貴女が妖怪にかわるとき…

(央)です。

20日土曜、渋谷区宇田川町の「アップリンクX」で上映中の映画「妖怪奇談」を観て参りました。監督は『心中エレジー』『楽園~流されて~』、またTVドラマ版「『超』怖い話」も手がけた亀井亨さん。

対人恐怖ぎみだったり、つい他人に対し傲慢に振る舞ってしまう3人の女性たちが自分では制御できない力によってだんだん妖怪に「変化」してゆく様を、恐ろしくも時にコミカルに、また情感たっぷりに描く力作です。「ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!!」の“キスおばちゃん”も印象深い役柄で登場、一気に観客の心をわしづかみにします。

20日は上映後に亀井監督(写真右)と、「『超』怖い話」原作者にして推協賞受賞作家かつ07年「このミス」で1位を獲得した作家・平山夢明さん(写真左)のトークショーが行われ、こちらも大変興味深い内容でした。

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平山さんは映画について「精神的な負の部分が肉体的変化としてフィードバックしていくさま、現代的な妖怪の解釈が実に面白い。また、いったん現実の人間関係の中では失ってしまった“力”を妖怪に変化することによって再獲得する点も素晴らしい」と絶賛。
亀井監督は「ホラーをモンスターに追われる被害者の側ではなく、追う側、恐怖の対象の側のの視点から描きたかった。“生きていく”ことの価値を人ならぬものになってしまった彼女たちが伝達していく様を観て頂ければ」と語っておいででした。

公開期間中、女性3名でご来場の方はお一人1,000円(税込)、妖怪かどうかは問わないそうです(笑)。ぜひこの機会に行ってみてください! ちょっと人間関係に…いや、人間であることに疲れたあなた! 損はしませんよ~!