(央)です。「ホラースタイル」カテゴリに書くのは変なのですが、取材で最高の恐怖体験をいたしましたのでこのアイコンで書きます、すみません。なぜか文末にタカミー王子…いえアルフィーも登場するのですが、こんなアイコンで本当にすみません(笑)。
先日2/6掲載「ALL ABOUT小林伸一郎」、いかがでしたか? 知っている方はよーく知っていて「ああ、あの廃墟写真の」となるし、ご存じなければ本当に全く知らなくて「廃墟専門写真家?!」と驚きますよね。
さてその知る人ぞ知る小林さん。廃墟を被写体に定めた初めのうちは独りだけで探し歩き、撮り歩いていたそうです。写真集の刊行、写真展を年々重ねるにつれ、いつしか各地ファンたちからの「うちの近所を撮ってください」「こちらにももうすぐ無くなる建物が」という多くの声に押され、「廃墟情報網」がどんどん補強されてきているようです。今回同行させて頂いた八戸ロケでも、様々な方々と交流を深め、さらなる情報を仕入れているご様子を間近に見ることができました。八戸市の方々には本当にお世話になりました! せんべい汁おいしかったです…
あの紙面で「小林伸一郎」とお名前が入っている、本紙写真部・岩波友紀記者の撮影したタテ長の写真(私たちは「オビ」と呼んでいます)。三脚のカメラとともに佇むお姿のものですね。あれは実は、「オビ向けにとてもタテ長の写真を撮りたいんだけど、いいロケーションはあるかな」…と悩む私と岩波記者に、小林さんが教えてくれた「とっておきの秘密のお気に入り」の場所なのです。
八戸市内のとある海、港近く。強い潮風と遮るもののない真冬の日差しに白っぽく晒され、人から忘れられたような…でも何だか記憶の奥底で歩いたことがあるような不思議な気分にさせられる小道でした。「廃墟」に限らず、様々な光景から「絵」を素早く見つけ出し、写真に収める。これぞ小林伸一郎さんの真骨頂なのだな、と実感した次第です。
そして恐怖体験とは、今回同行させて頂いた住金鉱業さんご協力の八戸キャニオン・ロケです。展望台から250メートル! 日本一遠い空!! 底から見ても上から見ても本当に気が遠くなりそうな雄大な風景でした。この光景を小林さんがどのようにとらえたかは今後発表予定のお写真をお楽しみに…!(大判フィルムで撮影なさる小林さん、当然ながらその場にいる我々には「モニタでどんな画角でどんな構図が撮れているか」が見られないのです。デジカメですぐその場で簡単な再現ができるのが当たり前になっていた自分、身が引き締まる思いでした)
そして、決して一般公開されない光景だけに…コワかったんです! みてください、固まってますわたし!!(一番足場が悪い土盛りによじ登った際、全く余裕なくて写メで自分を撮ったものです) 空中で撮ったみたいに背景が遠い…じゃまなものが写り込んでないですよね? 言うならば「平均台」上にいるかのような危なっかしい現場なんです!
記事中で、小林さんがもろそうな土盛り(しかも薄雪をかぶっている!)によじのぼってずんずん撮る、足場は悪い、ついていくだけで精いっぱい、雨上がりのぬかるみ…などといっぱい書きましたが、正直現場に居た人間しかその危なさは伝わらないかも…私の下手なコンパクトデジカメおまかせモード写真で恐縮ですが、ほんのその一端をお見せします。
ききき切れてますね「土盛り(砂利の山ですね)」が。この土盛りの上によじのぼることがいかに危険か… 本来人があるく道ではありません、この土盛りは「ダンプがひっくり返ったときにすぐ谷底に落ちないため」のもの。ガードレールが建てられない現場なので、少しでもひっかかりを持たせているのだとか。淡々と小林さんが立っているこの土盛り(砂利山)の向こうの風景、どうなってると思います? お見せしましょう…じゃーん!!
…すごいでしょう!!!! すり鉢状の掘削穴の「フチ」から、底の青い水のところまで(場所によりけりですが)サンシャイン60の高さくらいあるんですよ!!
この左手の「段々」の一部で撮影しているのですっ!! この写真は移動途中のバスから無我夢中で撮ったものです。現場で私は高所恐怖症なので、本当に時々記憶が飛びそうでした。余り雄大な光景に意識を戻すと本当に落ちそうだったので、ひたすら足元のぬかるみか、撮影する小林さんのお姿だけを見つめていました。手ぶらでも落っこちそうなのに機材とともに…しかも構図をパッ、パッと見極めて。脱帽です!!
さて、先日の動画でもちらりと触れました、小林さんの写真に初めて出会った時に想起した廃墟画家、カスパール・ダヴィッド・フリードリヒの「樫の森の修道院」。今回動画撮影にあたって本棚から引っ張り出してきた古~いボロボロのファイルに大切にとってあった23年!も前、昭和60年の新聞切り抜きです。
このファイル、引っ越すたびこれだけは持ち歩いていたんですが、私が小学高学年から高校生くらいの興味がそのまま詰まってて、面白いというかムチャクチャでした。切り取っている当時はぜんぜん誰が文を書いているなんて意識していなかったけど、ダリについて寺山修司が書いていたり、当時大好きだった作家、澁澤龍彦さん追悼の切り抜きがあったり…
…という中に、なぜかアルフィー(notTHE ALFEE!!)の切り抜きもごちゃごちゃに混じって挟んでありました(笑)。どうやらギター教則本でチューニングの仕方を教えるページです。「無言劇」のころのようで、「坂崎くんのお兄さんは三味線をピッチパイプでチューニングする」…ピッチパイプ! 懐かしい!! ギターの音合わせも音叉から電気式のチューナーに変わっていきましたが、私が初めてギターを手にしたころはまだ「笛の音」でギターの弦を調整していたのだなぁっとボロファイル片手にタイム・アンド・タイドな時間旅行をしてしまいました(笑)。
2/6のPopStyleには高見沢さんが珍しく詞曲作りの裏話をつづったコラム第2回目「Takamiy Style」もありますので、今からでもぜひお手にとって見てくださいね!
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