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 「舞台『仮面ライダー斬月』 鎧武外伝―」が9日に開幕した。平成仮面ライダーシリーズ初の演劇作品として、大きな注目を集める舞台、報道陣に公開されたゲネプロを取材した。

 

 「斬月」とは、2013年10月から約1年間にわたりテレビ放送された「仮面ライダー鎧武/ガイム」に登場するキャラクター。メロンをモチーフとした“白いアーマードライダー”で、巨大企業「ユグドラシル・コーポレーション」研究部門のリーダー、呉島高虎(くれしま・たかとら)が変身する。

 舞台版の主役を務めるのは、テレビ版で呉島高虎を演じた、久保田悠来。現在は映像を主軸に活動しているが、元々はミュージカル「テニスの王子様」、舞台「戦国BASARA」で役者のイロハを学んできた。自分が育った板の上での久保田は実に生き生きと躍動、得意のアクションを存分に披露し、随所に見せ場があった。D70_1135


 

昨年12月、「舞台『仮面ライダー斬月』 -鎧武外伝-」の発表があった時、ファンからは大きな反響があった。オリジナルビデオや小説などで数々のスピンオフ作品が制作されている「鎧武」だけに反応

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の大きさはもっともだが、舞台化は本当に可能だろうか、という思いを持ったファンも少なくないだろう。しかも事前に公開されたビジュアルは、呉島ひとりが、または呉島を中心に若者達が暗い地下のような場所でたたずむもの。これでは、仮面ライダーすら登場するのか分からない。また、久保田以外にはテレビ放送本編に出演した役者の名前はないため、本編とは全く異なるストーリー展開になるのではと、記者も思っていた。

 

 しかし、その予想はいい意味で大きく裏切られた。冒頭から激しく生々しいアクションが展開するうえ、仮面ライダーも惜しげもなく登場する。あっという間に、仮面ライダーの世界に引き込まれてしまう。

 

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 舞台となるのは、貧困と紛争で衰退の一途をたどるトルキア共和国。ここで最も危険な場所といわれる「アンダーグラウンドシティ」では、多くの少年、青年が生き残るための殺し合いが行われていた。トルキアはかつて、「ユグドラシル・コーポレーション」によるプロジェクト・アークの実験場となっていた。呉島貴虎は、すでに役目を終えたはずのその地で異変が起きているとの情報を得て、約8年ぶりに足を踏み入れるが、予期せぬ襲撃を受け、巨大な穴の底に広がるアンダーグラウンドシティに落下してしまう。

 

 呉島が、アンダーグラウンドシティで目撃したのは、『オレンジ・ライド』、『バロック・レッド』などといったチームに分かれて争っている若者たち。テレビ放送のストーリーをご存じの人は似たような状況を想起するだろうが、少々違う。テレビでは若者たちが、ダンスバトルによるステージの分捕り合戦、さらには「インベスゲーム」と呼ばれるバトルごっこに興じていたわけだが、トルキア国では生き残りをかけた凄惨な殺し合いが行われていたのだ。だが、そろいのユニフォームを身に着けチームを組む様子は、テレビ放送を思い出させる。また、格闘シーンには一糸乱れぬダンスパフォーマンスも織り交ぜる。これは舞台ならではの演出であるとともに、ダンスが一つのテーマであったテレビ放送ともシンクロするもので興味深かった。さらには、“おねえキャラ”の傭兵という、どこかで見たようなキャラクターも登場。トルキアという全く別世界でのストーリーで、キャストもなじみがなかったはずなのに、これは疑うべくもない「鎧武」の世界が広がっていた。

 

 そして、やはりテレビ放送と同様に、チームのリーダー格の人間は変身アイテムであるロックシードと戦極ドライバーをも持っていて、アーマードライダーに変身するのだ。バロン、グリドン、そして鎧武・・・。おなじみのライダーたちが金属音を鳴らしながら目の前で激突する様子は壮観だ。

 

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 さらに、驚異的なパワーを誇る、白いアーマードライダーも登場。本来なら貴虎が変身するライダーが、貴虎の目の前で他のライダーを寄せ付けない実力を見せつける。地下世界に落ちたことで、自分の名前すら思い出せなくなった貴虎は、そのアーマードライダーが「斬月」であることを思い出す。貴虎はアイムたちに協力を仰ぎ、失った記憶を取り戻す手掛かりである斬月をおびき出す計画を立てる。しかし、その頃、貴虎に復讐を遂げようとする人物が、監視カメラで彼の様子をうかがっていた・・・。

