popstyleは、震災による特別紙面編成のため、今週もお休みです。しばらくは紙面の代わりにこのブログでpopstyleらしい情報をお届けしたいと思っています。今回は、 「171 コアラのマーチ」について。震災発生後まもなく、「TEL 171」というボードを持ったコアラのマーチの絵柄の存在がネット上で話題になり、「ロッテさん、仕事が早い!」と称賛の声が上がりました。ロッテさん、本当に震災後に作ったんですか!?
「171」というのは、「災害用伝言ダイヤル」の番号で、災害で電話がつながりにくくなった時に、伝言を録音することができます。今回の震災で初めて認識したという人も多いのではないでしょうか。私の家でも、東北に住む身内に連絡が取れずにいたとき、初めて「171」を使いました。残念ながら、安否を知りたい身内が「171」の存在を知らなかったため、活用しきれずに終わったのですが。ともあれ、今回の震災が起こって、災害用伝言ダイヤルの重要性を痛感したという方が多いのではないでしょうか。
そんな中、震災発生から2~3日後、ロッテ「コアラのマーチ」の絵柄に、ヘルメットをかぶって「171」のボードを持つコアラがあることが、ツイッターを中心に話題になりました。「仕事が早い!」「感動した」「すごい」などとロッテさんを称賛するコメントが上がっていました。
私は当初、あまりのタイミングの良さと、コアラのマーチのほのぼのとしたイメージと災害がどうしても結びつかず、「本当にこんなのがあるのかな」と、ちょっと疑問さえ思っていました。震災が起こってから絵柄を追加したにしてはありえない速さですし、それ以前からこのような絵柄があることも考えにくいと感じたからです。
そう思いながら、ロッテの広報に取材したところ、「171コアラ」は現存したのです!
「これは今年2月8日から新しく加わった絵柄なんです」(ロッテ広報担当者さん)。
最近なんですね。何のきっかかけで!? いささか唐突な気もしますが・・・。まさか今回の地震を予知していたなんて・・・。
「まさか、そんなことはありません。これは2009年に発売された『コアラのマーチ ビスケット』 の延長上にある試みなんです。『コアラのマーチ ビスケット』は、缶に入った保存食としての ビスケット。災害用に保存しておくとともに、災害用伝言ダイヤルの存在も知ってほしいとパッケージに『171』の説明を付けたんです。その流れで、本家の『コアラのマーチ』でも、絵柄に『171コアラ』を追加したんです」(ロッテ広報)
なるほど、唐突な試みではなかったのですね。震災で「171」の存在がクローズアップされたことで、コアラのマーチのこの絵柄も注目されることになったんですね。
ロッテは、今回の震災を受け、ホカロン10000個やお菓子288000個を被災地への救援物資として提供することを決めています。その中には、「コアラのマーチビスケット」(14,000個)も含まれています。ちなみに、コアラのマーチビスケットは、チョコレートは入っておらずコアラのマーチとは異なる味の商品。被災地の子供達に少しでも喜んでもらいたいと、コアラのマーチの絵柄の缶にしたのだそうです。
一時は、ロッテさんの心意気に私たちがほっとさせられました。今度は被災地の子供達に、少しでも笑顔が戻ることを願ってやみません。(popきよし)
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