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お待たせしました。崎山つばささんの取材後記後編をお届けします。そうそう、プレゼント応募がものすごい数が届いているようです。本当にありがとうございます。サキヤマニアさんたちの熱い思いを実感します。今回、いいタイミングで特集させてもらって本当に良かったと思っています。本日23時〆切りです。

さて、崎山さんのインタビュー中、何度も「おおっ」と声を上げてしまう瞬間がありました。崎山さんの人生って、「腑に落ちる」んですよ。生まれ育った環境や経験全てが今につながっている、というのかな。どういうことかと言うと・・・。

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例えば、ミュージカル『刀剣乱舞』についての苦労を尋ねると、「殺陣やアクション、演技、歌もあって、難しさに壁にぶつかる」と言いながらも、「だけど、それすらも楽しんじゃおうという性格。やらないとムズムズするんです」と。「なるほど、小学校の時と一緒ですね」と、思わずうなずいてしまいました。実は、その前段で生い立ちについて、「小学校からやっていた野球では、もともとはレギュラーじゃなかったけど、素振りなど基礎を重ねた。その時、努力で越えられない壁はない、と分かった」と語っていたんですね。

しかも、ポジションはショートで、当時からずっと憧れていたプロ野球選手は、松井稼頭夫選手。走攻守、全てに優れたマルチプレーヤーです。「両打ちできる。器用な人に憧れていました」。なるほど、舞台も歌も映画も作詞もと、多方面に挑戦を続ける今の崎山さんに、やっぱり通じているじゃないですか。

 

また、「和」に対する思いを問うと、「自然と柔らかい気持ちになれる。和風なメロディー、和風なものに関わると穏やかな気持ちになる。代々木八幡宮や明治神宮などの神社は、気持ちをリセットできる空間で、とても好き」と語っていました。昨年は、神社検定3級を取得したそうで、「神社の歴史や、祭られている主祭神は何かといった問題が出るんです。石切丸も神社の御神刀なので、勉強しましたね」とも。

その後、名前について尋ねたら、「『つばさ』は本名だし、平仮名なんです。ひらがななのは、日本人だから。柔らかい子に育ってほしいと」と、ご両親が名前に込めた思いを明かしてくれました。へえ~!これも、そのままじゃないですか。「名前に関して、あまり意識したことはないです」と語っていましたが、ご両親が「つばさ」という名前に託した願いが自然と成就したということなんでしょう。また、家族仲良く、愛情ある家庭で育ったんだなということがうかがえますよね。

 

ご両親に対する思いは、お父さんが若かりし頃に作詞作曲した歌を、自分のアルバムに収録したということでも伝わってきますよね。同じ父親の立場として、これはグッときます。何という親孝行な!(感涙)

 

その経緯はと言うと、「ファーストアルバムで面白いことをしたいな、特別なものにしたいな」と思っていたところに、ご実家に帰っているとき、お母さんが車で12曲入りのCDを流してくれたそうなんです。お父さんがちょうど、今の崎山さんと同じ20代後半の頃の録音。仕事をしながらアマチュアバンドとして収録したオリジナル曲集で、ボーカルであり作詞作曲したものだったそう。それにしても、これをアルバムに入れたいという思いに応える制作スタッフの崎山さんへの愛情もすごいことですよね。

 

ちなみに、25日のZeppライブにはご両親が2階席に来ていたそうなのですが、ツイッターでファンの方の気になる書き込みがあったので、ご本人に真相を直撃してみました。最後の決め言葉「センキュー!」(アルバムの歌詞カードとしてはFENK YOU!なのかな)を、2階席のお父さんに向けて投げてたという目撃談があったのです。その答えは・・・?。「あはは!それはやっていないんですけど、ファンの方がいいように解釈してくれたのかもしれませんね。両親のために歌ったので自然にそうなったのかもしれません。2階席に来ていることは分かってたんですけど、どこにいるかは分からなかったので」と明かしてくれました。

