Pop Styleブログ

本文です
前の記事

 こんにちは、非モテ編集長です。バレエ専門記者して、モーリス・ベジャールさんの死は感慨深いものがあります。久しぶりに「極私的」シリーズをお送りしましょう!

20世紀最大の振付家
 まず、ベジャールさんはどんな人なのか簡単なご説明を。彼こそは、20世紀最大の振付1家。 1959年に「春の祭典」っていう衝撃作を作ってバレエ界に衝撃を与えました。その作品以前のバレエ界って、「眠れる森の美女」みたいな女性プリマ中心でおとぎ話的な作品が主流。そこにベジャールさんは「春の祭典」で、男女同数のダンサー群がワイルドで、性的なエネルギーまでもがさく裂する作品を発表したのです。

 その後も、オペラや演劇、映画をモチーフにした作品、ロックやポピュラー音楽への振り付け、歌舞伎や東洋思想を題材にした作品など、多彩なバレエを次々と発表し、「バレエってこんな深い表現が出来るんだ!」と世界中の人に関係を与えた。バレエの流れを変えてしまったわけですね。その当たりは、亡くなった当日の社会面に載せた記事に詳しく書いてます。→http://www.yomiuri.co.jp/national/obit/news/20071122zz23.htm

来日を待ちわびた私
 私がバレエ担当になった2000年当時、彼の存在感たるやバレエ界にそそり立つ巨木のよう。専門記者としては担当分野の最高峰の人に対しては、ぜひインタビューをしてその懐に飛び込み、自身の創作のこと、現代社会のこと、自身の生い立ちのことなどを語ってもらいたいと思うものです。ひたすら来日を待ちわびていました。
 初めてチャンスが訪れたのは、2002年のこと。モーリス・ベジャール・バレエ団が最新作「少年王」、クイーンの曲を構成した世界的ヒット作「バレエ・フォー・ライフ」、中村歌右衛門さんに捧げた「東京ジュエスチャー」を携えて4年ぶりに来日したのです。早速、インタビューを申し込むとOKの返事。4月3日に東京文化会館に行きました。

キリアン、マラーホフ、予習ばっちりのはずが
 そのころの私は、イリ・キリアンさん、ウラジーミル・マラーホフさん、熊川哲也さんら大物のインタビューもこなしていたし、その前年にパリで東京バレエ団の「ザ・カブキ」が絶賛される様子も目撃した。その上で、膨大な過去記事を読み込んで事前予習もバッチリ。「さあ、たっぷり話を聞こう!」と気合を入れて現場に臨みました。

女性ダンサーの腹筋に感動
 文化会館では来日して間もないバレエ団がクラスレッスンを終えたばかり。ダンサーはみな背が高くて美しい。とりわけ、エリザベット・ロスのがっしりしたボディと割れた腹筋が印象に残ってます(この人は女性なのだが)。

気合で質問したのに。。。。
 で、インタビュー開始。自信満々に質問をぶつけましたが、どうも勝手が違う。熱く語るどころか答えの一つ一つが短いのです。
 例えば、ジョルジュ・ドンとフレディー・マーキュリーに捧げた「バレエ・フォー・ライフ」のことを聞いても、「この10年間、ドンのことばかり考えている」など、ドンのことを語るだけで、作品に込められたテーマはを語ってくれない。
 その時は9・11テロの後だったので、国際情勢が悪化する中でのバレエの役割について、機知に富んだ言葉を聞きたかったが、そうもいかない。「21世紀は暗いニュースばかりだからこそ、ダンスは人々に幸福感を与えると同時に様々な問題点を認識させられる」といった調子なのです。取り付く島のないまま、取材時間は終わってしまいました。

「バレエ・フォーライフ」がスタンディングオベーション
 当時の記事を読み返すと、簡潔で内容のあるコメントを下さっているんですが、古いスクラップに載っている思想や哲学、宗教について語っているインタビューに比べると物足りない。リハーサルの合間と慌しい中で、他の考えごともあったのかもしれません。もうお年なので語るのが面倒なのかなあ。なんていろいろ思って落ち込みながら文化会館を後にしました。

 しかしながら、数日後、同じ会場で見た「バレエ・フォーライフ」がすごかったこと!クイーンの曲に振りつけたやつなんですが、生と死の関係を考えさせる踊りは心にしみたし、「Show Must Go On」とジョルジュ・ドンの映像が交錯する瞬間がすさまじかった!会場を総立ちのスタンディングオベーションが巻き起こりました。とにかく、ベジャールさんが老いたことはないのですね。次回はもっといい質問をしようと心に誓いました。

青い瞳の秘密を「あの人」が語る。あす朝刊文化面に注目
 初めてお会いした時、印象に残っているのは、ベジャールさんのブルーな瞳。その瞳がどんな心理的作用を及ぼすかは、あす26日付け朝刊の文化面を読んでください。ベジャールさんのことを大変良く知る「あの人」が語る追悼記事が読めますよ!そう、ドラマで有名なあの人です。

追悼モーリス・ベジャールさん!極私的ベジャール体験②パリでの再会に感動したが。。。。は→ http://blog.yomiuri.co.jp/popstyle/2007/11/post_ee0f.html

 質問や激励のメッセージは、popstyle@yomiuri.com にどうぞ。

ついでに応援クリックもよろしく! CoRichブログランキング

前の記事

 読売新聞の水曜夕刊に掲載されている新感覚カルチャー面。旬の人のインタビューコーナー「ALL ABOUT」を中心に、若きタカラジェンヌの素顔に迫る「タカラヅカ 新たなる100年へ」、コラムニスト・辛酸なめ子さんの「じわじわ時事ワード」といった人気連載に加え、2016年4月から、ポルノグラフィティのギタリストのエッセー「新藤晴一のMake it Rock!」、次世代韓流スターのインタビューコーナー「シムクン♥韓流」がスタート。オールカラー&大胆なレイアウトで紹介する2面にわたる企画ページです。

掲載紙購入方法
            1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29