Pop Styleブログ

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SEKAI NO OWARIの大特集で募集したプレゼント。たくさんのご応募をいただき、ありがとうございました。さて、今回の応募に必要なキーワードは「ジグ」でした。もしかして、「ジグ」って何?と思った方も多いでしょう。本文では触れることができなかったこの言葉は、心躍るような「Hey Ho」のサウンドの秘密と関係があるのです。Nakajinの解説とともにお届けしましょう。

―― 「Hey Ho」はサウンドも面白いですね。こんなことがやれて、似合ってしまうのは、今のロック、ポップス界でセカオワしかいないと思います。

Nakajin そうですね。音楽的に、3拍子の曲調で、面白いリズム、いいリズムないかなと思ってて。最初に、ケルト音楽という北欧の民族音楽で「ジグ」というリズムがいいなと思って、それを取り入れて、それから色んな各国の民族音楽をいっぱい聴いて、色んな楽器を取り入れました。

―― 「ジグ」。ダカタ・ダカタ・ダカタ・ダカタ・・・というリズムですよね。

Nakajin そうです。

 ~ ★ここで、解説。ジグって、こういうものです。

 


YouTube: The Kesh / Morrison's Jig

 ケルト、つまりアイルランドやアイルランド系の国の舞曲、いわゆるダンス音楽のリズムです ね。「1、2、3、4」と4拍で数えられますが、その1拍ずつを細かく聞くと「ダカタ・ダカタ・・・」とも数えられる、つまり3連符になってるんですね。

 ~ ★インタビュー再開です~

―― ものすごくたくさんの楽器が出てきますね。

Nakajin 楽器の数は数えていはいないんですけど、家でデモを作るときは88トラックありました。

―― 88も!すごい。それは、88音色というか、ごく短く出てくるパーカッションとか、そういうのも含めて88トラックですね。

Nakajin そうですね。やっぱりすごく歌詞のメッセージが強いというか、言葉の強い曲だなあと思ったので、それがいい意味で中和されるというか。元々こういうプロジェクトも押しつけたくないっという話があたので、アレンジとかでそのあたりが中和できるくらい楽しくて明るくて、誰にでも楽しく聴いてもらえるようなものを意識しました。各セクションで全然違うアレンジになってるんですけど、特に序盤なんかは、意外とちょっと気の抜けたような音だったり、コミカルな感じの音を使ったりとか、バンジョーとかってアメリカの土着的な楽器ですけど、ポップスに使うと、ちょっとほっとするような雰囲気が出るので。あえてそういうのをしたりとか。トランペットのフォール・・・「ファーオ」という音みたいな、ちょっとコミカルな音を入れることによって、ちょっと気の緩む瞬間を持たせてあげるのはいいのかなと思ってましたね。構えて聴く人がやっぱり多いなあと思っていて。

 ~ ★解説② トランペットのフォールとは


YouTube: Trumpet Sound Effects (4): The Fall

 1:12ぐらいから見て下さいね。ファーオと音程を下げる吹き方です。

 ~ ★インタビュー再開 ~

Nakajin ミュージックビデオが公開される前は、「Hey Ho」が、こういうプロジェクトやるということがあったので、シリアスめの曲だと捉えている人が多くて、そういう人が聞いたときに、「イントロから絵本の世界に入ったような楽しいイントロでした」と言ってくれた子が多くて。イントロとか特に気を使ったように思いますね。導入から、すごい異世界に連れてくような感じをだしたいないと思って。

――イントロは、フィドルですね。

Nakajin そう、いきなりフィドルで始まって。

 ~ ★解説③ フィドルとは

「Hey Ho」のビデオを見れば、分かりますよね。「なんだ、バイオリンじゃないの?」って。そうです。フィドルはバイオリンです。楽器が異なるわけじゃないのですが、クラシックのバイオリンは美しく華麗な高級な音の印象が強いと思いますが、ケルト音楽ではもっとワイルドに田舎っぽい響きを出そうとしてこの楽器を用いるのですね。楽器は同じでも違う役割という感じなので、ケルト音楽におけるバイオリンは、フィドルと呼ぶわけです。

 ~ ★インタビュー再開 ~

Nakajin その後に、トランペットとファゴット、木管とかその後、いっぱい入ってくるんですね。ハープとか、グロッケン。イントロの作り方として、サビとか、どっかメロの何かの楽器を引用して、それをちょっとイントロ風にというのは、よくやる手ではあったりするんですけど、そういうのではなく、いきなりからイントロから別世界につれていけるようなものがいいなと思って、イントロは苦心しながら作りました。

―― なるほど。

 ★いかがだったでしょう。紙面ではブレーメンプロジェクトや歌詞についての話が中心だったので、音楽に対するNakajinの思いを泣く泣くカットしてしまいました。もちろん、インタビューでもイントロや序盤のサウンドについてしか聴けなかったのですが、例えば1番と2番の違い、よく聴いてみて下さい。あえて、音の空白を作ってのんびりした印象の1番と違い、2番はNakajinがジャンジャカジャジャジャと弦をかき鳴らしているので、ちょっと忙しさが増しているのが分かりますでしょうか。この曲は、本当に部分部分で細かい変化が付けられていて、たくさんの楽器がちょっとずつ登場します。1曲を分析してみるだけで、相当な深い音楽体験ができると思いますよ。ミュージックビデオで演奏されている楽器を見ながら、これは何の楽器だろう、と是非調べてみたら楽しいと思います。

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 読売新聞の水曜夕刊に掲載されている新感覚カルチャー面。旬の人のインタビューコーナー「ALL ABOUT」を中心に、若きタカラジェンヌの素顔に迫る「タカラヅカ 新たなる100年へ」、コラムニスト・辛酸なめ子さんの「じわじわ時事ワード」といった人気連載に加え、2016年4月から、ポルノグラフィティのギタリストのエッセー「新藤晴一のMake it Rock!」、次世代韓流スターのインタビューコーナー「シムクン♥韓流」がスタート。オールカラー&大胆なレイアウトで紹介する2面にわたる企画ページです。

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