でも、お父さんは息子の雄姿と愛情に興奮していたようですよ。

「お父さん本当に喜んで終わった後に楽屋に来て、すごいテンション上がっていて、『センキュー』って言って帰りました(笑)」 

本当に素敵な親子関係です。

 

さて、歌の話の流れで、崎山さんの作詞曲についてのエピソードを披露して、このブログを締めたいと思います。まずは、「Re―Quest」。これ、記者は最初、映画「クロガラス」の主題歌とは知らずに聴いて、普段の崎山さんのイメージからかけ離れた歌詞(欲望 執着 孤独 そして嫉妬心 また心が錆びついていく)に、「実はこんなすさんだ気持ちを持った人なのか・・・」と会うのが不安になってしまいました(笑)。

そんなことをインタビューで打ち明けたら、「何があったかと思いますよね」と笑ってくれました。もちろん実際は「(自身が演じた主人公)黒斗を演じているときに感じていたことで歌詞を書きました」ということなのですが・・・。「ブログを普段やっているので、自分の気持ちを言葉にするのは触れてきているのですが、歌詞となるとまた違うなと」と語っていましたが、なかなか達者なものですよね。目に浮かぶ情景が描かれているし、「屍をつつく 黒い羽根の群れ」「ゴミ捨て場の中の宝石を」などと、「カラス」という言葉を使わずにカラスを想起させるところがオシャレです。

 「エンドロールに流れるので、映像を見た人が、歌詞が耳に入って楽しめるようなものにしたいな」という思いに加え、映画の「エピソード1」は1番の歌詞に、「2」は2番の歌詞に反映されているそうです。「想像力を駆り立てられるかな」。歌を事前に聴いて、物語を想像できるように出来ているんです。何重にも技巧を張り巡らせた曲なんですね。

 

「Re―Quest」が黒い曲ならば、もう一つの作詞曲「スノーギフト」は好対照をなす白い曲、ですよね。今の季節にピッタリです。「先にメロディーが来ていて、重めのナンバーなので、じゃあ歌詞も重くしようと。この季節に出るので、さみしくなる、でも前を向けるという歌詞が書きたくて」という1曲は、崎山さんのファンへの思いもにじんでいるのです。「離れてほしくない 自分だけを 見ていてほしい その瞳で」という歌詞などがそうなのでしょうか。

 

「色々な俳優さんがいる中で、僕を選んでくれて、それってすごく貴重だし、大切にしたいなって思って。でも、すごく自由に応援してくれたらいいなと思うんです。心の中ではもちろんずっと応援してほしいなという思いもあるんですけど。人を愛する色々な思いがある中で、歌詞の中ではそういう思いもスパイスとしてあればと思って書きました」

 

崎山さんは決して「オレについてこい!」というタイプではないですよね。「僕で良かったら・・・」という感じで優しく引きつけるのが彼独特の姿勢で、そしてまた魅力なのかもしれません。こういう人柄にほだされているのは、ファンのみならず周りのスタッフの皆さんも同様のようですよ。そして、取材させてもらったものも?・・・。いやいや、お恥ずかしいですが。でも、本当に自然で真面目で温かい崎山さんが、今後エンターテインメント界でどうなっていくのか楽しみで仕方ありませんね。「癒やしの刃」はこれからも次々に周囲を、そして日本中を、なで斬りにしていってしまうのかもしれません。

 

 

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 読売新聞の水曜夕刊に掲載されている新感覚カルチャー面。旬の人のインタビューコーナー「ALL ABOUT」を中心に、若きタカラジェンヌの素顔に迫る「タカラヅカ 新たなる100年へ」、コラムニスト・辛酸なめ子さんの「じわじわ時事ワード」といった人気連載に加え、2016年4月から、ポルノグラフィティのギタリストのエッセー「新藤晴一のMake it Rock!」、次世代韓流スターのインタビューコーナー「シムクン♥韓流」がスタート。オールカラー&大胆なレイアウトで紹介する2面にわたる企画ページです。

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