読売新聞3月31日夕刊「popstyle」で取り上げた轟悠さんの宝塚歌劇団退団会見の詳報をお送りいたします。
【小川友次理事長のあいさつ】
お忙しい中ありがとうございます。この10月1日で卒業することになりました轟悠、彼女と私は、本当に思いといいますか・・・。
私が宝塚にきたのは1998年、営業の総支配人で、そのとき雪組のトップでした。
今でも「ノバ・ボサ・ノバ」の、名前のように轟くような歌声を思い出します。
そして凱旋門、感動したのを覚えています。
そしてバトラー。退団理由はきいていただいたら結構ですが、専科、理事、そして100周年を引っ張ってくれました。本当に感謝の気持ちでいっぱいです。本当にありがとう。
100周年後もご存じの通り、シアタードラマシティ等々でリンカーンなど、新しい境地、あるいは男役の境地を開いてくれたような気がします。
本当に35年を宝塚のために必死で頑張ってくれました。感謝の気持ちしかありません。10月1日までみなさんどうぞよろしくお願いいたします。本日はありがとうございます
【轟悠のあいさつ】
このたび2021年10月1日をもちまして宝塚歌劇団を退団いたします。今まで応援してくださいました皆様、そして、宝塚歌劇を今もご支援いただいている報道関係者の皆様、本当にありがとうございました。
(以下、質疑応答に続きます。)
――驚きました。退団決めた経緯や、いつ頃か教えて下さい。
いつ頃だったかは、昨年、決めました。
――決めた理由は
理由、きっかけですか。そうですね。私の心の中に退団しようっていう時がやってきたことに気づきまして、うーん、自分の心に素直に従おうと思ったからです。
――何かこれといった原因があって。
これという出来事があったのではなくて。
――「鐘が鳴った」とよく表現されますが。
鐘は鳴らないですが、ストンという感じで、自分で気がついたと言った方がいいかなと思います。
――同じく驚いたんですけれども、もうちょっと具体的に、退団のきっかけは何か、自分以外のことで、あるいは、スケジュールが延期などの影響もあったのでしょうか。
何かに結びつけたい、はっきりと知りたいというお気持ちもわかるのですが、先ほど申し上げましたように、それが本当の正直なところなので、無理やり他に理由づけることができないのですが。すみません。
――逆に、自分の中で決めたことで改めて宝塚や後輩への思いは変わるところはありますか。
いや、それはもう専科になって、色んな作品を通して、各組の生徒の皆さんとご一緒して、学ぶべきことが感じられましたし、今後の作品としましても、今まで通り、共演者と共に、宝塚を盛り上げていきたいというところは変わりございません。
――あと退団まで半年ぐらいですか、後輩に伝えたいことや、信条などは。
ないですね。その都度、その都度、私なりに一生懸命といいますか、心をこめてやってきたつもりですので、引き続き変わらず、やっていきたいなと思っております。
――雪組トップから専科に移って、立ち位置やご自身の心の変化があったと思う。どっちの方がしんどかったか、どっちの方が重かったでしょうか。
雪組トップを5年近く、やらせていただいて、その時は雪組のみんなに守ってもらっていたというのが、専科に異動して気づいたことです。そして、もちろん孤独感っていうものも感じましたが、5組あっても宝塚は一つなんだ、という答えを見つけることができました。専科に入って、本当はどうだったんだろうって、自問自答する時もありました。ですが、今こうして、昨日、発表させていただき、こうして皆様にもお会いしてお話している中で、残ってよかったなって。私、とってもラッキーな人で、幸せなんだなっていうのも感じております。
――退団を決められて、劇団、仲間に報告したと思いますが、その時の反応は。また。昨年何月に決めたのか。また、一番の思い出があれば教えて下さい。
まずは理事長や皆様には、私の意志を尊重していただけたこと、感謝してます。このことは口外しないように、とのことでしたので、どなたにも言っておりませんでした。そして退団決めたのは9月末から10月にかけて、私の中ではっきりと心が決まった時期でございました。一番の思い出は・・・何でしょう。うーん・・・。35年間が長すぎて、あれもこれもって、わき上がってきて。
――時間的なことでなかなかできないこともあったかと思います。退団後、こういうことをやりたいというのはありますか。
油絵の方も個展まで開いてもらえましたし、やりたいことは退団してからゆっくり考えようかなと思っております。
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