Pop Styleブログ

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 堂本光一さんと井上芳雄さんが初共演する夢のミュージカル「ナイツ・テイル 騎士物語」が7月27日、帝国劇場で初日を迎えました。

読売新聞水曜夕刊の新感覚カルチャー面popstyleでは、6月13日の紙面で二人のインタビューを中心に特集し、このpopstyleブログでも紙面に載せきれなかった話題を書かせていただきました。もちろん開幕後も紙面とブログ、ツイッターなどを通じて、しっかりお伝えしていきます。公演の内容については、後ほど紙面でたくさんの写真とともにご紹介するとして、ひとまずこのサイトでは28日に開かれた主要キャスト7人による記者会見をご紹介しましょう。もともと仲の良さが知られていた光一さん、芳雄さんの関係はさらに強固になったことがうかがえ、さらにカンパニー全体の充実感もひしひしと伝わってくる会見でした。

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――まずは昨日、初日を終えた感想は?

 

堂本光一さん「そうですね、2ヶ月という稽古をして、本当にゼロから作り出していくことを、ジョンを筆頭にみんなでやってきて、それが、お客様が入ってやっと完成したという感覚があって、昨日は初日でありながら、みんなすごい達成感を感じていたような、そんな初日だったと思います」

 

井上芳雄さん「世界初演ということで、最初は影も形もないところから作り上げた作品だったので、もちろん苦労もあったんですけど、でも昨日幕開け初めてお客様と一緒にこの作品を世に出すことができて、すごい幸せだったですね。うれしというか。あとはやってることはとても楽しいので、何だかすごい幸福感にね(「うーん」としみじみと相槌を打つ光一さん)・・・溢れてもう、萌音ちゃんが感激で泣き(一同笑)・・・」

光一さん「ステージ上で泣かなかったのに打ち上げで・・・」

芳雄さん「打ち上げで泣く。泣くところ違うだろ」

 (会場が笑いに包まれる)

 

(どういう状況で泣いたか問われた)上白石萌音さん「ジョンさんが打ち上げで挨拶をされていたんですけど、本当にスタッフ1人1人とかキャストへの感謝みたいなのをしゃべっていたのとか聞いて、2ヶ月の稽古が走馬灯のように流れてきて、あ~初日開いたんだぁと思って。あとはなんかよく分からずに涙が止まらなくて」。ちょっと、ね、カーテンコールで泣けたら良かった(爆笑)

(光一さん、芳雄さんが口々に)「次からそうしよう」「次からそうしようね」

 

 ★ここまで会見が始まって2分足らず。既にカンパニーの充実感、達成感、仲の良さのようなものが存分にあふれ出ていました。特に、萌音さんの話になった時の光一さんの満面の笑みといったら。「泣くところ違う」というツッコミがありながらも、キャストの皆さんが萌音さんの涙をほほ笑ましく見守っていたことが想像できます。

 

――外国人スタッフとの共同作業はいかがでしたか?

光一さん「それを間近で見られたこと、そして、直に受けたこと、それが本当にこれまでとこれからに対してすごく財産になるなというのはもちろんなんですけど。スタッフの方々はもちろんキャストも本当に素晴らしい方なので、僕は飛び込んだ気持ちでいるので。僕と芳雄くんのフィールドは違ったかもしれないですけど、志という部分では同じところを向いているなというのをすごく感じていますし、それが本当にすごく頼もしくて、だからこそ自分もステージに立つこと、稽古をすること、稽古の時点で楽しくてしょうがなかったです」

 ――アイデア出された部分もあったとお聞き島しましたが?

光一さん「アイデアというか、ちょっとしたワークショップ的な感覚というか。ジョンがおっしゃってるのは、世界初演ということはオリジナルキャストが一番重要になっていくものなんだよ、ということで、こちらから提示していかないと物事が運んでいかない部分もたくさんあったんですよね。自分からのアイデアというより、今までの経験といったものを出していかないといけなかったという。その分、プレッシャーがあった」

 

★続く「初日のお客さんの反応は? 」という質問には、光一さんが自然と芳雄さんに回答を譲りました。このあたり、光一さんの芳雄さんに対する自然な気遣いが感じられました。

 

芳雄さん「良かったですよね、すごく。もちろんお客様も緊張されてたのかなと思いますし、騎士物語って剣を持ったポスターで、ちょっとどんな話なんだろうって感じいらっしゃったと思うんですけど、実はこれはコメディーでもあるので、物語が進むにつれて、『あ、これ笑っていいんだ』(会場クスクス)、『あの男二人はもしかしたらバカなんじゃない?』(会場爆笑)、という空気が、あ、役柄ですよ・・・それがお客さんに浸透していって、本当に物語と一緒に笑ってくださったり、反応くださったりするのが増えてきて」

