(福)です。
きょう19日の読売新聞夕刊popstyleは、見開きのALL ABOUTで作家の川上未映子さんが登場します!歌、詩、小説と、様々な分野で活躍する川上さん。新刊が刊行されたのを機に、文芸担当の金巻有美記者が肉薄しました。以下、金巻記者からのメッセージです。
作家の川上未映子さんの特集を担当した金巻です。
川上未映子さんとは、読売新聞で読書委員をしていただいていることもあり、面識はあったのですが、個人的に自分自身がポップスタイルに記事を書くのが初めてということで、取材は最初から緊張しました。
ご存じの通り川上さんはとてもお美しい方なのですが、恐らく川上さん自身こんなに大きく紙面にお写真が載るのは初めてなのではと思い、何はともあれすてきな写真を撮らねばとあせるあまり、1時間半の取材時間のうち、実に1時間を撮影にあててしまいました。
場所は新作長編『すべて真夜中の恋人たち』を刊行する講談社。新刊の主人公が校閲者で図書館にもよく通うという設定なので、講談社の図書室をお借りして撮影しました。NYの市立図書館のようなすてきな図書室で、二階通路をお借りして撮影。取材がたてこんでいるせいか、川上さんは少々お疲れのご様子でしたが、とても気さくにカメラマンの注文にも応じてくださいました。場所を移して、講談社26階の応接室でも撮影を続行。こちらは、まるで東京の街に浮かんでいるかのような写真を撮影することができました。
肝心の取材は、撮影に時間をとられて時間が短くなってしまったためかなりあせって矢継ぎ早に、しかも少々失礼かもしれない質問をしたのですが、川上さんはじっくり言葉を選びつつ、誠実に答えてくださいました。「作品に対してはかなり完璧主義」とおっしゃる通り、とても真剣に小説に向き合っている姿勢が伝わってきました。
前作『ヘヴン』はいじめを通じて善悪とは何か、人間が生きていくうえで善悪とはどんな意味を持つのかということを追究した作品でしたが、今作は恋愛、つまり「人が人を思うこと」をとことん突き詰め、煮詰めて取り出したエッセンスが凝縮したような作品です。ネタバレになりますが、結局、主人公の恋は一般的に見れば成就せず終わります。けれど、そもそも恋愛が成就するとはどういうことなのか、成就することが幸福なのか、といったことを考えさせられます。そもそも人が生きていくのは理不尽なことの連続ですが、恋愛はその最たるものではないでしょうか。思い通りにならないからこそいろいろ考えるし、感じるし、学ぶことがある。そして、そこにこそ豊かなもの、生きていてよかったと思わせるものがあるのではないか。
川上さんならではの繊細な言葉の連なりがまるで光の粒のように迫ってきて、いろいろ物思いにふけってしまいました。皆様には、しみじみとした秋の夜長にぜひ読んでいただきたい1冊です。もちろん、読むときには川上さんおすすめのCDをかけるのをお忘れなく!
以上です。熱い思いが伝わってきますね。ぜひ紙面を手にとってそれを感じ取ってください!
今月から始まった新コーナー「イマ推しっ!」は、左側で「モーニング娘。」のリーダー、高橋愛さんの卒業に際して、記念コンサートの模様や高橋さんへのインタビューを、326こと森田睦記者がこれまた熱く伝えています。右側では、携帯の着信メロディーのチャートで上位に食い込んでいる3人組ユニット「ソナーポケット」の魅力を、清川仁記者が紹介しています。
ちなみに、「注目ワード」のコーナーでは、ブルーレイとDVDが今月5日に発売になった3Dアニメ長編映画「豆富小僧」で主役の声を演じた深田恭子さんに、不肖私がお話をうかがって記事を書かせていただきました。盛りだくさんの内容ですので、ぜひご覧になってみてください。
プレゼントは、『すべて真夜中の恋人たち』の著者サイン入り本を5人に。応募はこちらをクリックしてください。10月25日(火)が締め切りです。
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