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 この先のストーリーはぜひ、その目で確かめてほしい。テレビシリーズのファンは必見。そして、仮面ライダーの舞台化という新たな試みは、初めてにもかかわらず、既に今後の継続もできるクオリティーに仕上がったといえることが分かるはず。平成最後の記念碑的な作品をぜひ目撃してほしい。

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【ゲネプロ前に行われた記者会見の一問一答】

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Q.皆さんから一言ずつ

 久保田悠来(呉島貴虎役)=左から3人目=

「今回初めてライダーシリーズの演劇化ということで、平成最後のお祭りといいますか、ライダーの締めくくりとして演劇ができるということを大変うれしく思っております。ぜひ歴史的瞬間を目の当たりにしていただきたいなと思います。よろしくお願いします」

 萩谷慧悟(はぎや・けいご、チーム『オレンジ・ライド』、アイム役)=右端=

「平成仮面ライダーはずっと幼少期の頃見ていまして、おもちゃのベルトを買って変身ポーズをしていたんですけど、まさかまさかお仕事としてやらさせていただけるとは思ってなかった。本当にフレッシュな気持ちで頑張るぞっていう感じですね。頑張ります」

 丘山晴己(きやま・はるき、鎮宮雅仁=しずみや・まさひと=役)=左から2人目=

「また新しい仮面ライダーになるのではないかなと思います。これを演劇化するとい・・・毛利さんの力もあって、とても革命的なものになったのではないかなと思ってます。皆さん楽しんでいただけるように僕たち精いっぱい頑張りますので、よろしくお願いします」

 毛利亘宏(もうり・のぶひろ、脚本・演出)=左端=

「『仮面ライダー鎧武/ガイム』という作品は、テレビシリーズも脚本家として参加しておりまして、それをホームグラウンドというか、元々やっていた演劇というフィールドで作品に取り組むことがすごく光栄に思っております。いま出来上がったものを見ていまして、映像やキャラクター、仮面ライダーとか、色んな要素が演劇に積み込まれていまして、誰も見たことがないような作品に仕上がっています。ぜひともご期待くださいませ。よろしくお願いします」

 

Q.アクションにおける映像との違いは?

 久保田「やっぱり、テレビの撮影ですと色々と角度を変えて撮ったりするんですけど、今回やっぱり『カメラを止めるな!』ということで(会場笑い)、ずっとアクションを続けていかなければならないんで、やはり緊張感もありますし、それぞれの新しい熱量も出るんじゃないかなと思っております」

 毛利「アクションはやっぱり今回売りだとは思いますので、できる限り、ライブならではの生々しいアクションみたいなものをこだわって作っていった感じですね。迫力が生で伝わるということに楽しんでいただければなと思っております」

 

Q.毛利さんが思う、それぞれの役者の魅力は?

 毛利「久保田君に関してはもう、貴虎が目の前にいるっていうか。全編貴虎をご堪能くださいっていう。ぶれない、どっしりとした座長というか、すごく頼もしい座長ですね。慧悟に関しては、キラッキラしていていいですね。本編とこの舞台版の斬月をつなぐ重要なキャラクターであるので、本読みの段階から、あ、この子で良かった、この子でいけるという確信がありました。すごくすてきな役者です。丘山君は初めて会うタイプの役者で、すごくアプローチが面白いというか、貴虎と対をなす大事な役なんですけど、すごくミステリアスかつ、深みのある芝居をしていただいています」

 

Q.萩谷さんの思いは?

 萩谷「先ほども言いました通り、仮面ライダーはちっちゃい頃から見て憧れていたものなので、それに出させていただいたのは本当に光栄でありまして、自分の今後の活動にしても幅をどんどん広げていきたく思っていまして、色々なことを吸収して、ちょっとずつ自分のできることを増やしていって、偉大な存在になれたらいいなとおもっています。久保田さんにも色々ご相談したりしています」

 久保田「僕も彼でよかったと思っています」

 

 ⓒ石森プロ・東映 ⓒ舞台『仮面ライダー斬月』製作委員会

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 読売新聞の水曜夕刊に掲載されている新感覚カルチャー面。旬の人のインタビューコーナー「ALL ABOUT」を中心に、若きタカラジェンヌの素顔に迫る「タカラヅカ 新たなる100年へ」、コラムニスト・辛酸なめ子さんの「じわじわ時事ワード」といった人気連載に加え、2016年4月から、ポルノグラフィティのギタリストのエッセー「新藤晴一のMake it Rock!」、次世代韓流スターのインタビューコーナー「シムクン♥韓流」がスタート。オールカラー&大胆なレイアウトで紹介する2面にわたる企画ページです。

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