今週のオール・アバウトに登場するのは、人形アニメーターの第一人者、真賀里文子(まがり・ふみ
こ)さんです。といっても、どれくらいの方が、ピンとくるか? 正直、不安もあります。戦後の立体アニメ界を先導してきた大物といった言い方よりも、具体的な作品をご紹介した方が皆さんの理解が早いかもしれませんね。CMなら「コンタック」「ドコモダケ」、映画なら「帝都物語」「孔雀王」のアニメ部分など作品は非常によく知られているものばかり。命のない人形を少しずつ少しずつ動かしては撮影することで動きが生まれ、命が吹き込まれるのですが、真賀里さんはそんな気の遠くなるような作業をもう半世紀以上も取り組んでいるんです。第一線を駆け抜けてきた彼女が1979年に取り組んだ「くるみ割り」人形が35年たってリ・クリエイトされ、11月29日から公開されるのを機に、インタビューを敢行しました。物作りに興味のある方なら必見の記事ですよ。
お話をうかがっていて、びっくりしたのは2014年現在、78歳という結構な高齢にもかかわらず、見た目も精神も若々しいこと。過去の大家という感じはゼロ。現役ばりばりのクリエイターなのです。偉そうな感じもゼロ。とにかく新しい表現を生み出すことに日々精進を重ねる人だけが放つ輝きが彼女にはありました。
真賀里さんの仕事はあまりにも多岐にわたっていて、一つだけをあげるのは難しいのですが、記者があえて一つ選ぶとするなら、やはり映画「帝都物語」の有名なシーンです。1枚の紙が、怪しい鳥に変化するという強烈なシーンをコンピューターグラフィックスを使わず、コマ撮りで作り上げてしまったわけです。驚くのは、「依頼を受けた時点で、どうすればその画像が撮れるのかがすぐに分かった」という点です。逆に言うと、どうすればいいのかよく分かったから、仕事を引き受けたというのが真相のよう。半世紀も第一線を駆け抜けてきた人だから、当然、表現のための「引き出し」も多く持っている方ならではのエピソードです。
また、1度も自分から仕事を売り込んだことがない、というのも驚かされました。このセリフ、いつも受け身でいじいじと思うことも言わずにいたという意味ではありません。よく話を聞くと、仕事が忙しすぎて、売り込む暇もなかったという意味だったのです。すごい言葉です。周囲が、いつも真賀里さんの技を尊敬し、一緒に仕事をしたがった。だから、真賀里さんは結果として売り込んでいる余裕がなかったわけです。
記事には、このほかにも大学在学中の破天荒な行動ぶりや幼少期に出合った村芝居の魅力など魅力的な挿話でいっぱいですから、ぜひ実際に紙面を手にとってみてください。
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