笑顔こぼれるみかんの飾りむき

Web_ お休み中のpopstyle紙面に掲載する予定だった、ちょっと気持ちが明るくなる話題をこのブログでお届けしたいと思います。ちょっと驚きの、みかんのむき方です。

明るいオレンジ色も、甘い味も元気を与えてくれるみかん。ほんのちょっといつもとやりかたを変えるだけで、場の雰囲気を明るくできるむき方があるんです。20年来、何よりもみかんを愛し、数々のむき方を考案した中村孝司さん(写真左)を、女優の鈴木麻衣花さん(同右)と訪ね、教えてもらいました。

 「もうみかんの盛りから外れてますよね……」と心配顔の麻衣花さんに中村さん、「時期が下ると皮が厚くて少しむきにくいけど大丈夫です! 最終的には食べるんですから」とひょうひょうとしてます。

 約20年前、友達が見せてくれたみかんのむき方に衝撃を受けた中村さん。以来こつこつ独りで研究を深め、親戚の子供相手や仲間内で披露してきました。2009年秋から、その手さばきを動画投稿サイト「ユーチューブ」で公開したところ、再生回数は何と最多16万回を超えて大人気に。昨年末には自身の編集プロダクションから単行本も刊行したのです。

Web__2  まずシンプルな「腕時計」。ヘタを中心にベルト状に皮を残してむき、腕に巻きます。これだけ。余りの簡単(強引?)さに麻衣花さん「何これ!」とびっくり。中村さんは「これだけでも思わず笑顔になるでしょう? 今何時? と聞かれたらオレン時!と答えましょう」。そして、作ったそばから房を取って食べてしまいました。「部分的に食べていけば時刻が表現できます。ほら3時のおやつ」。

Web__3  中村さん命名の「いもむし」(左)は最初に友達が見せてくれたやりかた。ベルト状に残した皮に実の房がズラリと並ぶ、シンプルなのにかなりびっくりする見た目です。これを食べていく時、両端から幾つか食べた段階で腕に巻いて見せる「ブレスレットみかん」、最後の一房になった時、指に巻けば「指輪みかん」。見る間にどんどん姿が変わります。
 ヘタの部分を丸く残してそっと房を裏返しギリギリ皮にくっつけて残せば「シャンデリアみかん」、逆にヘタの部分を丸くくり抜き輪の形に残して房を裏返すと「風ぐるまみかん」など、房の向きと皮の残し方で幾通りも見せられます。「いもむし」は女性に抵抗を示されそうと思うなら「ドミノ」と臨機応変に呼び変えましょう。

「披露すれば必ずリアクションが来ます。子供たちは特にニコニコしてくれますよ」。自分の手だけでできる飾りむき、試してみてはいかがでしょうか。

※取材でむいたみかんはすべてスタッフ一同でおいしく頂きました。

詳しくは、中村さんの著書「面白いみかんのむき方大百科」をご参照ください。

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