしんどくて、ユーチューブをひたすらみながら、うまいひとのやつ。運指をみててって、でなんとか形にはなって。(ギターもお父様のモノ?)そうなんですよね。時代的にも近いだろうと思って、当時のギターだったので。あれはボクが初めてギターを弾き始めたときのギターなんですけど小6で。なかなかそういう意味でも思い入れのある映画になりました。一緒に出演させてもらって。

 

 

 

 

 

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 読売新聞の水曜夕刊に掲載されている新感覚カルチャー面。旬の人のインタビューコーナー「ALL ABOUT」を中心に、若きタカラジェンヌの素顔に迫る「タカラヅカ 新たなる100年へ」、コラムニスト・辛酸なめ子さんの「じわじわ時事ワード」といった人気連載に加え、2016年4月から、ポルノグラフィティのギタリストのエッセー「新藤晴一のMake it Rock!」、次世代韓流スターのインタビューコーナー「シムクン♥韓流」がスタート。オールカラー&大胆なレイアウトで紹介する2面にわたる企画ページです。

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