 光一さん「ジョンからの演出では、とにかくセリフに間をあけないこと、次から次に言いなさい、言いなさい、言いなさい、言いなさい・・・だけどちゃんと言葉を伝えなさい、ストーリーを伝えなさい――ってことを常々言われていたんですね。こんなに間をあけずにシェイクスピアの難しいセリフをポンポン言って、お客様に伝わるのかなあっていう不安もあったんですけど、あ、ここで笑うのかとか、ここで笑ってくれるんだなっていう感覚はあって、それがさっきも言いましたように、本番で完成されて・・・。そんな中、ずうっと王様のシーシアスはもう威厳を保ったまま長いセリフを言わないといけないっていう」

 岸祐二さん「いや、そんな中ぁ~、間を空けました」(と間を空けながらしゃべる、会場爆笑)。

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(「あえての」「威厳をね」と、光一さんや芳雄さんが口々に言う)

 

 ★このあたりから、光一さん演じるアーサイト、芳雄さん演じるパラモンと闘う敵国の王、シーシアス役の岸さんいじりのパート(?)が始まります。岸さんを交えた光一さん、芳雄さんの3人の関係性も何だか楽しそうです。「ジョンさんに一番怒られた人っているんですか」という質問に、キャストの多くが岸さんの方を向いたのです。

岸さん「怒られては・・・いないです」(確認するような落ち着いた言い方で)

芳雄さん「岸さんがね、最初にやってみる時にいっぱい動くんですよね、色んな人の所に(「怒られては、いないです」と、芳雄さんが話している時も繰り返す岸さん)。でも、そのたびに『動くな』」

光一さん「Don‘t Move!」

岸さん「王様の役なので真ん中でどんと構えてろと。二人はとにかくセンターでいるので、その二人をちゃんと見守って動くなと。だけど僕はついつい感情で動くので、どっちかに言いたくなって動くんですよ・・・『Don‘t Move!』・・・延々1時間ぐらい言われる」

光一さん「また言われてるわ~。稽古場ではドントムーブコント始まったって」

岸さん「二人の温かいほほ笑みに、支えられて参りました」。

 (ちなみに、会見の最後にキャスト全員が一言ずつしゃべる際、向かって左側の大澄賢也さんから始まったのですが、上白石さん、芳雄さんと来て、並び順としては光一さんがしゃべる順番なのですが、当然光一さんにはトリを務めてほしいという空気にた。光一さんは「いいよ俺は」とトリにこだわらないでしゃべろうとしたのですが、そこはさすが芳雄さん。「岸さん最後になっちゃいますけど?」「あえて岸さん最後にしますか!??」と笑わせてくれました。これも岸さんとのいい関係性があるからこそ、なのだなあと思いました。岸さんのユニークさ、好感度がアップした会見でもありました)

 

 

 ★続いて、既にネット上で話題になっているプレビュー公演での「アクシデント」に話が及びます。劇中、アーサイトとパラモンが抱き合うシーンが多いのですが、その一場面で何と光一さんと芳雄さんの顔が同じ方向を向いてしまい・・・

 

――プレビュー公演の初日、見てました、アクシデントが。

光一さん「ねえ、キスをしてしまいましたね~」

芳雄さん「ちょっといい方おかしいですけどね、キスシーンないんですけどね」

 光一さん「あれもう、完全に僕のミスですから」

芳雄さん「抱き合うシーンが多いんですけど、やっぱり顔の向きを決めてたんですよ、そういう事故が起こらないように。決めてたはずなのに、なんかやっぱ本番のテンションで光一くんがねえ、僕の顔の真ん前にこう」

 

 ★女性レポーターの方々がグイグイ「どういう感じだったんですか?」と、詳細な状況を聞き出そうと、ついには再現シーンまで求めることに。光一さんと芳雄さんも心良く(?)応じ、会見の立ち位置も変えて「俺がこういう感じで」「今回はこうしようね、と決めてたんです」と実際に抱き合う時のやりとりを示してくれたのですが、残念ながら文字ではお伝えしきれません。とにかく、色々なやりとりを見せてくれました(なんてサービス精神!)。レポーターの方々はさらに乗じて「感触はどうだったんですか」という質問まで!

 

光一さん「感触も何も、そのまま二人でポッとしちゃって」

芳雄さん「そのことしか覚えてないです」

 

★女性レポーターの方がキャアキャア盛り上がったキスについての話でしたが、その輪に入れなかった男性レポーターの方が一言「キス物語ですね」と、うまいこと言ってました。

 

――今の二人の関係ってどんな関係ですか?

