「ALL ABOUT 山里亮太」を執筆したpopきよしです。山ちゃん特集に多くの反響をいただき、ありがとうございます。山ちゃんファンのパワーをヒシヒシと感じます。ファンの方々って「山ちゃんのスゴさを、みんなちゃんと知ってよ」って思っているんじゃないかな。僕も同じ気持ちなので、ら、山ちゃんのスゴさを知るエピソード、紙面からこぼれた話をもっと公開しちゃいます。
僕が山ちゃんを、「この人、すごいなあ」と思ったのは、2007年に開かれた記者会見でした。それは、某地方局制作の釣り番組特番の会見。何人か女性芸人さんたちが出ていた番組でしたが、山ちゃんは、しずちゃんと一緒ではなく、ピンとして参加していました。しかも番組には、「しずちゃんは忙しいから、山ちゃんが釣りを通して新しい相方を見つける」という、酷なサブテーマが設けられていたんです。そして、制作発表会見に登場したのも、山ちゃんたった一人。忙しい相方にふられる暇な人っていう設定が、一人で会見に出ることで、さらに強調されていたんです。
ここだけの話、そういう地方局制作の会見って、お義理で出席している記者が多いので、会見の空気が重いんですよ。そんな中、登場した山ちゃんは、そういう空気を十分に理解した上で、慇懃に挨拶し、「みなさん、僕に全く興味ない顔してる」「何でしずちゃんは来ないのかなぁって思っても我慢してくださいね」といったお得意の自虐ネタをかますんです。でも、空気は一向に温まらないし、質問も出ない。それでも山ちゃんは、こっちが息をつく暇もないぐらい、しゃべり続けるんです。僕は、面白かったので笑ってましたよ。何せ空気が重いんで、大声で笑うことがはばかられ、静かにね。正直、僕もお義理で出席した口だったけど、実に楽しませてもらった思いでしたね。山ちゃん独演会をタダで見られたお得感で。その数か月前、山ちゃんの身には、あの伝説のアカデミー賞インタビューがあったので、僕としても山ちゃん評価が下がっていたときだったので、一気に回復しましたね。やっぱ山ちゃんってすごいんだって思いました。何に感動したかって、独演の面白さ自体よりも、重い空気に負けずにしゃべり続ける胆力と、お義理の記者会見でも手を抜かないマジメさにですよ。
今回のインタビューでは、そのことについて山ちゃん聞いてみました。「どんな場所でも楽しませようとする人なんだって感激しました」と。すると、こういう答えが返ってきました。
「楽しませようなんて感じじゃなくて、面白い人って噂が欲しいなって、そんな感じですよ。ああいうところでは、笑いが起こりにくいって知ってるんですけどね。でも、しゃべらなくて終わっちゃうより、同じ時間過ごすんだったら、何か残った方がいいかなあと思います」
山ちゃんらしいコメントですよね。山ちゃん、確実に残りましたよ。僕の心には。
読売新聞の水曜夕刊に掲載されている新感覚カルチャー面。旬の人のインタビューコーナー「ALL ABOUT」を中心に、若きタカラジェンヌの素顔に迫る「タカラヅカ 新たなる100年へ」、コラムニスト・辛酸なめ子さんの「じわじわ時事ワード」といった人気連載に加え、2016年4月から、ポルノグラフィティのギタリストのエッセー「新藤晴一のMake it Rock!」、次世代韓流スターのインタビューコーナー「シムクン♥韓流」がスタート。オールカラー&大胆なレイアウトで紹介する2面にわたる企画ページです。