光一さん「自分としては本当に、みなさんはミュージカル俳優ですけど、僕はもう違うと思っているんで、その中に入らせていただいて。芳雄くんを筆頭に尊敬する皆さんですから、その皆さんと一緒にできることが自分にとっては光栄であり、毎日がすごく刺激的なので。とにかく芳雄くんの舞台上での存在感というものは素晴らしいものがあるので。でも芳雄くんも常々言ってくれてるんですけど、一人で主演を張る感覚とはまた違って、しんどいことは二分割されて喜びは2倍になって・・・芳雄君がね」

井上「結婚式のあいさつ!」

光一「でも本当に芳雄くんの言うとおりで、その感じがすごく心地いいなって」

井上「でも光一くんは謙虚なんでね、自分はミュージカル俳優とは・・・とかいいますけど、当たり前ですけど立派なミュージカル俳優ですし、あとやっぱり僕たちは光一くんと一緒にやることで、あ、スターってこういうことなんだなって思いますね、今のスターっていうのかな。もちろん輝きとか華やかさっていうのもあるけれども、でもその中身も伴って、さらに新しい挑戦もみんなに見せるっていうのを隣で見ていて僕もたくさん勉強になりますし、当たり前のように今一緒に舞台に立っているけど、実はこれはすごい今までにはなかったことだし、ちょっと前にはこんなことはできないだろうなと思っていたことが、今当たり前のようにできてることがすごくうれしいですね。ホント、みんな含めてですけどね」

 

――光一さんは今年、4か月帝劇の舞台に立っている

 光一さん「こんなありがたいことはないです。これも常々SHOCKをやっている時からずっと言ってますけど、やっぱり帝劇というのは神聖な場所なので、しかも今回はリニューアル工事をして最初の公演。楽屋もキレイになりました。本当に光栄ですね。やっぱり素晴らしい俳優の諸先輩方が作り上げた歴史のあるこの劇場ということを絶対に忘れずにステージに立ちたいなと思います」

 ――4か月は長いですね。

光一さん「長いですね」

芳雄さん「住んでるみたいなもんですよね。家賃払ったら?」

光一さん「そっかあ、逆にね」(と、突っ込まれてうれしそうな光一さん)

 

 ★「帝劇4か月に」に関しては後に、「市村正親さん、松本幸四郎さん、森繁久弥さんに続いて4人目だそうです」という追加質問があり、光一さんは即座に「怖い!恐ろしすぎる、そんな名前の後にって。ダメ! 大丈夫!?東宝さん」と、先ほどの和やかムードから一転して、少々焦りのようなものを見せて「畏れ多い」と謙虚に語る光一さんでした。

とにかく、カンパニーの仲の良さ、一致団結感が現れていた初日を終えての記者会見。その背景にはやはり光一さんと芳雄さんの友情があることを、ヒロインの音月桂さんも明かしてくれました。

音月さん「お稽古中から光一さんと芳雄さんがラブラブだったのでちょっとヤキモチを焼いていたんですけど、お互いがリスペクトされてらっしゃるのがすごく。そのお二人の関係が穏やかなので、ピリッとしてしまった稽古中でもカンパニーが乱れることなく一致団結できたのはお二人のお陰だと思っています」

さらに、初日公演を観劇した大地真央さんと前田美波里さんは、終演後に光一さんに以下のように語っていたそうです。

光一さん「本当に愛あふれる内容になっていて、それがカンパニーの中の愛みたいなものも伴って、凄く愛情あふれる作品ですねっておっしゃっていただいて。うれしかったですね。あ、そういうふうに感じていただける作品なんだな」

愛情あふれる作品、いい言葉ですね。20分程度のこの短い会見でも、お二人、そしてカンパニーの愛情があふれていました。って同じこと何度も言ってますね。さて、読売新聞水曜夕刊のpopstyle面では、まず8月1日の紙面で第1弾「速報版」を掲載します。じゃあ第2弾もあるの?ってそれは後日お知らせしますので、ツイッター等の情報をチェックしてくださいね。

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 読売新聞の水曜夕刊に掲載されている新感覚カルチャー面。旬の人のインタビューコーナー「ALL ABOUT」を中心に、若きタカラジェンヌの素顔に迫る「タカラヅカ 新たなる100年へ」、コラムニスト・辛酸なめ子さんの「じわじわ時事ワード」といった人気連載に加え、2016年4月から、ポルノグラフィティのギタリストのエッセー「新藤晴一のMake it Rock!」、次世代韓流スターのインタビューコーナー「シムクン♥韓流」がスタート。オールカラー&大胆なレイアウトで紹介する2面にわたる企画ページです。

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